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日本大相撲における地位の一つ、上から数えて三番目(横綱大関に次ぐ)の地位にあたる。江戸時代から存在しており語源は当時最高位であった大関に次ぐ脇役であったからとされる。


横綱や大関のように昇進に基準は定められておらず、幕内で勝ち越しをキープしていけば、いずれは到達する地位となる。しかし、関脇、小結の地位で3場所33勝程度(一場所平均11勝程度、情勢によって基準は上下する)挙げないと、大関に昇進できないので、8~9勝しかできない力士はここまでの地位しか上がれない。大関候補と呼ばれる力士が関脇の地位で足踏みしてしまうケースも多く、1990年代後半の魁皇や大関昇進直前の琴光喜、そして2012年5月場所から関脇在位を続けていた豪栄道のように実力を持つ力士が長く在位する事もある。豪栄道は14場所連続関脇在位の末、2014年の名古屋場所後に大関昇進を果たした。


関脇以下は前場所における成績で地位が決まり、原則として勝ち越せば番付が上がり、負け越せば番付が下がる。そのため、必ずしも小結から関脇になるわけではない。前頭上位で好成績を挙げた力士が、小結を飛び越えて関脇になる事も珍しくはなく、小結を経験していない関脇力士も存在する(※1)。前頭上位力士に好成績を上げた力士がいない場合は、成績によるが小結・関脇で負け越しても地位が陥落しない場合もある(※2)。


関脇で優勝した力士は、1972年3月場所に優勝した長谷川を除き、いずれも大関・横綱に昇進を果たしている。


※1……年6場所制となった1958年以降では佐田の山(のち横綱、境川相撲協会理事長)、高鐵山(こうてつやま)、追風海(はやてうみ)、北勝力(ほくとうりき、現・谷川親方)、そして現役の照ノ富士(のち大関)がいる。引退した力士に関して記せば、佐田の山以外は三役経験が新関脇の1場所のみに終わった。

※2……例えば、2013年5月場所において、東関脇豪栄道は7勝8敗の1点負け越しであったが、西関脇把瑠都以下、幕内前頭(平幕)5枚目以内で勝ち越した力士は、東前頭筆頭の妙義龍(11勝4敗)、東前頭5枚目の松鳳山、西前頭5枚目の高安のみ(いずれも8勝7敗)であったため、翌場所の番付で、豪栄道は西関脇に留まった。ちなみに、この時東関脇は妙義龍、東小結松鳳山、西小結には東前頭8枚目で10勝した時天空が昇進している。


関脇に在位した事のある現役力士

横綱・大関昇進者を除く。(2021年6月場所時点)

  • 妙義龍 埼玉栄高校時代の同級生に大関・豪栄道がいる。追手風部屋に所属していた元力士で、現在はお笑い芸人マービンjr.は埼玉栄高校相撲部の後輩。ただし、2017年はケガの影響で幕内中位以下や十両に低迷している。
  • 碧山 ブルガリア出身の大型力士で、太い腕からの突き押しが武器。2017年7月場所では千秋楽まで優勝争いをし、新入幕以来34場所ぶりの三賞(敢闘賞)を受賞した。
  • 逸ノ城 土俵上における強さと、土俵外における人物像のギャップもあって、番付とともに人気も急上昇させた有望株。新入幕の翌場所に三役に昇進した力士は北の富士(のち横綱)、大錦(小結、現・山科親方)がいるが、新入幕翌場所の新関脇は、昭和以降では初めて。体重増加に悩まされて低迷していたが徐々に力を取り戻している。
  • 隠岐の海 その四股名の通り、島根県隠岐郡隠岐の島町出身。イケメン力士であり、懐の深さを活かした四つ相撲が得意。2016年9月場所では序盤に2横綱3大関を破る波乱を起こした。
  • 魁聖 ブラジル出身の日系三世で、自身も2014年に日本国籍を取得した。巨体を生かした四つ相撲を得意とする。コーラが好きなゲーマーでもある。ちなみにサッカーは好きではない。
  • 宝富士 顔がマツコ・デラックスに似ており、師匠の伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)からも「マツコ富士に改名しようか」と言われたこともある。また、テレビ番組で大島優子から「たーたん」と呼ばれて以来、その愛称が定着しつつある。左四つの型を得意とする。
  • 玉鷲 師匠の片男波親方(元関脇玉春日)と同じ、基本的に突き押し一本で勝負するモンゴル出身力士。2019年1月場所に34歳2ヶ月で初優勝。旭天鵬に次ぐ史上2位の高齢記録となった。また優勝と同日に第2子となる男児を授かったことも明かした。
  • 御嶽海 学生横綱・アマチュア横綱を経て角界入りした力士。西前頭筆頭に番付を下げた2017年1月場所では2横綱3大関の勝利を含む11勝4敗で技能賞を受賞した。基本は突き押し相撲だが四つ相撲にも強い。2017年7月場所は西関脇に座り、初日に稀勢の里を破り、11日目には魁皇に並ぶ歴代最多勝記録(1047勝)が懸かった白鵬に勝利するなどして注目されている。最高位が関脇以下の力士としては、琴錦に続き幕内最高優勝を2回果たしている。

主な元関脇力士

最高位が関脇だった力士を挙げる。

横綱・大関に昇進した力士は除く。


  • 力道山 戦時中に初土俵、終戦後に入幕。年3場所だった時代、入幕2場所目の1947年6月場所に前頭8枚目で9勝1敗になり横綱羽黒山、大関前田山、同東富士と(この場所から設けられた)優勝決定戦に出場した。1949年5月場所に関脇に昇進したが成績は伸び悩み、自身のトラブルなどもあって1950年9月場所前に突然、自ら髷(まげ)を切り廃業。その後はご存知の通り。(因みに前田山・東富士はのちに横綱に昇進、更に東富士は力道山と同じ道に進んだ。)
  • 鶴ヶ嶺 栃若時代に活躍。左四つから右を巻き替えてもろ差しにする取り口から「もろ差し名人」と呼ばれた。技能賞10回(史上1位)の記録を持つ。引退後は自身の息子3人を関取に、霧島を大関にするなどの名伯楽ぶりを見せた。
  • 逆鉾 鶴ヶ嶺の次男。寺尾の兄。長兄の鶴嶺山(かくれいざん)も関取(十両)で、「井筒3兄弟」として知られる。父・鶴ヶ嶺と同じもろ差しを得意とした。引退後、現役時代を過ごした井筒部屋を継承し、横綱・鶴竜を育てた。2019年9月16日、すい臓がんのため58歳で死去。
  • 寺尾 鶴ヶ嶺の三男。逆鉾の弟で、同時に兄弟で関脇になった(1989年3月場所)ことで知られる。ソップ型の力士たが、回転の速い突っ張りと鋭い出足を活かした取り口で、上位陣や大型力士が相手でも真っ向から勝負した。また、負けん気が強く、男前の力士として女性に人気が高かった。現・錣山(しころやま)親方
  • 安芸乃島 「横綱キラー」と呼ばれた力士。金星16個(大乃国2個、千代の富士4個、北勝海4個、旭富士4個、1個、武蔵丸1個)と三賞19回(技能賞4回、殊勲賞7回、敢闘賞8回)はともに史上1位。現・高田川親方。
  • 益荒雄 1987年3月場所で4大関・2横綱を倒し、益荒雄ブームを巻き起こした。三賞受賞も5回を誇る実力者であったが、怪我に泣き幕内在位は20場所に終わった。引退後は、阿武松(おうのまつ)親方として部屋を率いていたが、2019年6月ごろより体調を崩し、同年9月場所後に弟子の元幕内・大道(当時は年寄・音羽山)に部屋を譲り、相撲協会の理事在任のまま退職した。
  • 多賀竜 1983年9月場所(蔵前国技館最後の場所)優勝力士。また、北の湖から最後の金星を勝ち取った実績もある。2013年頃は審判部長として長く関取を勤めた力士に関する放言、また、その内容が番付編成に関わる情報の漏洩でもあったことからマスメディアに問題視されることもあった。現・鏡山親方
  • 高見山 ハワイ出身力士。1972年7月場所に於いて、外国人力士として初めて優勝した。1980年に日本国籍を取得し、引退後は2009年の停年まで東関(あずまぜき)親方として相撲協会に残った。
  • 富士櫻 突き押しに特化したその取り口から「突貫小僧」と呼ばれた。稽古熱心でも有名で、周囲から高く評価されていた。引退後は年寄・中村を襲名、2013年に定年退職してからは東関部屋の師範代として活動している。
  • 麒麟児 「花のニッパチ組」の一人。突き押しが得意で、同じ取り口の富士櫻とは良きライバルであった。昭和50年5月場所の天覧相撲で、富士櫻と突っ張り合いの熱戦を繰り広げた一番は昭和天皇が身を乗り出して見守ったことでも有名。引退後は年寄・北陣として停年まで後進の指導に当たった。2021年3月1日、多臓器不全のため67歳で死去。
  • 貴闘力 敢闘賞10回(史上1位)の記録を持つ。2000年3月場所では史上初の幕尻優勝を果たした。しかし、大嶽親方として後進の指導に当たっていた2010年に、野球賭博問題への関与が発覚し、解雇された。現在は焼肉店を経営している。
  • 琴ノ若(初代) 関脇在位中の四股名は「琴乃若」。相手の攻めを止めて長い相撲になることが多く「ミスター1分」と呼ばれた。膝の故障を抱えながらも、再入幕してから引退するまで15年幕内に在位した。また、甘いマスクに人気があった。現・佐渡ヶ嶽(さどがたけ)親方
  • 水戸泉 豪快な塩撒きで会場を沸かせた、元祖ソルトシェイカー。1992年7月場所優勝。現・錦戸親方
  • 長谷川 関脇・小結に通算30場所在位し、前述の通り関脇の地位で優勝したが、勝ち星や番付運に恵まれず大関昇進は果たせなかった。一方で生命運は並はずれて強く、部屋で発生したフグ中毒事故や旅客機墜落事故(乗客乗員133名全員が死亡)の難を逃れるなど、奇跡的な命拾いを何度もしている。引退後は秀ノ山親方として、2009年の停年まで後進の指導に当たった。
  • 琴錦 突き押し・右四つからの一気の速攻で「F1相撲」と呼ばれた。最高位が関脇以下の力士としては初めて複数回の優勝を達成している(いずれも平幕優勝、平幕優勝ではないが、御嶽海が後に関脇以下で複数回の優勝を果たしている)。また、関脇・小結に通算34場所在位、三賞18回(史上2位:技能賞8回、殊勲賞7回、敢闘賞3回)などの成績から「最強の関脇」と言われることもある。引退後は多くの現役力士から年寄名跡を借り継いでいたが、2016年に年寄・朝日山を襲名し、朝日山部屋を再興した。早口でまくし立てながらも的確な分析に基づく解説に定評があり、テレビ番組にも多く出演している。
  • 旭天鵬 モンゴル出身。2005年に日本国籍を取得した。大島部屋の継承者とされていたが、師匠の停年(定年)後も引退せず現役を続行。友綱部屋移籍直後の2012年5月場所で37歳にして平幕優勝を果たした。40歳を迎えてもなお幕内で勝ち越し、三賞の一つである敢闘賞を受賞し、「角界のレジェンド」とマスメディアに呼ばれるようになった。しかし、2015年名古屋場所(7月場所)で大きく負け越し、幕内残留が絶望的になったことを受け引退した。人柄の良さもあり、多くの力士から慕われている。休場は序二段時代の1場所と不祥事による1場所謹慎のみで、幕内出場1470回は歴代1位の記録を持つ。現・大島親方。
  • 若の里 関脇・小結在位26場所(その内19場所連続三役在位)の記録を持つ、かつての大関候補の一人だったが、怪我に泣いたこともあり、大関昇進を果たせずに終わった。しかし、通算9回の手術を経て、39歳になった直後まで現役を続けていた。通算出場記録1691回の記録を持つ一方で、土俵外ではユーモア溢れる一面を見せていた。ちなみに、旭天鵬とは同期。現・西岩親方。
  • 朝赤龍 朝青龍とともに来日したモンゴル出身力士で、朝青龍とは実家が近所の幼馴染。朝青龍引退後も名門・高砂部屋の関取として活躍した。温和な性格で皆から好かれている。長期戦に強く、粘り強い相撲が特徴。新三役の場所では初日に綱取りを狙う白鵬を破ったことも。2017年4月に日本国籍取得。5月場所前に引退。現・高砂親方。
  • 豪風 2014年9月場所において、年6場所制の下での新関脇昇進の最年長記録を塗り替えた。また、新入幕から68場所以上を経ての関脇昇進は歴代1位のスロー昇進でもある。小柄ながら、重心の低い安定した相撲が持ち味だった。2019年1月場所10日目に関取最高齢の39歳で引退を表明。現・押尾川親方。
  • 安美錦 実況者から「くせ者」「業師」と呼ばれるほどの実力者だが、判定が難しい相撲の多さから「行司泣かせの安美錦」と呼ばれている。2015年1月にジョブチューンに出演した際、立行司の40代式守伊之助から「『安』の字を見るだけで気分が悪くなる」「早く引退してください」と言われてしまった。2017年11月場所で39歳0ヶ月での再入幕を果たし、昭和以降における最年長再入幕記録を更新し、再入幕場所では敢闘賞を受賞した。その後、40歳まで現役を勤め、2019年7月場所を最後に引退した。なお、安美錦の引退により、20世紀中に関取昇進、入幕を果たした力士が現役からいなくなった。現・安治川親方。
  • 嘉風 2016年1月場所に於ける新入幕から59場所を所要しての関脇昇進は、史上2位のスロー昇進で、33歳9ヶ月での新関脇は、戦後6位の高齢昇進となる。30代に入ってから豪快な突き押しに磨きをかけた。2019年に不慮の事故が原因で引退を余儀なくされた。現・中村親方。
  • 豊ノ島 身長168cmと小柄で、2002年当時採用されていた第二新弟子検査で入門し、最初に関取に昇進した力士。その後は長く幕内を務め、三賞も10回獲得している実力者となった。また、横綱白鵬から最初に金星を獲得した力士となった。ユーモアのある人物として知られ、2013年に『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングに出演した。琴奨菊とは中学時代からのライバル。2016年以降は怪我に苦しみ、長い幕下生活も余儀なくされたが、2018年、2019年には幕内に返り咲いた。引退後は年寄・井筒を襲名して後進の指導に当たっていたが、2023年1月に相撲協会を退職。タレントとして活動していくことを表明した。
  • 大阪出身の美男力士として人気を集める。右四つの相撲を得意とするが、右からの小手投げも強い。2016年3場所で、関脇小結が負け越した事もあり、翌5月場所西関脇に昇進。本場所がない時期には歌番組にゲスト出演したことがあるほどの歌唱力も知られる。

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