CV:堀川仁
概容
ヘリック共和国の軍人であり、同国大統領ルイーズ・エレナ・キャムフォード大統領の息子。
ただし、本人はこの「大統領の息子」という肩書きを嫌っており、姓も母親とは異なっている。父親については不明だが、アニメでは僅かにだが既に故人であり、軍人であったことが窺える台詞がある。
ポジションとしてはガイロス帝国軍人のカール・リヒテン・シュバルツと対をなす存在ではあるが、アニメでは諸事情により(後述)正統派軍人としての人気を誇るシュバルツとは対照的に比較的ネタキャラとしての人気が高い。
バトルストーリーでは、ギュンター・プロイツェンとは親戚にあたる。
バトルストーリー
共和国軍陸軍大尉で、独立第11機甲大隊長。
西方大陸戦争ではゴジュラスに乗って奮戦したが、この時は帝国軍が圧倒的優勢な状態であり、緒戦では単騎で敵の大群に包囲されるという窮地に陥るものの、どうにか生還している。
後に戦況の変化に伴って少佐に昇進するとルイーズ大統領の勅命に従いデストロイヤー師団に出向、惑星Zi大異変(グランドカタストロフ)以降数を減らし、今や1機のみが現存するウルトラザウルスに超大型砲1200mmウルトラキャノンを搭載したウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーに搭乗し、西方大陸戦争を共和国軍を最終的な勝利で終わらせた。
その後の暗黒大陸戦争ではプロイツェンら旧ゼネバス帝国派の反乱時にはシュバルツ大佐の停戦のための秘密会談の申し込みを受け、そのヘリック・ガイロス両軍の会談を妨害した鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)のライガーゼロイクスをケーニッヒウルフに搭乗し、シュバルツと共同戦線を張ってこれを退けた。
以降、目立った活躍は見せていないが、ネオゼネバス帝国によって共和国軍が故郷の中央大陸を追われた後も共和国軍指揮官としての采配を振るい続けていたと思われる。
PSゲームの『ゾイドタクティクス』のネオゼネバス帝国編においては、原作バトストではスティブ・ボーンが務めたゴジュラスギガ初号機のパイロットを務めた。
その後も共和国軍(と言うかプレイヤー部隊)の指揮官を勤めており、アニメ主人公のバンや、バトスト主人公級のレイの出番が少ないこともあって、実質的な主人公となっている。
その血筋
実は母エレナの正体はゼネバス皇帝の第一子(へリック二世元大統領の姪)エレナ・ムーロアであり、このためその息子である彼もゼネバス帝国皇族の血を引いており、ネオゼネバス帝国初代皇帝ギュンター・プロイツェン・ムーロアにとっては甥、ネオゼネバス帝国二代目皇帝ヴォルフ・ムーロア(父ギュンターが第二子なうえ隠し子でもあったため、実は彼の方が傍系)にとっては従弟に当たる人間ということになる。
彼自身はその事を母を含め誰からも聞かされていなかったとされるが、そもそも共和国の国民感情からエレナの正体=旧敵国、敗戦国の姫と言う事実はトップシークレットであったと思われる。
PSゲームの『ゾイドタクティクス』では後で知ったことになっており、最終マップでヴォルフと会敵させるとそれについて語るイベントが発生する。
主な搭乗機
ゴジュラスギガ(ゲームのみ)
アニメ
少年編からアニメに登場。
基本的な設定はバトストと同じであるが、母親の名前がルイーズ・テレサ・キャムフォードになっているなどキャラ周りの設定は微妙に変更されている
若手ながら、この時点で共和国軍内における中心人物として活動していた。
真面目すぎるゆえやや固い所もあるが、根は面倒見の良い部下思いな性格の人間。
一度認めた者には常に大らかに接し、レッドリバー戦線で作戦に協力してくれたバン達に対してはそれ以降協力を惜しまないようになり、帝国軍とも和平成立後は積極的に協調して事に当たる有能な指揮官でもある。
45話の3S強奪事件の際に一回だけ威嚇射撃に拳銃を撃つシーンがあり、格納庫の一階から二階キャットウォークの手すりを撃ってみせた事からなかなかの腕前である事がわかる。
軍人であるが故に普段は実母であるルイーズ大統領を「大統領」と呼んでいるが、素は「おふくろ」呼びらしい。
主人公バンが民間人でありながら軍用ゾイドのシールドライガーに乗っている事を不審に思い、軍からの強奪、あるいは横流しの疑いから主人公たちを拘束したこと(後に登録抹消済みであった事から疑いは晴れている)で出会い、バンらが脱走した際にプテラスで部下と共にプテラスで追撃、しかし弾薬を抜いていた筈の陸戦用のコマンドウルフおよびシールドライガーに撃墜されるという墜落王としての華々しいデビューを飾る事となった。
基地に迫る帝国軍に対してゴジュラスに搭乗した際にはその圧倒的な火力で帝国軍の部隊を圧倒するも、追撃を試みた際にバランスを崩し転倒、ゴジュラスのコンバットシステムがフリーズしてしまい戦闘不能に陥る。また、プテラスでの流氷の調査に出向いた時にはその流氷が帝国軍のカモフラージュである事を見抜くが、直後に撃墜される(その後共和国本土まで泳いで帰還)など、細かい所では災難が多かったりする。
終盤のデスザウラーとの戦闘ではアーバインと共にゴジュラス2機がかりで足を止めようとするも失敗に終わり、この際アーバインに「遅れているぞ!!」と檄を飛ばすが、上記の失敗を知っているアーバインに「あんたにだけは言われたくねぇ!」と返されてしまっている。
しかし、主人公と共にシールドライガーでレイヴンのセイバータイガーと戦闘した際にはレイヴンの戦闘の癖などを瞬時に見切りアドバイスするなど有能な所を見せている。
ガーディアンフォース編においては昇進を果たしたことで階級は少佐になっている。
帝国との戦争がなくなってからはバンらが所属する超国家機関「ガーディアンフォース」による治安維持活動の支援を行い、後にはレイヴンのジェノブレイカー、そしてヒルツのデススティンガーといったさらなる脅威の対策に当たるようになった。
前線に出る数は減ったが、デススティンガーが共和国首都を襲撃した際にはシュバルツ大佐と連携しシールドライガーのEシールドとデススティンガーのEシールドを干渉ショートさせ突破する活躍を見せている。終盤でウルトラザウルスに搭乗した際には負傷したクルーガー大佐に代わって指揮官を務め(その際に大佐に昇格)、以後デススティンガーおよびデスザウラーとの激闘の中で指揮官として活躍した。
一方で帝国過激派残党の3S(ストームソーダー・ステルスタイプ)強奪犯との戦闘の際にはプテラスで出撃、一機を撃破するに当たって活躍するも二機目に撃墜されてしまったりと、ここでも飛行ゾイドとの相性の悪さは改善されていなかったりもする。
また、2作目に当たる『ゾイド新世紀/ゼロ』の最終回にて優勝者に贈られるメッセージがハーマンの声で読み上げられた。
上記で解説したとおり、彼は指揮官として優秀であり搭乗するゾイドによってはちゃんとした活躍を見せてくれるのだが、プテラスでの出撃すると8割という高確率で撃墜され、そのシーンがほぼ毎回同じバンクであった為に、いつしかファンからは親しみと揶揄を込めて「ハマシュート」(ハーマン+パラシュート)と呼ばれるようになった。
ゴジュラスに搭乗した際もかなり自信過剰な面があった為、彼がある種のネタキャラとして愛されるのもその辺りが影響しているのだろう。
ちなみにウルトラザウルスへ搭乗後はグラヴィティカノン発射時の「撃てぇ!」の度に顔芸枠として人気を博している。