インドの高僧・達磨によって考え出され、インドから中国へ、日本へと伝わった。
経典や仏像よりも言葉で伝えていくことを重んじ、とくに「座禅」による瞑想をとくに重要視している。その一方でいわゆる「魂」の考え方を否定する傾向がある。この思想系統の宗派を「禅宗」と分類している。
唐朝の中国へ伝来した禅宗は宋朝にはいくつもの宗派に分派し発展したが、明朝には衰退した。
日本には鎌倉時代の伝えられ、栄西の臨済宗や道元の曹洞宗が有名。とくに精神統一を必要とする武士に好まれた。室町時代には幕府の庇護の下に発展し、様々な芸術や文化にも影響を与えた。
日本における禅思想は座禅による瞑想で、自己の「仏性」を見つめ再発見し、その繰り返しで悟りに近づくとしている。
現在では世界中にも禅の考えが知られているが、その多くが日本発信の禅によるものがほとんど。あのスティーブ・ジョブズ氏も禅に強い関心を抱いて、実践もしていた。