概要
「ちいかわ」に登場する用語。ただし作中でこの用語が出てきたことはなく、あくまでもファンの間から自然発生した用語であり、公式の用語ではない。
また、注意点として、そもそも「何を以てちいかわ世界の怪異とするのか」という定義もない。
極論すれば、ちいかわ世界そのものが一種の巨大な怪異である。
この記事では、ファンの間から怪異と称された物やモンスターなどを記載すると共に、考察を交えた解説を載せる。重ね重ね言うように、これはあくまでも公式の見解や発表ではなく、一ファンによる考察とネット上での意見をまとめた物である。
この記事の閲覧は、「一種の二次創作として作品世界を楽しむための一助として参考にする」程度に留めてもらいたい。
作中での扱い
まず怪異について言及すると、作者のナガノによる個展であるナガノ展にて、「たまに出てくるこわいやつ」として、モンスター登場回の原稿展示コーナーにて紹介された物である。
そこでは、作中の主人公であるちいかわたちに危害を加えるモンスターたちが紹介されていた。
この「こわいやつ」は、特に理由なくちいかわ族(と鎧さんたち)を襲ってくる危険な存在である。
この中でも特に、虫のような種族及び獣のような種族は「討伐」の対象になっており、この他に魔女や巨人のような人型の知的生命体もいる。また「擬態型」「友好型」など、その特性に応じて分類されていることが描写されている。
獣のようなモンスターは「ちいかわ族がなんらかの原因で変異した存在ではないか?」という可能性も示唆されているが、公式からの解説はない。
ただし「スーパーアルバイター編」内でシーサーが訪れた喫茶店で、濃いピンク色のエプロンをした店員が突然モンスターに変化するような描写があるなど、ますます疑惑が深まってきている。
登場した主な「怪異」についてはモンスターそのものでなくちいかわたちに危害を及ぼすような現象そのものも含むファンからの便宜上の呼び名である。ここでは、主に怪異と呼ばれる現象と、その現象が起きたエピソード、そして怪異と関わりの深い「こわいやつ」の紹介と解説を行う。
ちいかわが直接遭遇した怪異
キメラ
CV:國府田マリ子
作中で最初に登場した怪異。ちいかわ族に近い容姿でをしており、ピンク色の体色と、虫のような羽や紫色の太い尻尾があるキャラクター。また手にも鋭い爪が生えており、自由に出し入れできる。
ちいかわの前に「こんなになっちゃった…たはは」と涙を流した泣き笑いの表情を浮かべて登場し、「なっちゃったからにはもう…ネ…」と何かを諦めたように呟くと、突如手から鋭い爪を生やしちいかわに襲いかかろうとした。しかしちいかわに激しく抵抗され、泣き笑いの表情のまま「ひー、こわいこわい」とどこかへ飛び去っていった。
お面キメラ
CV:伊原正明
長い耳とシーサーのような真っ赤な顔のキメラ。四足歩行で、キメラと同様の4枚の羽と蛇のような尻尾が生えている。「だからなんだってんだよ」と、特に何をする訳でもなくちいかわに絡んできたが、ちいかわが涙目で激しく嫌がると「じゃ…帰るわ…」「ハ~ァ…しんど…」と言い残して不服そうにどこかへ飛び去っていった。
黒い流れ星
ちいかわ世界にたびたび登場する星たちの中でも黒い体色をした個体。
通常の星とは違い少しとぼけたような表情をしているが、作中に登場した星の中でも特に与える影響が大きく、ちいかわ世界の中でも半ば都市伝説化した存在でもある。
黒い流れ星の存在を知っていたハチワレ曰く、「黒い流れ星に願い事をすると願いが叶うが、同時にちょっと嫌な気分になる」という物で、実際に黒い流れ星に「こんな日がずっと続くといいよね」という願いを聞かれたちいかわは、同じ1週間が際限なく繰り返される無限ループに陥った。作中では無限ループを止めて事なきを得たが、ナガノ展では「もしもループを止められなかったら…」と題されたちいかわの絵が来場者特典で展示され、精神が壊れて涙を流しながら狂ったように笑うちいかわの姿が描かれていた。
しかしこれは黒い流れ星が悪意を持ってやったのではなく、あくまで黒い流れ星なりの善意による物である。
無限ループに入る前、ハチワレと穏やかな日々を過ごしていたちいかわは、夜空を見上げた際に「この穏やかな日々がずっと続いてほしい」と願った。しかしその願いを聞いた黒い流れ星はちいかわが買った目覚まし時計の中に住み着いて、それを「楽しい1週間を繰り返させる」ことによって叶えようとした。
自身の存在に気づいたちいかわを「未来には辛いことがあるかも知れない、それより『楽しい今』がずっと続いた方がいいだろう?(要約)」と説得するが、ちいかわは「ハチワレたちと一緒に討伐上位ランカーになる」「草むしり検定5級の試験に合格する」夢を思い出して拒否し、ハチワレとうさぎに相談して解決に乗り出す。うさぎが時計を壊そうとしたりといろいろ試したがループは止まらず、そんな中でちいかわはネットカフェでの検索で「とある方法で漂白すれば撃退できる」ことを突き止め(黒い流れ星の被害者は多数いたらしい)、時計ごとオキシ漬けにすることでようやく追い払い、「新しい未来」を迎えることができた。
CV:マシューまさるバロン
いわゆる五芒星の中に顔が描かれたキャラクター。
黄色い星の多くは歯を食いしばった顰め面をしているが、普段は親しみのある可愛らしい顔で空に帰る時も顰め面になっていたので、力を入れるとあの顔になる模様。
英語で話すほか、なぜか吹き出しの中のセリフが英文の筆記体で表現される。作中で最初に登場した際には、流れ星として空から落ちてきた。
その後、複数の星たちとともに巨人の「三ツ星レストラン」に捕らわれていた形で再登場。ただし全員同じ表情であったため、これが流れ星として落ちてきた星と同一キャラかどうかは不明。
「三ツ星レストラン」の触れ込みに騙されてやってきたちいかわとハチワレの奮闘により解放され、お礼に魔法でごちそう(巨大なオムライス)を振る舞っている。
あくむ(仮称)
草むしり検定の試験勉強中に夜食を買いに出かけたちいかわが、後述のバクのような姿をした「たまに出てくるこわいやつ」に遭遇した後見せられた悪夢。
基本的には「ちいかわの目標である草むしり検定5級の試験に落ちる」内容なのだが、その内容は見るごとに過酷になり、最初は単純に「試験に遅刻する」という物だったのが、次第に「水責めにされる」「試験の合格者発表に名前があったと思ったら、よく見ると小さく『以外』と書かれている」といった具合に恐ろしさを増していく。
象(もしくはバク)のような姿の怪物。四肢の他に脇腹からもう一対の、四本指の長く伸びる腕を出す。
相手に催眠をかけた後「にらめっこしましょ、笑うと毎日あ・く・む(「笑うと負けよ あっぷっぷ」の替え歌と思われる)」と「にらめっこ」を持ち掛け、もう一対の腕で捕まえて尻尾でくすぐり無理矢理笑わせて勝つ(ただしうさぎは全く笑わなかった)というタチの悪い戦法を取り、この勝負で負けてしまうと毎晩悪夢にうなされる羽目になる(ただしちいかわがうさぎのネタでうっかり笑ってしまった場合は「仲間同士はセーフ」とするなど、全くの無法という訳でもない)。
ある夜に夜食を買いに出かけたちいかわと遭遇した後、前述の方法で笑わせて何日も悪夢で苦しめた上、うさぎの付き添いで討伐に来たちいかわを「悪夢を見なくすることも可」と言いつつ長い鼻で捕まえて食べようとした。ちいかわがこれに必死に抵抗すると、ちいかわ&うさぎに催眠をかけてにらめっこで勝負することになる。
逆に自分が笑わされるのには弱いらしく、ちいかわの持ってきた「ゆっくり溶けてる何か」を見て吹き出しかけた時も「ノーノーノーノー、セーフセーフ」と往生際悪く否定していたが、最後はちいかわとうさぎのチームプレイにより弱点の足の裏を猫じゃらしでくすぐられ、大笑いした後「足の裏は弱い」と言い残して破裂・消滅した。
アリジゴク
文字通りアリジゴクのような巣を作る怪物。巣以外にも複数の個体がいる。ちいかわが足を滑らせて巣に落ちたところ、持っていたさすまたが偶然アリジゴクの体にサクッと嵌まり、討伐に成功した。
ちいかわトリオが巻き込まれた怪異
なんとかバニア
なんとかバニアとは、ちいかわの世界に存在する掌サイズの人形。
ちいかわたちが道に落ちていたなんとかバニアの人形を拾うと、突然藪の中から後述する謎の老婆が現れ、魔女の手によってちいかわ、ハチワレ、うさぎの3人は魂を抜き取られて人形の中に封印されてしまい、絶体絶命の危機に陥る。
その後、ハチワレが「なんとかなれっ」と近くで見つけたペットボトルの蓋を、魔女の足元に転がして転倒させたことで術が解け、事なきを得た。
魔女(ワシの力じゃ)
CV:國府田マリ子
緑の肌の魔法使いの姿をした老婆。一人称は「ワシ」。
ハチワレが持っていた3体の「なんとかバニア」とちいかわたちの身体を入れ替え、「なりたいやつがいるんじゃ…こういう…風に…」と意味深な言葉を言いながら、抜け殻状態になったちいかわたちの身体を網の袋に入れてどこかへ持っていこうとした。しかしペットボトルの蓋を使ったハチワレの作戦により足を掬われて転倒し、術が解けた隙に3人は急いで逃げて事なきを得た。
それから2年ほど後の2022年9月20日に、魔女と同じ顔をした山姥が登場。服装や肌の色が魔女と異なるが、変装なのか別個体なのかは不明。
「マロングラッセの森」で何者かが仕掛けた罠にかかったちいかわトリオを助け、自宅でお菓子や料理を振る舞うなど手厚くもてなす。しかし翌朝の朝食時に突然「なりたいやつがいるからの…そういう風に…」と魔女と同じようなことを言いつつ呪文を唱え始め何かをしようとするが、うさぎが朝食の食材として採ってきた毒キノコ(故意か偶然かは不明)が原因で倒れてしまう。ちいかわ&ハチワレは「朝食の支度で疲れて寝入った」と思いつつ、お礼に洗い物と掃除をしてから帰っていった。
呪いの杖
うさぎがリサイクルショップで買ってきた杖。先端に不気味な髑髏のような物がついた、いわゆる魔法のステッキのような形状をしており、振ると欲しい物がなんでも出てくる。この杖でうさぎはケーキ、ハチワレはカメラを出すが、ハチワレが出したカメラは撮った物が消えるという代物で、このカメラもまた一種の怪異といえる物だった。
さらに、この杖を使って願いを叶えた2人は徐々に姿を変えていき、ついには巨大な怪物になってしまうが、ちいかわが杖を折ったことで元の姿に戻ることができた。また、杖の力で出したカメラも同時に消滅した。
このストーリーが掲載された頃から、怪異とちいかわたちの関係が考察されるようになる。
小さな友達(ちいかぶ)
とある洞窟の奥でちいかわが見つけた生き物。ファンからは「かぶちゃん」「ちいかぶ」と呼ばれることもある。
この洞窟の入り口には何かを閉じ込めるように頑丈な鉄格子の扉が設置されていたが、ちいかわたちが食べていた木の実の山になぜか混ざっていたスイッチ(白い石板に赤いボタンがついたような外観)をハチワレが押したことで扉が開かれ、興味本位で洞窟に入ってきた彼らの前に姿を現した。
その時はそのまま帰ったはずだが、後をついてきてしまったらしくのかちいかわの家に現れ、結果としてちいかわが面倒を見ることになった。多少のいたずらはするものの、ちいかわにはそれなりに懐いていたような様子だった。
外見はカブトムシのような角を生やした、ちいかわたちよりさらに小さい小動物(カブトムシを擬人化したようにも見えるデザイン)で、柔らかくてもちもちした体で、甘めの卵焼きのような匂いがするらしい。
当初こそ可愛らしいペットのような姿を見せていたちいかぶだが、自分よりも体格の大きなちいかわを抱え上げて空を飛ぶ、うさぎの顔に飛びつく、ハチワレの耳に鋭い歯で咬みつく、ちいかわが討伐した芋虫形の怪物の身体を食い尽くすなど、徐々に恐ろしいモンスターの片鱗を見せ始める。
その正体は「擬態型」と呼ばれる本作の敵対種族の一種と見られる。労働の鎧さんは最初は擬態型の可能性を疑ったものの、角を長く伸ばしてそこから出したお茶や茶菓子を振る舞うなどの様子から「攻撃してこない『友好型』では」と判断したが、直後に筋骨隆々の巨体の本性(後述)を現し襲いかかってきて、ちいかわたちは鎧さんの機転で急いで逃げ出し辛くも難を逃れている。
ちいかぶの正体で、この姿になってちいかわたちに襲いかかった。作中で最初に登場した「擬態型」の「こわいやつ」である。
ちいかわに懐き、ファンに「かぶちゃん」「ちいかぶ」と呼ばれた姿から一転、筋骨隆々の人間とカブトムシを合わせたような姿になって労働の鎧さんとちいかわたちを追いかけた後、そのままどこかへ飛び去った。
その後、このカブトムシがどうなったかは語られていないが、洞窟に閉じ込められていただけはあるといえる恐ろしさを見せた。
ちなみに、これ以前作中に登場したカードゲームのキャラクターで「カブト王」というそっくりなキャラクターがいたが、関連は不明。
でかい鳥(怪鳥)
パジャマパーティーズのメンバー(赤・紫・白)を連れ去った、トンビとアヒルを混ぜたような姿の大きな鳥。頭に2本の触角が生えており、どこか焦点の合っていない目をしている。
見た目に似合わず戦闘力が高く、パジャマパーティーズのメンバーの片耳を食いちぎるなどの傷を負わせたが、最終的にちいかわトリオによって討伐された。
ファンからは他の鳥と区別するために「トンビ」などと呼ばれていたが、携帯ゲーム機「ちいかわといっしょ」で名前が「でかい鳥」と判明した。
けん玉おじさん
CV:利根健太朗
公園でけん玉を披露しており、ちいかわたちは「けん玉おじさん」と呼んで慕っていた。特に危害を与えないため、鎧さんに「友好型」認定された。
グーチョキパーの擬態型(うさぎの怪物)
CV:田村ゆかり
ピンク色の大きなうさぎ。最初は「グーチョキパーで何作ろう」を歌いながらちいかわたちと遊んでいたが、突然両手を鉄球に、両足を車輪に変化させて襲ってきた。その後誰かに討伐されたらしく、鎧さんはちいかわたちに「ああいう擬態型見かけたら報告して」と言っていた。討伐された後の様子を見ると口の中に別に顔が見えるので、着ぐるみか何かの可能性もある。
「あのこ」に関連する怪異
「あのこ」
ちいかわたちが「おっきい討伐」で出会った怪物。いわゆるケモノのような姿をしているが、額に小さな一本角、四肢に鋭い爪、ドラゴンのような太い尻尾をもつ怪物で、戦闘力もかなり高い。
前述のように、その正体についてはファンからちいかわ族が変異した物なのではないか?と考察されているが、現状ではあくまで正体は不明。
ちいかわトリオが討伐しに来た時は、ハチワレを尻尾で吹き飛ばした以外は攻撃をせず、ちいかわに対してその場にいた蛙を指差すという意味深な行動を取った後、うさぎの棒の爆撃に驚き逃げていった。その後もしばしば作中に登場しており、徐々に凶暴性を増していっている。
当初こそ、「いずれは理解し合えるかも知れない」という希望を抱かせた存在であるが、登場するたびに自分の力に酔い痴れている様子や討伐に来たちいかわ族を蹂躙する様子が目立つようになっていき、明確な意思を持って危害を加えていることが覗える。
特に「ちいかわ族を捕食した」とも取れる描写が挟まれた時には、多くのファンが慄然とした。
詳細は個別記事を参照。
おっきい討伐&オフィスグリコ
ちいかわでも重要なキャラクターである「あのこ」が登場したエピソードである。
「あのこ」に関するキーワードのオフィスグリコとは、主にグリコと契約した会社の従業員向けの福利厚生サービスの一つで、お菓子を扱っている置型販売サービスのことである。蛙を象った代金箱が備えつけられたお菓子、飲料、アイスなどが入った専用のボックスが会社に貸し出される形で、代金箱に小銭を入れることでそのボックスからお菓子などを取り出して購入できるサービスである。
そんなオフィスグリコが設置されているシール貼りの工場では、ある一人のちいかわ族が働いていた。
ポシェットの鎧さんのファンであり、その鎧さんからパジャマを購入したそのちいかわ族は、工場でたまたま隣同士になったちいかわとオフィスグリコのサービスを通じて知り合い、ちいかわが鎧さんのパジャマを愛用していることで親しくなっていく。
そんなある日、ちいかわトリオは新たに「おっきい討伐」に挑戦しようと意気込み、森でまさしくその目的である「おっきい」怪物に遭遇する。一度はその怪物に挑んだちいかわたちだったが、ハチワレが尻尾の一撃でダウンしたことで窮地に陥る。
その時、その「おっきい」怪物はちいかわに対してまるで何かを訴えるかのように突然その場にいた蛙を指差し始めた。
その後うさぎの尽力もあり、怪物を追い払ったちいかわたちは討伐をリタイアする。
そうして再び日常に戻ったちいかわだったが、以降工場に「あのこ」が姿を表すことはなく、ちいかわは新しい討伐に向けて貯金を始める。
これらの一連のエピソードから、事の真相を基により深い考察を重ねられるようになった。
食料危機
基本的に、「ちいかわ」の世界では「湧きドコロ」と呼ばれる、温泉や油田のように食べ物が無限に湧き出る場所が存在するが、ある日突然、そんな湧きドコロの食べ物が枯渇する事態が発生する。
食べ物を求めてちいかわ族の多くが料理店や労働に殺到し、ちいかわたちは仕事にあぶれてしまう。
そんな中、ちいかわはやむなく木の実の採取で食いつなぎ、そのうちに再び湧きドコロが復活する。
しかしこの「食料危機編」を通じて、ちいかわ世界に隠された疑惑と闇が垣間見えることになった。
まず、ちいかわが木の実の採取をしていたところ、同じくうまい食べ物を探していたモモンガが襲ってきており、ちいかわにかじりついた際に「うまみがない」と言って放り出している。
一方で「あのこ」もこの「食料危機編」の終盤に登場したが、最初はちいかわ同様に木の実を食べていた「あのこ」は、自身を討伐しに来たちいかわ族を返り討ちにした後に、うち1人をつまみ上げて匂いを嗅ぎ、何か考えるような仕草をした後、少しの間の後に楽しげな様子で何かを食べていた。
ここで「あのこ」が食べていた物に関しては詳細は描かれていなかったが、描写から「あのこ」がちいかわ族を捕食したであろうことが想像できる。
ここから「ちいかわ族の味覚と怪異(キメラ)の味覚は違う」点と、「怪異化したちいかわ族はちいかわ族を捕食する」点が暗示されていると思われる。
そしてこの「食料危機編」の最大の疑惑にして闇が、湧きドコロが涸れた時は、ちいかわ族が捕食されることで復活する(つまり生け贄?)のではないかという仮説である。また、この中では湧きドコロを復活させるために多数のちいかわ族が雨乞いの儀式のごとく歌い踊るシーンがあり、ある種の信仰めいた物も感じさせる。
うさぎがきっかけで巻き込まれた怪異
木彫りの人形
うさぎがリサイクルショップで買ってきた木彫りの人形(鎧さんは楽器と考えていた)が伸ばした管で額を刺された後、蝶の羽が生えた妖精のような姿になったちいかわたち。
元の姿に戻ることを選んだちいかわと、力に酔い痴れて徐々に躊躇なく暴力を振るうようになる「おっきい討伐編」の討伐対象との対比が胸を打つ。
入れ替わり
ちいかわたちは、うさぎが見つけたという廃墟のゲームセンターにやってきた。そこにあるスロットゲームで遊んでいると、いつの間にかちいかわたち3人の体と心が入れ替わってしまう…。
スロットゲーム
廃墟のゲームセンターに設置されていたスロットゲーム。ゲームセンターのコインを入れることでしか動かず、出目が出るとスロットゲームに描かれている顔が歌い出す。
ちいかわたちは「入れ替わり」の出目を出したことにより、3人の体と心が入れ替わることになったが、入れ替わり以外にも何かしらの効果があるのかは不明。
その後、ちいかわたちが元通りになったのを見届けたモモンガにより破壊される。
呪いの旅館(拾魔)
うさぎがちいかわとハチワレに、旅行のお土産として宝石のような透き通った薄紫色の石をプレゼントした。しかし、その後すぐうさぎは再び姿を消してしまう。気になった2人はうさぎの捜索を始めるが、やがて何かに導かれるように古い旅館らしき建物に辿り着く。旅館の中には「拾魔(ひろま)」と書かれた大きな部屋があり、皆が薄紫色の大きな石を削っていた。その中にはうさぎの姿もあったのだが…。うさぎはちいかわとハチワレと共に石を削った後に、突然透き通った薄紫色の石の像へと姿を変えてしまう。
蛇の置物
廃業したと思われる旅館の「拾魔(ひろま)」と書かれた大広間に置かれていた、とぐろを巻いた白い蛇の置物。置物なのに素早く動くことができる。泥遊びをしていたうさぎが急に行方不明になり、不審に思ったちいかわとハチワレが捜索に乗り出した結果、この旅館に行き着いた。
洗脳に近い能力があるのか、薄紫色で透き通った宝石のような不思議な石「お土産石」を拾った、うさぎを始めとしたちいかわ族を「どこかに旅行に行きたい気分」にして拾魔に呼び寄せ、同様の大きな石(ちいかわたちの身長くらいのサイズ)を削らせていた。さらに、削ったその石の破片を持ち帰らせてお土産として配ることで、新たににちいかわ族を拾魔に呼び寄せようとしていた。また、目から光線を出してそれを浴びた者を薄紫色の透き通った石の像に変える力を持ち、これによって旅館で再会したうさぎが石像になってしまった。つまり拾魔で削っていた石の正体は…?
置物の正体に気づいたちいかわとハチワレは置物を壊そうとするが逃げ出してしまい、さらに洗脳されたちいかわ族が石化したうさぎを拾魔に運び込もうとしたため、ちいかわがそれを阻止している間にハチワレが置物を追うが、逆に光線で石像にされてしまう。一人残されたちいかわは置物との1対1の攻防の末、旅館の客室とおぼしき場所にあった鏡台の鏡で光線を反射させ、置物を石化させて倒すことに成功。置物が倒されたことで石化したうさぎとハチワレは無事元に戻り、洗脳されていたちいかわ族も皆解放されたが、既に削られていた石はそのまま残されていた。
ここで最大の謎として、お土産石の正体については述べられないままで、前述の通り削られていた大きな石はそのまま残っており、これが本当にちいかわ族が石化した物なのかは明かされずじまいである。
そして、石化光線以外の石化の仕組みは詳しく語られておらず、もしもこの石が本当に石化したちいかわ族を削って作った物だった場合、最初に拾魔に来て石になったちいかわ族や、その石を削って配り歩いて、ちいかわたちを他の旅館に呼び寄せたちいかわ族はなぜこの旅館に関わったのか?という疑問が残る。
その疑問に関しては完全に状況から推測するしかなく、また推測が正しいかどうかはナガノ先生のみぞ知るといえる。
なお、ナガノ展にて「蛇の置物はダミーで、丸っこいメデューサのような姿の本体が置物の台の中に隠れている」「本体は『歯応え』を求めていて、置物の力で作られたお土産石を食べている」設定にする予定だったという没原稿が展示されている。
その他の怪異
中止でーす(中止虫)
「中止でーす」「中止」と言いながら、鋭い爪で襲ってくる虫のような姿をした怪物。なお、ハチワレがこれに「何が?」と訊くと「全部」と答えた。その後、ハチワレによって討伐された。
ちなみにこの「中止でーす」が登場した回は2021年4月24日に投稿されており、COVID-19感染拡大の影響で、全国各地でイベントが軒並み中止になったタイミングだった。
フグ(アミアブラ)
CV:田島章寛
体の後部に短い複数のタコ足が生えたフグのような姿をした怪物。口から網脂(牛や豚の内臓の周りについている網状の脂。脂肪分の少ない肉を焼く時に包む形で使われる)なる粘液を出す。ハチワレがこの網脂に捕まってしまい、討伐に失敗した。
捕まえた後も攻撃することなく「アブラカタブラ」「バイバーイ」と言いながら空を飛んで逃げているため、攻撃性はあまりない、または攻撃力そのものは低いと見られる。
スフィンクス
巨大なスフィンクス。ハチワレに声をかけられついていったが、それだけで特に何もしない。
豆腐の怪物(仮称)
四角い巨大な豆腐のような外見をしており、ちいかわたちが山中で見つけた。3人はハチワレの提案で絹ごし・木綿・卵豆腐など「豆腐の種類」について当てっこをするが、全員一致で「絹ごし」と判断して近づいた所を4本の腕を伸ばして捕まえた(その後どうなったのかは不明)。
生クリームの怪物(仮称)
ハチワレが一人で戦っていた相手で、薄黄色の鏡餅のような体型をしており、頭頂部にサクランボのような物が載っている。尖らせたような口から生クリームを出してハチワレの体にかけたが、ハチワレの様子を見ると見かけによらず強いらしい。
軟体のような怪物(仮称)
「ハチワレの修行編」に登場。薄緑色の体色で体格は人間に近く、チョボチョボと毛が生えたような外見。ハチワレはラッコ及び彼の相棒とおぼしき金棒を持った一本角のモブかわ(上位ランカー)との3人で討伐に赴き、ラッコの指示でとどめの一撃を決めて討伐に成功した。
ジャンケンモンスター(仮称)
人間の握り拳(もしくはクリームパン)のような姿のモンスターで、長く伸びる腕を持つ。ハチワレを片手で捕まえてジャンケン勝負を挑み、それでハチワレに勝った後、「ズコー」と言ってハチワレを放り投げてしまった。