概要
1. 1959年に定められた南極の平和利用について記された国際条約。
南緯60度以南の各国の領有権主張を凍結、核や生物兵器を含む軍事的な利用を禁止し南極内では科学調査や観光旅行など平和的な利用を行なうのみとする内容。また自然保護に関する追加の条約として、ペンギンやアザラシなど南極固有種の保護や外来の動物を南極へ持ち込む事を禁止する(犬橇の禁止)内容なども盛り込まれている。
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2. 機動戦士ガンダムに登場する南極において締結された戦時条約。本項に記載。
南極条約(機動戦士ガンダム)
地球連邦軍とジオン公国の間で結ばれた戦時条約。条約が締結された地名を取って南極条約と通称されている。
条文
- 大量破壊兵器に関する条項
・原水爆および生物化学兵器の使用を禁止
・コロニーおよび大質量天体落下戦術の禁止
- 特定地域および対象への攻撃禁止
・中立地域の保護
・月面都市の保護
・木星船団公社所属艦の保護
- 捕虜の待遇に関する取り決め
・捕虜の人道的扱い
経緯
ジオン公国の優勢に終わったルウム戦役(一週間戦争)の結果を受け、停戦条約という形でジオン側から上記の内容を提出された。レビル将軍が虜囚となるなど大きく戦力を落としていた連邦軍はこれを飲まざるを得なかった。
しかし特殊部隊によってレビルが救出されると、連邦側は主張を一転、停戦条約ではなく戦時条約という形で条約が締結された。連邦の方向転換は救出されたレビルの演説によるところが大きいとされている。
しかし、下記の違反リストからも解かる通り、この条約はジオン側が提出してきたにも拘らず、悉くジオン側は条約無視を平然と繰り返している。
その結果、戦後になって、連邦側は報復及び抑止力手段として、禁断のモビルスーツの開発に着手する事になっている。また、世界各地で無差別テロを繰り返すジオン残党軍は正規軍として認められなくなった(つまりはテロリスト認定)事で条約の一つである「捕虜の人権」も適用されなくなり、後のティターンズの起こした惨劇にまで繋がってしまう事態となった。
南極条約違反
オデッサの戦い
追い詰められたジオン軍司令官マ・クベ大佐の指示で、水爆ミサイルが使用された。
生物化学兵器アスタロス
環境汚染を目的として開発された、繁殖力が極めて高い侵略的外来植物。ジオンで開発され南極条約に抵触しない範囲での使用が想定されていたが、計画を超える繁殖力を持ってしまった。本来は兵器ではなく閉鎖空間同然なコロニー内でも育つ植物として作られたものだったが研究が行き詰ったので地球で研究が再開され、結果的に繁殖力の強すぎる植物になってしまった。
ユーリ・ケラーネの暴挙
オデッサ作戦において敗北したユーリ・ケラーネ少将はヨーロッパから脱出した後、連邦軍の追撃に対し、核兵器を使用している。本人は「ただの気化爆弾」と嘯いているものの、モビルスーツが蒸散するほどの爆発力とその後の衝撃波の規模から核兵器である事は明らかである。
サイド6襲撃事件
サイド6における新型MS開発を妨害する目的で、ジオン軍キリング中佐が核ミサイルの使用を指示したが、発射前に連邦軍艦隊に阻止された。
バスク・オムへの拷問
一年戦争中、ジオン側は連邦将校の捕虜であったバスク・オムに対し、条約を無視した凄惨な拷問を行い、これによってバスクは視力を失う程の重傷を負い、ジオンどころかスペースノイド全体を激しく憎む要因となってしまい、後の30バンチ事件にまで繋がっている。
ガンダム開発計画
終戦後デラーズ・フリートを名乗るジオン残党軍によって戦術核兵器を搭載した試作MSが1機強奪され、それによってトリントン基地における核兵器の開発が表ざたとなった。
強奪された戦術核兵器は、後の連邦軍観艦式において使用されている。
なお、南極条約は戦時条約であるため1年戦争が終結した0080年1月1日にその効力は失効しているが、後に勃発した諸紛争においてもその基本概念は受け継がれており、地球圏における戦闘行為内でのタブーとして不文律的に扱われている。
また一部のファンの間では、『南極条約は「核の使用」は明確に禁じているが「核の保有」及び「開発」には触れられていないため、「試作2号機自体は条約違反に当たらない」』という説もあるものの、核運用を前提とした開発であるため、普通に抵触している(というかそもそも公式側が一貫して条約違反扱いしている)。
ティターンズの暴挙
ティターンズは抗議デモが行われたサイド1「30バンチコロニー」に毒ガスを注入して全住民を虐殺してたり、月面都市グラナダへ向けたコロニー落とし、ジャブローに核爆弾をセットして爆破したり、TR兵器や[ハティ]による地球全土へのの核攻撃(未遂)とやりたい放題している。
ただし、条約締結前であるが、コロニーに毒ガスを注入して虐殺する蛮行は、ジオン側も行っている。
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