「マナコっていう名前があるんです!」
概要
初出は第164話。名前が判明したのは第174話。
怪人協会の下っ端の一人で、S級ヒーローの突入に対しトイレに籠もってやり過ごそうとするも、速くて強い2人のヒーローにバッタリ遭遇してしまい、道案内として引っ張り回されることに。
その成り行きではあるものの、本作でも数少ないブラストと神の両方と接触したことが明らかになっているキャラクター。
外見
ゆで卵のような丸っこい体に、大きな一つ目と短い2本の角、そして細い手足がついたシンプルなデザイン。首とか頭とかの区別はなく、胴体にそのまま全部のパーツがくっついている、いわゆる1頭身。胴体には古墳時代の短甲の様なものをベルトで巻いている。
初登場時はもう少し体が細く角も長めだったが、登場する度にだんだん丸くデフォルメされている。尖った歯を持つ大きな口もあったが、ほとんど描かれなくなった。
性格
他の下っ端怪人と同じように、『好きに暮らしたいけど強いヒーローと戦うのはイヤ』といったスタンスの持ち主。S級ヒーローの実力にビビッて目玉が飛び出したり、幹部たちの大暴れによるアジトの崩落に涙目になったりと若干不憫。一応ヒーローに一矢報いようとする気概はあるが、やはり自分の命は惜しいもので中々踏み出せない。
感性がまともなため、サイタマとフラッシュのズレたやり取りに心の中ではツッコミを入れている。2人には「目玉」「目ん玉」扱いされてこき使われているが、成り行きで自己紹介したらちゃんと名前で呼んでもらえて、何となく打ち解けた。因みに死にそうになったときは何回か2人に助けてもらっている。2人が困った際には手伝いながら解決案を提示したりと、脅されているとはいえなんだかんだ協力的になっている。
登場初期の一人称は「オレ」だったが、性別判明後は「私」になっている。
能力
目が良い。目玉が光る。ただそれだけ。
視力は崩落したアジトの暗闇でも問題なく動けるレベル。目玉は懐中電灯のように広範囲を照らすことができ、光線の太さを絞ることもできる。結構まぶしいらしい。
頭に生えた2本の角がスイッチになっており、操作によって『サーチライト』『サーモスタット』『X線』、ツルツルとした反射体があれば『間接照明』も可能と多芸である。
なお、あまり目立たないが、覚醒ガロウの発した放射線には人間よりも若干だが耐性がある様子も描かれている。
動向
ヒーロー協会が怪人協会のアジトに突入したことを受けて、彼らと鉢合わせないためにトイレに籠もる。しかし迷子になって壁をぶち破ったサイタマとフラッシュにボスまでの道案内として連れていかれる。
そのままアジト内をトロッコで駆け巡る羽目になるが、あわよくば2人を道連れにしようと考えるもビビッて諦め、逆に命の危機をサイタマとフラッシュから助けられる始末。これらを通じてフラッシュはサイタマの強さに気付き始める。
そして本格的にアジトが崩壊し始め、生き埋めとなったフラッシュを掘りおこすためにサイタマと協力して岩をどかすことに。このときはじめて名前が明かされるとともに、実は女の子であることが発覚した。
サイタマ「……………えっ??(汗)」
また、体の色は女の子らしく、ピンク色であることが単行本26巻で明らかになった。
その後、フラッシュを掘り起こす過程で、謎のキューブを媒体に「神」と、その直後にブラストと遭遇するも、サイタマの機転で見逃される(意図的ではないが)。
地上に脱出して以降は、どの様にしてその場から生き延びるかを考えるようになるが、一方で共に行動していたフラッシュを気にかけるような描写も出てきている。
サイタマとフラッシュ以外のヒーローに命を狙われたり、覚醒ガロウの脅威にさらされたりはしたものの、結局明確に死亡した描写はなく(1回それらしき描写はあったもののノーカンになった)、怪人協会が滅んだ現在どこで何をしているのかは不明。「神との接触者」として、フラッシュが独自に彼女を捜索している。
そして192話にてサイタマとキングによってだいたい3コマで捕まえられ再会。その後フラッシュから神について質問されるが本人はあまり覚えていない模様。なおその少し前から生存を匂わせるコマが存在していた。
余談
アジト崩落の瞬間、フラッシュはサイタマとマナコを崩落から守ろうとしている。その結果マナコは無事で、フラッシュは瓦礫に閉じ込められてしまった。
原作ではギスギスしていたその後のサイタマとフラッシュのやり取りも、村田版ではマナコが加わった事でほのぼのとした展開になっている。
ただのモブ怪人だったはずが、ある意味サイタマと最も打ち解けている女性になってしまい、一部の読者から「もはやヒロイン候補」とネタにされている。そのどこか憎めないキャラと不憫さもあり、できればこのまま生き延びて欲しいものである。
関連タグ
ラプトラ・170話の女怪人:リメイク版のモブ女怪人の先輩。隠れた人気を得ながら2人とも早くに退場してしまった。彼女の明日はどっちだ。
ネタバレ注意!
その外見と予想外の出番の多さから、ギョロギョロとの関わりを疑う読者もいたが、実際この考察は当たっていた。第240話にて、サイコスがダミー人形として培養していたギョロギョロの体から切除されて誕生した存在であることが、マナコ本人の口から語られたためである。
この事から、ギョロギョロとはある意味兄弟(ギョロギョロ本人?が肉人形であるため、この呼び方も若干怪しいが)、サイコスは実質的な生みの親であると言える。それにもかかわらず、サイコスがマナコを放置していた理由は謎。やはり「不要」と文字通り切り捨てられていたのだろうか。
この伏線は存在しており、サイタマがマナコの行方について黒い精子に質問した際、黒い精子が「ギョロギョロのことか・・・?」と勘違いするシーンがあった。
しかし、キャラクターの出自というそれなりに重要な情報にしては1コマであっさりと語られている点、そして本人の口からとはいえ「らしい」止まりである点から、「まだ何か本人も知らない隠された謎があるのではないか?」と疑う読者も多少いる。そこら辺はサイコスに聞いてみない限りは何とも言えないが・・・。
ちなみに「分離した存在」という事で「ギョロギョロから何らかの性質も受け継いだかもしれない」とも考えられており、作中ではサイタマから「食い意地かな?」と冗談交じりに言われていたが、マナコ本人は「良心であってほしい」と願っているようだ。・・・怪人?