「なめてるだろ お前。」
CV:梅原裕一郎
概要
原作版74撃目時点で11兆4491億71万2554体の群体であり、体の分裂・変形が可能。
相手になめられることや調子に乗られることを極端に嫌う、チンピラのような性格。しかし、完全な脳筋というわけでもなく、ホームレス帝の光球の無尽蔵ぶりからエネルギーの出所を考察したり、ネオヒーローズの形態を見て逆説的にヒーロー協会の恐ろしさを導き出したりするなど、寧ろ怪人たちの中では頭が回る方であり、それが彼の厄介さを更に底上げしていると言える。
また凶悪な怪人ではあるのだが、リメイク版では躊躇なく味方を攻撃するブサイク大総統や、黒い精子を利用した上で始末する事を決定していたホームレス帝と比べれば、最後まで自分からは味方を攻撃はしておらず、逆にアトミック侍の攻撃から身を挺してホームレス帝を庇うなど、怪人協会幹部の中では珍しく仲間に対して易々と一線は越えない程度の良識を持っている。
ただし、怪人王オロチとギョロギョロに「俺達はヒーロー協会を潰すために集まっただけだろ 誰もオロチに服従するなんて言ってねぇ 手を組むのは今回限りだ」と主張したり、ホームレス帝が肉体のスペックは常人と変わり無いことを見抜いた際には「いずれスキを突いて後ろから刺せそうだな」と企む等、仲間として信頼など微塵もしておらず、あくまで手を組んでいる内は協調性のある行動ができるというだけであり、根本的な部分は上記の二人の幹部と大して変わらない。
怪人協会壊滅後は、原作リメイク版共々1匹だけ生き残っており、同じく弱体化した育ち過ぎたポチと共にサイタマの家で飼われることとなる。
戦闘能力
通常時
普段は一個体に無数の個体が内包されており、いくらか分裂した後でもS級ヒーローに大ダメージを与える程の身体能力を持つ。
切断されたり粉微塵にされるといった物理攻撃を受けても、ほとんどの場合犠牲になる個体は少数にとどまり、欠損した肉体も瞬く間に再生する。キングが劇中で考察したように、11兆を超える命のストックを殺し切らない限り倒せないという、相当に凶悪な存在。その他にも、変形能力によって肉体の形状を自在に変えられる。
小数の個体を別行動させることで攪乱・陽動も行うほか、一体でも逃せばタンパク質を摂取することで再びストックを蓄え、大きな脅威と成り得る。
ただし、上記の攻撃力は無数の個体が集まったことが前提であり、細胞ストックをすべて失った正真正銘一体の状態では子犬にも勝てないとのこと。
また、切られたりして完全に分離した際には分裂する事で無効化できるが、中途半端に斬られたり、潰す、貫通などの攻撃は通るなど弱点もある。
しかし、上記の通り犠牲になるのはほんの少数であるため明確な弱点ともいえないが…。
技
- 精子津波
限界まで分裂し、その圧倒的な個体数による大移動で人類文明を洗い流す。リメイク版で考案されていたが、作中での使用は無かった。
合体
奥の手として、個体同士で合体することで身体能力が大きく向上する。黒い精子達は合体を細胞結合と呼んでいる。
- 多細胞精子
原作でのみ披露した合体形態。
1兆の黒い精子が合体することで誕生する。
未合体の精子によると相当のスペックのようだが、相手が相手だけにあっけなく撃破されてしまったため戦闘力の詳細は不明。
原作では10兆、村田版では42兆による合体形態。
アマイマスクをして「かつてない程の強怪人」と言わしめる程の実力を持つ。
また黄金という名は伊達ではなく、金の性質のより強酸による腐食に強い耐性を持っている。
村田版にて登場した最終形態。
54兆による究極合体で、閃光のフラッシュですら格下としてあしらい、覚醒ガロウとも渡り合える戦闘能力を発揮する。
黄金精子よりもスマートで小柄な体型をしているが、それ故にスピードが比べ物にならない程に向上している。
- リスク
合体の大きな弱点として一度細胞結合した個体は再度の分裂・変形が不可能になるが、合体後さらに他の黒い精子を吸収することは可能である。
多細胞精子が死亡すれば1兆個体分、黄金精子が死亡すれば10(42)兆個体分が一度に死亡する事になるため、当人達もあまり使いたがらない。
(描写的に黄金精子以上の)細胞結合の際には合体元の大量の精子たちで自我の奪い合いが発生する。自我を奪えるのは1人のみ。それ以外の全ての精子たちの自我は消滅する。これも合体をあまり使いたがらない理由なのかもしれない。
ただし合体完了時、保険として合体外に残されていた100体の黒い精子は感涙し、自分が潰される事も構わず「本当の"俺"デビュー……」と呟いていたため、いざ使用するとなれば新しい自我の産まれを喜ぶ独特な感性をしている模様。
また、合体後の人格は残った個体たちを下に見る傾向があるらしく(村田版では展開が異なるためそのような描写はなかったが分裂した黒い精子同士で言い争いをする描写があった)、残った個体の意思とは反する行動をとることもある。黄金精子にならなかった黒い精子曰く「その数の寡多に関わらず全ての黒い精子は立場的に同格」とのことだが、ナメられることを嫌う彼の性格故の発言の可能性もある。
余談
黄金精子と白金精子はそれぞれ超合金クロビカリと閃光のフラッシュを撃破しているが、この時の彼等は精神的ショックによる自信の喪失や武器を紛失してしまっていた事による弱体化も敗北の大きな要因であったため、もし彼等が本調子であった場合、結果はどうなっていたかは分からない。
ちなみに戦慄のタツマキは万全の状態なら黄金精子を倒せるとのこと。