概要
数々の死闘を経てリミッターを突破し、絶対悪を掲げる事で完全な怪人へと覚醒したガロウのこと。
人間の頃の面影は影を潜め、まるで悪魔のような見た目となる。
その強さはヒーロー協会最強戦力であるS級ヒーローですら束になっても太刀打ちできず、作中屈指の実力者ボロスと同様にサイタマにワンパンされずに戦える程の戦闘能力とタフネスを誇る。
村田版では、シルバーファングと渡り合い、白金精子の速度をも上回り、ムカデ仙人の巨大且つ強固な外殻を打ち砕き尚も進化を続ける。
原作版、リメイク版共々サイタマからの評価も高く、他者の実力を計る事が不得意かつ怪人王オロチとも戦ったサイタマをして、怪人王かと思ったと言わしめる程である。
また、ムカデ仙人のように触角で相手の感情を読み取る能力も模倣し、さらに再生能力も有している。
サイタマとの戦いで、怒りに反応し身体が変異しより怪人らしい体躯となり、翼が生える、腕が4本になるなど怪人化が進行している。
技・能力
怪害神殺拳
「流水岩砕拳」以外に「旋風鉄斬拳」「爆心解放拳」「虎牙烈心拳」「炎舞弾道拳」「空虚深淵拳」「湖割氷河拳」「愚道山脈拳」「八怨鳥極拳」「圧迫面殺拳」「空気未毒拳」「引狐隆盛拳」など数々の武術を習得した末に至った自身の究極の武術。戦ってきたすべてを吸収し、たどりついたガロウの拳。
サイタマは「診察券」と聞き間違えていたが、戦慄のタツマキの隕石群やアトミック侍の「アトミック斬」、閃光のフラッシュの「閃光拳」、ぷりぷりプリズナーの「エンジェルラッシュ」、さらには再起した超合金クロビカリを心身共にへし折り、ついにはサイタマの「連続普通のパンチ」ですら捌いて見せた。
- タンクトップタックル
人間時代に戦い身につけたタンクトップマスターの技。
地面を打撃して相手の動きを封じ、タックルで追撃する。タンクトップの動きやすさを利用してのタックルらしいが、ガロウを見るあたりタンクトップを着ていなくても使用できるようである。
閃光のフラッシュに対し、彼のスピードを封じるべく使用した。
- 剛醒呼法
肉体の限界値を引き出す呼吸法。バングとの戦いにて、一目見ただけで習得する。
- 爆心解放拳
かつてバングが封印した邪拳。
拳の衝撃に合わせて心臓が爆発的な脈動を起こし肉体の限界値を超える超破壊型の邪拳。
金庫の奥義書から盗み見し習得した。
- 旋風流水轟気空裂拳
バングとボンブの合体奥義。彼等二人が協力する事で成せる程の技だが怪人化の影響か、ガロウ一人で繰り出す事に成功した。
威力は当然強烈で、ムカデ仙人の強固な外殻を幾度となく砕く程である。
- 神殺瞬撃
一瞬の間に無数の拳打を叩き込む。サイタマにはカウンターとして使用し、彼を吹き飛ばしていた。
- 神殺昇撃
歩方を踏み右正拳を撃ち込む強力な一撃。リメイク版では右正拳、右膝蹴り、左前蹴りの三連撃となっており、いずれも強力なものである。
- 大発勁
武の極致に達したガロウの技。発勁により対象の内部に直接ダメージを与える技で、その衝撃は凄まじく、高層ビル3棟程度であれば簡単に砂に変えてしまう程の破壊威力と密度、衝撃の伝播率を誇る。
- 極発勁
ガロウが思いつく限りの渾身の一撃。怪人化によって生やした第三・四の腕から炎をジェットの要領で噴き出し、その勢いで発勁する。威力はエベレストを思わせる程の巨大な山を簡単に押し潰し、衝撃は地球の裏側まで伝播し地殻変動を引き起こし、その影響で異空間にひずみを生じさせ地球の一部を膨張させてしまう。
宇宙的恐怖(コズミックフィアー)モード
村田版で獲得した最終形態。
元・師であるバングの姿をした「神」から得た力。偽物と看破してはいたが、その好戦的な性格から、「手を払い除けた」ため、その一瞬の接触で力を押し付けられた。
体表面には銀河が写り込んでおり、その身体からはほぼ全ての生物に致死的ダメージを与える宇宙放射線が放たれ続けており、耐性の無い者を瞬く間に死に追いやる。
星々が消え去る威力のエネルギーを浴び、その直線上にあった木星の衛星に不時着しても特に外傷がないほど耐久にも優れている。この時、宇宙空間での活動が可能であることも判明した。
また、声が風呂場で喋るようにくぐもっているらしい。ガロウはこれを流水の勁により、僅かな自我を残す事に成功している。
が、それが災いし、以前までのガロウを知るものは皆言動の異常に気付く程に、行動原理が歪められているにもかかわらず、それらを自分の意志によるものと思い込んでいるため、神の影響に対抗できていない。
そのため、今まで自覚の有無を問わず決して命までは奪ってこなかったにもかかわらず、この状態と化してからは立っているだけで身体から撒き散らす放射線による放射線被曝とそれによる放射線障害で多数死者を出し、それを指摘されても「恐怖を撒き散らす絶対悪にはおあつらえむき」と言ってのけ一切気にもとめない様になっている。
完全な力の付与を免れたにもかかわらず過去類を見ない程の凶悪な変異らしく、下記の技や能力に加えてこの形態でのガロウはブラストの時空操作や、手で対象の頭に触れることで記憶を読み取る能力も行使している。
さらには、ボロスですら余波だけで致命傷を受けたサイタマのマジ殴りの直撃を受けても、ダメージはあるものの戦闘続行を可能とし、借頸により常にサイタマの全力をコピーし続け、どこまでも強くなっていく。
その力はまさに不吉な未来、災害レベル「神」と呼ぶに相応しい存在である。
技・能力
- 全生命体根絶拳
宇宙におけるあらゆる力の流れ、力の振る舞いを理解した拳であり、「神に仇なす拳」を殺す(と本人は思っている)「神の拳」。
その名の通り核兵器の様な爆風と放射線をばら撒くガロウの拳。巻き上がる爆煙も核兵器の様になっている。
- 借勁(モード)
生物の動きを真似ることで大自然の力を借りる武術の奥義。これによりコピーした技は、力の術理を磨くことでコピー元を遥かに凌ぐものとなる。
- 連続普通のパンチ
借勁によりコピーしたサイタマの技。
サイタマ本人の技と威力を再現してるだけはあり、本家と互角の撃ち合いが可能で、若干の鼻血程度ではあるがサイタマに傷を負わせる威力である。
巨星が一生の最後に起こす爆発で、宇宙で確認される中で最大最強の爆発現象を模した巨大破壊光線。地上にかすりでもしたら「ヤバイ」と判断したサイタマは即座に飛び上がり上空で攻撃を受ける判断に至った。
後にブラストも「間違いなく地球がヤバかった」と発言している。
ガンマ線バーストが撒き散らす放射線は核兵器の比では無いため、ブラストがその場におり、放射線の大部分を宇宙に投棄していたため被害はある程度軽減されたが、下手をするとこれが発動した瞬間に比喩抜きで全人類が致死量の放射線を被曝して耐性のあるサイタマ、ガロウ、ブラスト、それからサイボーグであるジェノス以外の全人類が死滅していてもなにもおかしくない状況であった。
仮に地球の裏側に居て放射線が届かなかったり、ブラストの尽力により放射線関連の被害が0だったとしてもコレが地球上で発生した以上、その影響で発生した EMP(強力な電磁場)が地球上の全電子機器を破壊するため、人類の文明は完全に崩壊する。
また、この技による影響が10秒も続けば地球のオゾン層を完全に消し飛ばすのにあまりあるため、太陽から降り注ぐ直の紫外線で全生命体は焼き尽くされることになる。
恐竜の絶滅した大量絶滅の原因の一説に数えられる程の超自然現象の再現である。
ホンモノとは異なり実際にはそこまでの威力は発揮されておらず、ブラストの尽力で影響地域もあくまで周辺一帯に抑えられていた(というかホンモノと同等なら地上数百メートルの距離で発生した時点で地球が粉砕している)がそれでもこの技の直後、黒い雨が降り始めており、ブラストの尽力も虚しくあの一帯は甚大な放射能汚染が発生していたのは事実である。
- フォールアウト、放射性降下物、広島や長崎で降ったという巻き上げられた放射能汚染された塵や埃の混じった粘り気のある雨、当たると被曝する。
- 核分裂・重力拳
ブラストの重力拳をコピーし、自身の核分裂に加え改良した連撃。
同じくブラストを真似た亜空間ゲートなども使用可能で目視できる範囲なら移動可(実際に木星から地球周辺まで瞬時に移動していた)。
- 必殺マジシリーズ「マジ殴り」
借勁によりコピーしたサイタマの必殺技。
ジェノスを殺害し、サイタマの怒りを引き出したことで手にした最凶の拳。
余談
- 「宇宙的恐怖モード」は、怪人も含めて他の通常の生物を地球上から滅ぼしてしまうほどの危険性が描かれたが、ワクチンマンやホームレス帝など、(使用するエネルギー弾が同じ種類だとされていることからも)「神」から力を与えられたと思わしい存在が散見されてきたが、それらは(たとえば森林王などと同様に)「自然界や星の秩序を守るために人間を滅ぼす」という目的意識があった。しかし、皮肉にも「宇宙的恐怖モード」はどんな人間よりも生態系を破壊することが描写されており、「神」の意図が読みづらい状態になっている。
- 「神覚者」という表現は他の作品のキーワードと同じなので混同しやすいので留意。