概要
ヒーロー協会に所属するプロヒーローかつ
S級ヒーローの一人であり、そのランクはS級1位。
トップヒーローにもかかわらず素性が一切明かされていない謎の人物。
自由意志でのみヒーロー活動を行うと言われており、協会ですらその動向は把握できていない。
名前以外の情報は明らかになっておらず、一切が謎に包まれた存在であったが・・・
ネタバレ注意!
原作の重大なネタバレを含んでいます。ご注意下さい。
「いいかい 今後のキミの為に一つだけ教えておくよ」
「大きすぎる力を持つ者の心得として…」
『いざというときに誰かが助けてくれると思ってはいけない』
18年前。とある研究施設にて合成獣が暴走。研究員たちに「数値が頭打ち」だという理由で見放され、襲われそうになった超能力者の少女タツマキを救う。
ヒーローらしきスーツとマントを纏った彼は、自身の名前と、趣味でヒーローをやっていることを語る。
続けてタツマキに対し、何故超能力を使わなかったのかと問う。すると彼女は力が出せなかったと答えるが、それがウソである事を看破し、「力を抑えていればお払い箱となって施設から出られると思ったのかな?」と答える。両親に売り飛ばされた過去から「出ても出なくても自分のことが必要な人なんていない」と絶望し泣き崩れる彼女を「君を必要とする人はいる」「家族を守ってあげなさい」と励ます。
そして彼女に力を持つ者としての心得を説く。
それが上記のセリフでもある
「いざというときに誰かが助けてくれると思ってはいけない」
であった。
この言葉がタツマキをプロヒーローに導くキッカケになったのだが、彼女にとっては前進だけではなかったようで…。
15年前。音速のソニックや閃光のフラッシュなどの忍者、もとい暗殺者を育成する施設『忍者の里』創設者にして最強の忍者と謳われる『あの御方』とも一戦を交え、彼を意識不明へと追いやった。
また、フラッシュにより実力者達が殺害され、戦力の落ちた忍者の里にだめ押しで現れる。育成途中であった生徒達を一掃し、完全に壊滅させた。これにより、ソニックはヒーローに対して嫌悪感を抱くようになる。
そして現在。S級ヒーローの非常召集にも応じず、さらには人間怪人ガロウ討伐に名を上げられるが、命令で動かすことは不可能であると断言されている。だが、それと同時に人類の危機には駆けつけるはずとシッチからは信頼されている様子。
その後、ヒーロー協会が衰退してきた頃、タツマキが彼が帰還することを望むなど、彼女の精神的支柱となっているようである。
それとは裏腹に忍者の里の暗殺者達からは既に老いている為、脅威としてみられてはおらず、アマイマスクからは素性を隠す姿勢は民衆の希望にならない等とあまり良い評価をされていない様子であった。
そして、彼の息子を名乗る青年ブルーが台頭する組織ネオヒーローズが設立。
父を超えるため躍起になっているブルーに、力があるなら戦えなどと言われていたようで、今では反面教師としてみられている。また、息子である彼も父親の動向はわからないらしい。
見た目に関しては素顔は完全に明かされておらず、服装は炎のようなデザインが描かれたヒーロースーツと、柄の無い大きいマントを羽織っている。
髪型は短髪。
普段は定職に就いていて、ヒーローは趣味でやっている模様。
現在も何処でなにをしているのかは不明のままである。
リメイク版でももちろん登場。
こちらでもヒーロー協会内での扱いは変わっていないが、セキンガル等一部の職員からは引退したようなものと捉えられていたりもする。
過去の活躍も加筆されており、ムカデ長老と交戦し瀕死の重症を追わせ撤退させている。この事実はヒーロー協会も把握しており、機密情報として保管されている。
駆動騎士からヒーロー協会が襲撃された際に駆けつけるかどうかなどと懸念させており、それに対してほぼ引退状態であると捉えられているため可能性は低いと見解させれてた。
タツマキの過去ではなにやら黒い正方形の箱のようなものを各地を周り回収していると話していた。さらにはタツマキの頭に手をかざし、彼女の記憶を読み取りフブキの存在を知るなどの超能力のような芸当を披露しており、その際に妹を守ってあげるよう彼女に話していた。
また、彼と関わりのあるヒーローはタツマキだけではなく、アマイマスクもその1人であることが発覚。
※この先さらにネタバレ注意!!!
なんと原作に先駆けて登場。黒い箱に触れ、何者かと交信をとっていたサイタマ達の前に姿を現す。
空間を歪め降り立った彼は、常人どころか怪人すら容易に持ち上げることができない程の重さの黒い箱を軽々持ち上げ指先で遊ぶ。サイタマ達が知らずにそれに触れたことを確認すると、交渉を中断され怒る声の主に名前を叫ばれ、それを嘲笑い黒い箱を回収する。
そして、本物かどうか試すために最高速度で攻撃を仕掛ける閃光のフラッシュの背後に難なく周り込むなど圧倒的な実力を見せつける。
また、案内役としてサイタマ達が連れ歩いていた怪人マナコに対して疑惑の目を向ける。が、サイタマから理由を聞かされるとその疑問を捨て置くなど、少し掴めない反応を見せていた。
そして、タツマキとシッチによろしく伝えてほしいと告げると、両拳を重ね光を発生させる。それらはサイタマ達を包み込み、地上へとワープ。
サイタマ達を地上へ放り投げると、彼はまた何処かへと去っていった。
地上。傷つき横たわるタツマキの前に現れる。
そして自分の力を受け取り、ともに戦おうと手を差しのべる。
「あんた誰?」
それは苛立ちを覚え姿を消す。それと入れ替わる様にボロボロのブラストが現れる。それをはね除けたタツマキの成長ぶりを感じ、キングに彼女を託す。
そして再び時空を開き、戦場へ。共に戦う仲間達のもとへ帰還する。
しかし、サイタマと覚醒ガロウの戦いの余波が異空間まで影響を及ぼす。
これによりヤツの封印が解けてしまいそうになり、慌てて発生した異空間の歪みの修正にかかる。
が、それも虚しくヤツは地球へ。そして、「代行者」が現れる。
すかさず地球へ赴き、危険な存在「神覚者」となった覚醒ガロウと対峙。ガロウから放たれる宇宙放射線によりヒーロー達は既に倒れ伏しており、事態は一刻を争っていた。
完全に操られていないガロウを説得し、異空間に隔離しようとするが彼はそれを拒否。
シルバーファングを制止し、自身と同じ力を保持する”神の代行者”となった宇宙的恐怖モード(コズミックフィアーモード)の覚醒ガロウと渡り合う。
自身の技をコピーし時空すら超越してくるガロウ。さらに彼に特攻したジェノスも……。
黒い雨が降る。そこへ、先程地下で出会ったヒーロー”サイタマ”が現れる。
彼の怒りの鉄拳と、それをコピーしたガロウの拳。両者の衝突は、地球の終焉を意味していた。
直ぐ様2人を転送しようするが、巨大なエネルギーのぶつかり合いによりゲートが弾け飛んでしまう。が、駆けつけた仲間達の援護により地球への衝撃を回避する事に成功。しかし、その反動で2人は何処かへ吹き飛ばされてしまう。消滅した星々が、その軌跡を描いていた。
※もっとネタバレ注意
彼と神との戦いは、20年も前から繰り広げられていた。
相棒や協力者と共に神に関わる情報の捜索を行っており、とうとう2年前、ムカデ長老との交戦中に神から直接交渉を持ちかけられ、それを拒否し一戦を交える。その過程でムカデ長老を取り逃がしてしまうが、神とはなんとかやり過ごす。
神に目をつけられぬようそれらに関する情報は協会員のシッチ以外には秘匿情報とし自身は行方不明と偽り神との戦いに専念。
そして神との通信機である黒い箱の回収に勤しみ、神への対抗手段を模索している。
また、神からのコンタクトが急増しており、その理由はこちらの次元になにかしらの原因があるのではと睨んでいる。
ヒーロー協会を訪れた際にはシッチに近況報告をしており、神覚者となったガロウを目の当たりにした感想を「地球がヤバかった」と発言、尚且つこれらはシババワが遺した《地球がヤバイ》予言の始まりに過ぎないとのこと。その事実として、ガロウ以上の脅威が地球に迫っていると模様で……。
そして、サイタマについても言及しており、ガロウとの戦いを目撃していたらしく、ガロウを倒したのはサイタマであるとシッチに報告している。
その後の怪人細胞の分離実験に立ち会い、再開を望んでいたサイタマと、神の手がかりを探す閃光のフラッシュと再び対面。
フラッシュから、『忍の里』と神との通信機・オーパーツについて詰められ、里の創設者であるあの御方について語る。
あの御方こと虚空のヴォイドはかつての相棒であり、ともに神を討つべく同行していたが、神に出し抜かれ怪人化。さらに神の手先を生み出すべく忍の里を創設し、多くの若者の人生が奪われるという最悪の結果を招いてしまった。
そして、15年の月日が流れ現在。
予想していた通りあの御方が完全に目覚める。
挨拶代わりの攻撃を難なく防ぎ、サイタマからの「倒せそうか?」の質問に対し「私も遊んでいた訳じゃない」と返答。
あの御方と接触しようとする閃光のフラッシュに端末機を渡し、現れたら報告するよう伝え各都市への次元刃を警戒しながらあの御方との決戦を待つ。
こちらの見た目は、胸の中心に「BLAST」と書かれた白色のプロテクターのようなものを着用し、その下にはアンダースーツ。手足には、プロテクターの材質を彷彿させるアーマーとブーツを身に付け、さらには原作同様大きなマントを羽織っている。
そしてサングラスを装着。
しかし、過去回想に登場したときよりも年季がはいっており、いずれも傷だらけである。
また、顔の中心には傷痕があり、頭髪は黒、顎髭を生やしている。瞳は虹彩の部分がまるで歯車を思わせるようである。また、この瞳のデザインは、息子であるブルーにも共通する。
戦闘能力
時空を操る能力者であり、時空を司る要因である【空間】、空間の座標軸である【次元】、時空の歪みで生じる【重力】を操ることができる。
ブラストはこれを「宇宙の真理を操る」と表しており、宇宙放射線を含む放射能への耐性、宇宙空間での活動、さらには相手の脳内を読み取る神秘的な力の使用も可能とする。
また、地面にめり込むほどの重量のキューブを指先一本で扱う、閃光のフラッシュをも上回る速度を有するなど、身体能力も非常に高い。
技
- 時空操作
手の甲部分に円状のエネルギーを発生させ、次元・重力・空間を操る。
亜空間ゲートを用いたワープが可能で、長距離の移動はもちろん、攻撃の補助や受け流しによる防御など、汎用性が非常に高い。
また重力波を操ることで攻撃力を増強する他、辺り一帯に漂う放射線を異空間に放出することも可能。
さらに両拳を重ね∞状のエネルギーを発生させることで異空間への行き来を可能とし、自身を含む対象の人物や物質を空間ごと転移させることもできる。
- 次元砲(ディメンションキャノン)
両拳を合わせ球状のエネルギーを発生させそれを発射。対象を強制転送させる。
- 重力拳(グラビティナックル)
両手に重力を纒い殴りつける。亜空間へのゲートを用いる事で半永続的にダメージを与え続ける事も。
- 遮断(シャット)
異次元空間の出入口で相手を挟み、ゲートを閉じる事で強制的に異空間へ隔絶する。
- エネルギー砲
握った拳から放たれる波状攻撃。
亜空間ゲートを利用することで立体的かつ多角的な攻撃も可能。
当時は互角でそこから神通力の加わった【あの御方】との戦いにも勝利しており、そこから15年後の現在ではさらに大きく腕をあげているらしい。
ムカデ長老を取り逃がしたことも神の介入によるものであり、結果としては瀕死のダメージを負わせている。
現に神に侵されたガロウとの戦闘も被弾することは一切なく、仲間との協力もあればマジ殴り同士の衝突によって炸裂した地球を砕く程のエネルギーの方向をそらすことも可能。
その後にサイタマの強さを目撃した仲間たちが「あれ程の神覚者と戦えるヒーローがあなた以外にもいたなんて」と発言していることから、仲間内でもその実力はトップクラスのようで、時間の逆行でその間の記憶を無くしたサイタマから、ガロウを倒したのはブラストでは?と発言させており、作中でもズバ抜けた強さを持つ模様。
また、サイタマの実力を「全く底が見えなかった」と、作中で最も的確な表現をもって評価している。
余談
作中から察するに、ヒーロー協会設立以前からヒーロー活動をしていたようで、協会所属以前からその名はそれなりに知れ渡っていた様である。
リメイク版183話にて、原作に先駆けて登場という衝撃から、Twitterでトレンド入りを果たした。
- いざというときに誰かが助けてくれると思ってはいけない
作中にて初登場した際に幼少期のタツマキに向けて言ったこの発言は、タツマキが堕落して歪まないように強い力を持つ者の使命としてその力を弱者を守るために使い「どうせ誰かがやるんだから自分はやらなくてもいいだろう」というような無責任な考えをもってはいけないという教訓の意味で言った言葉であり(状況から誤解されても無理もないが)「誰も信用してはいけない」「誰も頼ってはいけない」という意味で言ったわけではない(ブラスト自身も一人で戦っているわけではなく必要とあらば仲間達の助けを借りている)。タツマキはこの言葉の意味を間違った解釈をしていたように描写されていた(妹のフブキはこの言葉が姉を縛り付けている呪いであるとさえ思っていた)が実は心の底ではちゃんと真意を理解していて、彼女自身のプライドの高さ故に周囲に助けを求めようとしなかっただけで、実際には仲間のヒーロー達を信頼していないというわけではなかった。(ちなみにタツマキが妹の率いるフブキ組に対して異様に辛辣なのは彼等が妹の力を笠に着ただけの烏合の衆同然で、いざという時"守り合える仲では無い"と見抜いており「そんな奴等に妹の側にいる資格はない」からである)。
それ故に彼女は「人に力を分け与えられる能力を得た」「力を受け取りなさい そして共に敵を打ち倒そう」などと言いながら現れたソレがブラストではない事を即座に看破できたのである。