「あ~骨が折れる …実際に折れてる訳だが」
「血はともかく… 汗を流すのは苦手だ…」
「お前… 泥仕合だが覚悟しろよ」
「ああ 200回くらい致命傷受けたな」
「三途の川がはっきり見えた だが俺は泳ぎがてんで駄目でな」
※以下、ONE氏原作版におけるネタバレが含まれます。ご注意下さい。
プロフィール
概要
元々は「進化の家」の「不死身シリーズ」実験体サンプル66号。ジーナス博士も認める唯一の完成品だったが、10年前に脱走してヒーローとなった。そして10年後、復讐のために怨敵ジーナス博士の元へ向かうも、進化の家は既に壊滅しておりショックを受ける。
そこでジーナスがサイタマの戦闘を見て自身の考えを改めたことを聞くが、当初は彼の見解やサイタマの存在などをあまり真に受けていなかった。
進化の家の壊滅はかなり衝撃的だったらしく、怪人協会のアジトに乗り込むため集められた際には、「ちょうどそういう組織とかぶっ潰したい気分なんだ」とかなり乗り気だった。
怪人協会との戦いの後に再びジーナス博士の元を訪れ、サイタマの常識破りの強さを目の当たりにしたことを語る。そして、彼の生物としてのリミッターが外れていたというジーナス博士の意見を肯定し、『俺のリミッターを外してみろ』と迫る。
リメイク版では経緯が若干変更され、彼本人はサイタマの戦いを目撃していない。ジェノスから最終決戦の顛末を聞き、ジーナスから聞いていたサイタマの情報からそれを信用して確かめる流れになっている。
外見
黒い短髪に赤い瞳で、生気の感じられない灰色に近い肌を持つ。バランスよく引き締まった細マッチョ。黒いタンクトップに薄い色のコートを羽織っているが、戦闘の際には能力の都合もあり、大抵の場合ほとんど全裸になってしまう。
リメイク版では武器の持ち運びの為か、胴体に何本も黒いベルトを無造作に巻いている。また後述する能力の関係で補修を繰り返した結果なのか、縫い目だらけのズボンを着用。しかしやはり最後は全裸。よくタバコを吸っているが、彼の肉体に悪影響があるのかは不明。因みに吸い終わったら自分の手に押し付けて火を消している。
周囲の反応からして、中々のイケメンらしい。
人物
ニヒリスティックな言動の目立つ一匹狼だが、S級ヒーローの中では協調性がある常識人。
常に冷静で洞察力が高く、頭の回転も速い。ヒーローや怪人の強さに関する知識にも造詣がある。
怪人協会との戦いの際には、ホームレス帝の突然死を“彼に力を与えた「神」なる存在の仕業”と薄々ながら勘付いている。
現在作中において、重要事項「リミッター」と「神」両方の存在を知る唯一の人物である。
リメイク版ではC級ヒーローたちに対して冷静に的確な指示を出す場面があり、彼らに「カッコいい」と憧れられている。他にも、
- 作戦前、タツマキが無茶な方法を取らないよう念を押す
- 暴走気味なアマイマスクに対し、「自分の手柄をやるから童帝の指示に従え」と諫める
- 作戦中に童帝の働きを評価して笑顔を見せ、作戦後は童帝の通信に真っ先に応答し彼を労う
- 会議で言い争うジェノスとフラッシュをなだめ、結束が難しい現状を憂う
など、周囲への気遣いをはじめとする協調性の高さが多く描かれている。
加えてWebで修正の入ったリメイク版第141話では、フェニックス男から精神的揺さぶりをかけられる童帝に戦闘中に通信を入れ会話。「大人が頼りっぱなしですまない」「お前がいてくれてよかった」と童帝に心からの感謝と労いを伝え、精神的に追い詰められた彼の心を救うという、子供に対する正しい大人の在り方を示し読者から更なる高評価を得た。
このことがきっかけで童帝からは『理想のヒーロー像』として尊敬・信頼されており、プライベートでも連絡を取り合う仲になっている。
OVA作品でも気遣いの描写は多く、第1期のヒーロー慰安旅行の際は宴会場で童帝を気遣って声をかけたり、第2期の雪山調査では遭難した指名手配犯のソニックを他のヒーローと共に介抱したりしている。
実はかなりの甘党らしく、喫茶店では注文したブラックコーヒーに大量の角砂糖を入れており、リメイク版では童帝にミルクセーキで一杯やる約束をしていた。
戦闘能力
致命的なダメージを受けても元通りに回復する、不死身に近い肉体を持つ。数百回の致命傷を負っても数分の休憩で平気らしい。いうなれば『常時発動状態の超再生能力』。具体的には、
- 千切れて落ちた腕が数コマ後には繋がる
- 脳や内臓の破壊も問題なく再生する
- 首から上や腕を丸ごと消し飛ばされても即座に生えてくる
- ミンチにされて瓦礫に埋もれても復活する
- 反動で自身の腕すら破壊する強力な弾薬を躊躇なく使う
- 自らの胴体(体内)にも無理矢理拳銃を仕込む
等々、痛覚・再生限界・失血死のような諸々の疑問を一切無視した破格の回復力を誇る。体力の消耗も殆ど見られず、長時間の活動と戦闘が可能。
この能力を利用して刀、斧、拳銃などを武器に持久戦で強引に勝利する。相手が勝利を確信した場面でもひるまずに戦闘を続行するため、結果的に隙を突く形となり有効打を入れることも多い。近接攻撃や物理攻撃を多用する相手ならば非常に有利だが、超火力による遠距離攻撃や圧倒的な身体能力によるゴリ押しなどとは相性が悪い。
一方ドラマCDでは災害レベル「竜」の阿修羅カブトと戦い、相手のエネルギー切れまで耐えて勝利している。ダメージを与えられなくとも粘り勝ちできるケースもある模様。
リメイク版では「内偵・諜報活動や汚染地域の調査が専門分野」であると語っており、戦闘は得意ではないと自認している。しかし原作よりも戦闘シーンが非常に多く、能力と武器をフル活用し、怪人協会にて40体近くの怪人(災害レベル鬼含む)を1人で屠っている。
下級怪人達から再生速度が追いつく前に袋叩きにされそうになる場面では、怪人たちが先陣を押しつけ合っている隙に無理矢理倒し切った。
純粋な身体能力や直接的な攻撃力はS級ヒーローたちの中では下位に属するが、鉄棒くらいの金属部品なら素手で捻じ曲げられる程度の腕力はあり、十分人間離れしている。また、童帝の事前調査に目を通して相手の弱点を把握しておいたり、相性が悪いホームレス帝を分析して不意打ちで拘束したりと、状況に応じて的確に動くことができる堅実さ・冷静さも大きな強みである。
上述したように破格の再生能力を持つが、大きすぎるダメージを受けると機能不全に陥る弱点がある。全身を大破壊された際には、味方に忠告しようとしても声帯が再生しておらず声が出せなかったりするなど、再生速度にも限度があるらしい。逆に言えば時間さえあれば全快するため、やはり持久戦に持ち込めば相当の脅威には違いない。
尚、2015年時点でのニコニコ生放送におけるONE氏の発言によれば、
- ミキサーにかけられたら死ぬかもしれない
- 腕がとれたら回復に15分程度かかる
- 攻撃力に恵まれないので、深海王が相手だと勝利は難しい
とのことである。リメイク版で再生能力が原作以上に強力に描かれているのは、リメイクに伴う怪人側の戦力アップに対応させるためなのかもしれない。
余談
- 第3回人気投票では11位で惜しくもトップ10には届かず、ONE氏によるイラストは描かれなかった。
- 原作では自身の肉体に関して特に発言はない。しかし村田版ではアマイマスクに「本当は怪人なんじゃないか」と聞かれ彼を睨む、吸血鬼に「人間の紛い物」と呼ばれ怒りを露わにするなど、それなりに思うところがある模様。
- 戦闘スタイルが重傷を負いながらの継戦が前提であるが、衣服は復元できないためちゃんと調達する必要がある。巻末の短編では下着を購入している場面が見られる。
- TVアニメ本編では尺の都合上、現在目立った出番はない。一方で原作では高い人気を誇るキャラクターであるためか、OVAでは第1期・第2期ともにメイン回が存在する。しかしその内容はどちらも『ゾンビマン殺人事件』であり、もはやシリーズ化してきている。
- 第1期では酔っぱらったタツマキに後ろから日本刀で刺され、翌朝倒れているところを発見され周囲は騒然となる。しかし持ち前の再生能力によりピンピンしており、「酒の席ではよくあることだ」と軽く流すなど、少々ズレたところを見せた。アニメではここではじめて能力が明らかになり、不死身というのは周囲からは噂程度の認識だった模様。
- 第2期では雪山の山小屋で爆発に巻き込まれ、再びヒーローたちによる事件の謎解きが始まる。今回は流石にすぐに起き上がり、自身も捜査に加わった。もはや雰囲気重視で死人扱いされる流れになっている。
童帝:「あれ、もう生き返っちゃったの?」
ゾンビマン:「ああ、なんか…すまない…」
関連イラスト
関連タグ
中の人ネタ。登場作品の原作者が同じでもある。
同じく不死身の肉体を持つヒーロー。性格は(それぞれ別ベクトルで)正反対。
ゾンビと呼ばれる再生能力持ち。彼の場合は実際に死んでいる。