目玉おやじ(本来の姿)
もとのめだまおやじ
概要
目玉おやじの説明は当該記事を参照。
『夢繰りの鈴』を持つ少女の霊に魂を囚われ、廃人となってしまったマサシの父アキノリを救うため、鬼太郎たちは妖怪枕返しの助けを借りて(※1) 夢の世界に入り込んだ。
空想がそのまま形になる夢の世界では、子供らしく常識にとらわれない、途方もない夢があるほど、より強い力を発揮できる。だが、不幸な生い立ちゆえに子供らしい夢を持つ余裕などなかった鬼太郎には普段通りの攻撃しかできず、ついには鈴を操る少女の力に圧倒され、あたりを覆いつくす奔流と化した少女の毛髪に飲み込まれてしまった。
鬼太郎を助けるために、目玉おやじは枕返しに力を貸せと喝を入れると、毛髪の奔流へと飛び込む。そして「こんな姿ではなく、鬼太郎を守り、もっとのびのびと子供らしい夢を見せてやれる父親でありたかった」という彼の強い想いが、枕返しが放った妖術により、病を得る以前の力強い姿となって具現化された。
(※1) 本作の枕返しは、謎の高僧(余談参照)に成敗されて改心した味方妖怪であり、彼から間接的に力を奪った少女の悪霊が敵として登場した。
容姿
砂かけ婆が思い出しただけで惚れ惚れするほどの端正な容姿(※2)。
原作の田中ゲタ吉(高校生となった鬼太郎)をも彷彿とさせる、銀髪(白髪)に赤い瞳を持つ壮年(人間だと40~50代)の男性(余談の項目も参照)。
彼は鬼太郎の様な隻眼ではなく、「目玉おやじ」の元となった目玉も左目なのだが、この時見せた容姿は鬼太郎同様に左目を隠して右目を露わにしている (唯一失われなかった左目以外が復元する形で具現化した可能性もある)。
服装は着流しで霊毛ちゃんちゃんこ(※3)を羽織り、足には下駄を履いている。全体的に、鬼太郎を成長させてイケオジにしたような感じの姿である。
(※2)鬼太郎と年齢の近い6期ねこ娘は、このエピソードで初めて、目玉おやじの今の姿が本来のものではないと知った、と設定されている。
(※3)鬼太郎が攻撃に使用した際に手放してしまい、直前まで目玉おやじが魔法の絨毯のような移動手段として用いていたところを、枕返しの能力で肉体ごと彼の服装として組み込まれた(一族に代々伝わる家宝であり、現実世界においても、息子の鬼太郎に譲る前は目玉おやじ自身が着用していたはずである)。
戦闘能力
全盛期の頃は、身体能力、状況判断力、妖力、威厳…あらゆる点において、まだ若い現在の鬼太郎の上位互換といっても過言ではない実力を誇っていた。
鬼太郎ですらなす術もなかった少女の強大な結界を平然と打ち破り、鬼太郎を抱きかかえた状態でも彼女の猛攻を易々と避け、息子を遥かに凌ぐ高威力かつ高精度の指鉄砲を片手で放ち、防戦一方に追い込まれた相手のガードをものともせずに勝利を収めた。
もちろん、これは夢の世界において愛する息子を守りたいという彼の願いが具現化した故の事ではあったが、その後48話において、現在の目玉に手足の姿でも鬼太郎を遥かに上回る威力の指鉄砲を披露している。父は強し。
シリーズにおいて
これまで目玉おやじの本体の姿が描かれたのは、原作やアニメ『墓場鬼太郎』の第1話くらいである。この時は病に侵されていたことから「全身を包帯で包んだ大柄な『ミイラ男』のような容姿」で描写されていた。
3期の地獄編にて、岩子の記憶にて髪を生やした姿が見られた。その容姿は6期とは異なる(参照)。
健康だった頃の姿については原作に描かれたことはなく(詳細は幽霊族のリンク先参照)、アニメでオリジナルに描写されたのも6期が初となる。
包帯から覗くその目は鬼太郎に似た三白眼で、顔も爛れていかにも恐ろしげな雰囲気を漂わせている。一方、夢の世界で具現化された健康体の姿は、前述の通り赤い大きな瞳で、口元にそれなりの年齢を感じさせる小さな皺は目立つものの、かなりのナイスミドルなルックスとなっている。
なお、永富プロデューサーの談話によると、水木プロ側からはこのデザインについて
「ああいうことをやるんだったら、事前に言ってくださいよ」と笑いながら言われたとのこと。
幸いというか、水木プロにも大ウケしたようである。
そして、2021年3月7日「まんが王国とっとり 生誕99年水木しげる生誕祭」の生配信において、6期鬼太郎の新作映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の製作が発表された。
永富プロデューサー曰く
「”目玉おやじ”ではなく、”鬼太郎の父”と書かせていただきました。ということは……?6期ファンの皆様は……、以上でございます。」
「ぜひ”目玉おやじ イケメン”と検索してください。」
とのことである。
この企画は水木プロ全面協力のもとで進められ、鬼太郎シリーズの記念碑的な作品になるとか。
……本気すぎるぞ、東映。
容姿はアニメ版から鬼太郎のイメージに近づける形でリデザインされており、声優も関俊彦氏が起用されている。
余談
目玉おやじ、ネットを制す
本邦初公開となったこの姿と活躍ぶりは、視聴者に凄まじい衝撃を与えて大きな反響を呼んだ。
ツイッターでは「目玉おやじ」がトレンドワードとなり、3万件に迫るリツイートが行われたほどで、放送日(2018年7月1日)のうちにGoogleの検索予測で目玉おやじと打つと、すぐ下に「生前の姿」「イケメン」等がサジェスト候補として表れるようになった。
声優の意志
かつて1期・2期・墓場編で鬼太郎を演じ、本作で目玉おやじの声優を務める野沢雅子は、自ら「(6期の目玉おやじは)鬼太郎が成長して父親になった気持ちで演じる」と発言していた。それを受けて以前から一部では「愛息子の危機を救うため、全盛期=初代鬼太郎の姿を取り戻す目玉おやじ」という設定での二次創作が行われ、ピクシブ内でもそういった作品が投稿されていた。
が、公式で限りなく近いことが実現してしまった。
小ネタ
その他
このエピソードには他にも、
- 知り合いの親子を救うために一芝居打ったまなのゲス顔
- 犬猫コンビの妄想の炸裂っぷりと八頭身の鬼太郎
- その昔各地で妖怪退治をしていたらしい謎の高僧が枕返しの話にも登場し、その僧侶が少女を人柱として捧げる儀式に噛んでいた様子
- 一度は夢の世界へ逃避しながらも、息子への愛のために父親としての自分を取り戻し、命がけで我が子を救ったアキノリの活躍
など、ネタ含め様々な見どころが詰め込まれていた。
……が、全部目玉おやじに持っていかれてしまった。
全国の視聴者よ、どうか彼らのことも思い出してあげてください。