スペック
基本 | 備考 | |
---|---|---|
CPU | AMD"Jaguar" 1.75Ghz/8コア | |
GPU | AMD GCNカスタム 1.3TFLOPS | DX12対応 |
メモリ | 8GB DDR3+32MB eSRAM | 帯域68.3GB/s(DDR3)+109GB/s(eSRAM) |
ストレージ | 内蔵HDD500GBor1TB(エリートバンドルパックでは内蔵SSHD1TB) | ユーザーによる交換は不可能 |
解像度 | 最大1080p(無印)・2160p(S/X) | |
サウンド | 7.1チャンネル対応 | |
ゲームデータディスク | BD-ROM |
- 初期型と当時の不振
最初のローンチは北米やカナダを含む13カ国で2013年11月22日に発売され、2014年9月にTier2(第二陣)として日本を含む26か国で発売された。しかし、2013年のE3で初めて発表したときに著作権保護(DRM)システムや本体スペック、KINECTの強制同梱などで外国人はくそみそに本体を非難しまくったので、実際の発売後にゲーム部門の統括者がフィル・スペンサー氏に交代してしまった。当時はマイクロソフトがライオンヘッド(Fableシリーズの制作会社)を買収した後に実質的に潰してしまった事、単純な制作陣の新作を作るためのモチベが萎えたことなどがあって、当時のマイクロソフトCEOのサティア・ナデラは本気でXboxの事業から引退するかどうか考える程であったといわれる。ちなみに、当時のDRM構想は主にゲームデータそのもののオンライン認証にまつわる点が多く、XboxOneの下位互換性機能(後述)、Xbox Gamepassの原型のアイデアへとつながった可能性もある。
このように、XboxOneの発売初期の実情はさんざんな有様であったが、実際は日本でこのような事実が当時知られることはなかった。それは360時代からかなりブームが過ぎ去っていたため、日本でXboxOneの発売の宣伝が極めて小規模になっていたことが原因である。本体の発売も日本では2014年9月までずらされた。さらに、日本でのディスク版ソフトの供給も2016年の終わりを機にめっきり減ってしまった。これはハピネットの流通撤退が原因である。
この世代でようやくOSがWindowsになった。Xbox360のOSは便宜上はWindows2000の改変型OSとされているが、基板のCPU周波数の違いなどから実質的な独自OSとなっていたので、周辺機器やKinectの互換性をOneと持たせることができなかった。
プレイステーション4と同じくアナログ出力端子はオミットされている。
HDMI端子が2個搭載されているが、アメリカではケーブルテレビに加入している家庭が多いため、STBとの間にXbox Oneを繋ぐため一方は入力端子になっており、Oneguideと呼ばれるアプリからHDMI入力端子の映像を視聴することが可能である。日本地域などではHDMIリンクの信号がOneguide向けの仕様と異なるためテレビ視聴中のHDMIリンクができなくなっており、代替策としてIRレシーバー用の3.5mm端子も搭載。なお、2021年にテレビ番組との連動機能は廃止。
どの機種でもOneguideの性能は1080pが上限で、音声信号は2ch LPCMとドルビーデジタルのみ対応。ヘッドホンプラグインをXboxで有効にすればゲームの音楽をそれなりの仮想サラウンドに変換することも理論上は可能である。Oneguide経由でもDVDやVHSに添付されているマクロビジョンコピーガードは外すことができない。
Kinectも同時発売、XboxOne向けに再設計されている。ただしONE SからKinect用端子がなくなったことでアダプター経由の接続しかできなくなり、Series X/Sで完全廃止された。
OSはWindows OSのカスタム版を三つ同時に起動させ、「ホスト用OS」と二つのゲーム・アプリ用OSに分かれている。これによりスペックはPS4にやや劣るが(特にグラフィック解像度)、パフォーマンスの高さと後から性能を増強させることが可能になったことが評価されている。ほとんどのゲーム作品は解像度が1080pから900p~720pに落とされることが多い(これはニンテンドースイッチの携帯機モードとテレビモードを切り替えた場合でも同様。)
ちなみに、このモデルのみ本体を縦置きしてはいけない。ディスクドライブがそれほど高い利便性を想定して作られていないためである。
- Xbox One S
筐体の小型化、電源の内蔵。さらにGPUも少しだけ性能が向上したことで4K対応。
おかげでデカいACアダプタに悩まされることはなくなった。
おまけに、内蔵ハードディスクがWestern Digital製からSeagate製に変更されたので、容量が同じOneとOneSの本体同士でも明らかに読み込み速度が増加したように感じることができる。
そしてPS4 Proにない機能としてUltra HD Blu-rayの再生に対応する。
- Xbox One X
無印/Sからいくつか仕様変更が施されている
CPU | AMD Jaguarカスタム 2.3Ghz/8コア | |
---|---|---|
GPU | AMD GCNカスタム 6TFLOPS | |
メモリ | 12GB GDDR5 | 帯域320GB/s |
True4kに対応させるために無印/Sから恐ろしいくらいパワーアップした。One S以前とOne Xは一応ゲームデータは同じとされているが、実際にプレイすると解像度やfpsがまったく異なる。第八世代のハードではもっとも高価かつ最高スペックとなった。(PS4 Proは性能面でOne Xにやや劣る。)
無印とは異なり全世界同時発売だが、時差の関係もありXboxシリーズでは珍しく日本が世界最速で発売された(日本は日付変更線に最も近い)。
- Xbox One S All-Digital Edition
Xbox One Sの廉価版。本体のサイズや性能はそのままだが名前の通りダウンロード版専用となっており、ディスクドライブが廃されたためディスクを入れることができない。XboxOneの中では最も安いモデルで、MinecraftとForzaHorizon3が最初から入っている。2019年5月7日に発売。
Windows10との連携
アップデートによりWindows10との連携機能が追加され、Win10のXboxアプリを用いる事でフレンド等の動向を確認したり配信映像を見る、メッセージを送るだけでなく、リモート接続することでストリーミング配信された映像をPC側で見る事やPCを使ってのワイヤレス操作をすることもできるようになった。
一部のゲームではWin10版かXboxOne版のどちらかのDL版ゲームを購入することで双方でのプレイが可能となる。
クロスデバイスに対応しており、Win10版とXboxOne版の混在してのマルチプレイが可能(現状ではWindowsストア版のみで、Steam版とのクロスはWindowsLiveを使用するもののみの模様)。
ちなみに、Xbox本体のOSは2015年でWindows8.1から強引にWindows10NTのバージョンに乗り換えている。現在はWindows11基準のOSといわれている。
下位互換機能
実は、Xbox360や初代Xbox(ゲーム機)のディスクをそのまま挿入して過去ハードの作品をプレイすることができる。この機能は2015~2021年にかけて一部の作品で実装された機能。互換に対応した360製作品はリージョンを無視してインストール・プレイすることができる。ダウンロード版もMicrosoft Storeから購入できる。
360は有名な洋ゲーは軒並み対応している(KINECT専用作品はすべて除く)。Live Arcade作品も一部対応している。ギャルゲーはシュタインズ・ゲートなどを除いて全部対応していない。初代Xbox向け作品は60作品程度対応。
その他
- Xbox360と違い、内蔵HDDの交換は不可能だが、外付けHDDの利用により、実質増設が可能。
- リージョンフリーなため、海外版ソフトの起動は可能だが、ストアが本体に設定された地域により制限されており、ソフトの起動こそ可能であってもアップデートや追加コンテンツ等のダウンロードができず、本体が国内設定のままでは遊べないソフトがある。国内ではDL販売のみというソフトは問題はないが、国内未発売ソフトが制限される。
- ソフトがSmart Delivery対応の場合はSeriesX/S版と共通となっており、個別に購入する必要はない。PS4/PS5でこういう構想が実現できないのは法律上の制約。
- ACアダプターが採用された最後のXBOXシリーズでもある。XBOXONES以降はプレイステーションでよく使われる二軸ケーブルに変更して電源は内蔵。
- Xbox360同様にXboxOne用SmartGlass(現在の名称はXboxApp)があるが、別のアプリとなっているため、360版SmartGlassは非対応。セカンドスクリーンだけでなく下記のキャプチャ等を行うサブコントローラーとしても使用できる。
- ゲームの動画保存及びキャプチャ機能を持ち、共有したりTwitter等へアップロードするだけでなくOneDriveを介して自分のPC等へ送る事も可能。
- 録画は現時点から一定時間さかのぼったものを保存と、現時点から一定時間録画の二通りある。
- セーブデータはバックアップがクラウドストレージへと保存される。クラウドストレージはメンバーシップに関係なくソフト一つ当たりに一定容量割り当てられるが、ソフト数に上限はなく、実質無制限のクラウドセーブ領域を無料で得ることが出来る。(XboxOneで遊ぶのであれば下記の下位互換機能を用いた場合でも同様に割り当てられる)
- 当初は下位互換は無く、PS4と同じく前世代版(XBOX360)のゲームを遊ぶことができなかったが、2015年11月13日に下位互換機能が追加された。
- 対応ソフトはパッケージ版ではオンライン状態で対応した360版ゲームのディスクを読み込ませる事で、デジタル版ではコンソールでダウンロードを行なうことでOne上で動かすためのデータのダウンロード及びインストールが行われ、Oneでの起動が可能となる(ただしパッケージ版は毎回起動の際にディスクが必要となる。国内未販売ソフトは起動用データのインストールこそ可能でも日本設定では起動は不可能となる)。
- XboxSeriesX/Sでの下位互換の為にクラウドストレージはメンバーシップに関係なく無料で開放がされた。360側のデータはクラウドストレージを有効にしたうえで蔵踊ストレージへコピーする必要があるが、3世代通してセーブデータの共用が可能となった。
- 互換機能で起動したゲームはコンソールに関係なくオンラインに対応しており、360とOneのハードが混在状態でのマルチプレイが可能。
- 残念ながらオリジナル版ですでに終了したオンラインサービスは復活しておらず、オンライン対戦やDLCの入手は不可能、実績への対応はなし、セーブデータの移行ができないなど、Oneで当時のままにというのは実現していない。ただし、非公式サーバーへの接続やLANケーブル経由でのローカル対戦は理論上可能な設計となっている。
- 小型化、Ultra HD Blu-ray及びHDRゲームに対応したXbox One Sが2016年11月24日に発売。
- True 4Kにも対応したXbox One Xが2017年11月7日に発売。PS4ProですらUltra HD Blu-rayやDolby Atmosに対応していなかったが、PS5で対応した。
- Xbox One X Enhancedに対応したゲームであれば追加データをインストールする事により、テクスチャの改善、追加のビジュアルエフェクト、より高く安定したフレームレート、より高い解像度(最大4K)のうち最低1つが対応する。
- 360版の一部のソフトでは未対応となっていても互換機能対応の時点で相当する強化が行われているものがある。
- 家庭用ゲーム機としては珍しくアーキテクチャがプレイステーション4と被っている(PS4もJaguarプロセッサとGCNを採用)。更にOneXではメモリの仕様も合わせられている。
- 恐らく偶然だと思われるが、マルチプラットフォームのゲームソフトをリリースする際の開発側の負荷が減るのは確かだろう(PS3/360の時はハードの仕様が両機種で大きく異なり、片方のバージョン、たいていはPS3が所謂「劣化版」になることも少なくなかった)。
- Webブラウザは当たり前のようにMicrosoft Edgeである。PC版のEdgeは2020年1月にレンダリングエンジンをChromiumに置き換えるリニューアルが行われたが、こちらはChromium版に置き換えられたのは2021年になってのことであった。
- オンラインサービスのうち、マルチプレイは有料のゴールドメンバーシップが必要となっていたが、2021年4月22日以降、基本プレイ無料タイトルのみ無料のシルバーメンバーシップのままでマルチプレイが可能となった。
- Xbox OneとXbox Series X|Sのみで、Xbox 360は対象外となっている。
- ただしソフト本体は無料でないタイトル、追加コンテンツとして無料マルチプレイが追加されている場合は例外となっており、ゴールドメンバーシップが必要となる。
- 内蔵HDDはパーティションを使用したかなり特殊な構成となっているため、内蔵HDDの交換には専用ツールを使用したHDDの初期化が必要である。
- その仕様からXBOXONEは処理落ちしにくく、仮想環境を利用したOSとなっているが、その分ハードディスクの読み込みの遅さがXBOXONE本体に反映しつつある。そのため、SSDに交換すると劇的にゲームの読み込み速度やOS全体の速度が増加する。