概要
『お客様は仏様です』
此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは──。
魂抉る死者との対話。人は此岸と彼岸の境界で生を知る──これは、魂の物語。(漫画説明文参照)
死役所
此岸と彼岸の境界に存在する、死亡した人間のその後の手続きを行う場所。死因ごとに複数の課が存在し、成仏に必要な書類である「●●("自殺""他殺"といった死因が入る)申請書」と「成仏許可申請書」(場合によっては「挺身申請書」のように3枚提出させることもある)に記入・提出し手続きをするといったように、現世の役所のシステムを導入している。
死役所ならではの条例を制定しており、それをまとめた条例集が存在する。「死亡日~49日間に手続きをしない場合、死者は"冥途の道"を彷徨うものとする」という条例は、作中で最も多く取り上げられている。
冥途の道
此岸(現世)と死役所の間にある道のことであり、天国でも地獄でもない、何もない真っ暗な道で兎に角広い。手続きを怠った場合、成仏することは出来ずここを永久に彷徨うこととなる。
登場人物
作中では「死役所」は「シ役所」と表記されている。また、職員の名字には必ず「シ」が入っており、名札にはその部分は片仮名の「シ」にされている。
CVは関連動画のスペシャルアニメでの配役
シ村(市村正道)
CV:子安武人
総合案内。本作品の主人公。
市村幸子
シ村の生前の妻。趣味は絵を描くこと。
市村美幸
シ村の生前の娘。絵の具や土を食べるなどの偏食で幸子を悩ませていた。
ニシ川(西川実和子)
自殺課職員。死役所では珍しい、若い女性。
イシ間(石間徳治)
CV:高岡瓶々
他殺課職員。強面だが涙脆い壮年男性。
ハヤシ(林晴也)
生活事故死課職員。
岩シ水(岩清水直樹)
人為災害死課職員。やや地味な青年。
松シゲ(松重謙三)
交通事故死課職員。半袖のポロシャツを着用している。方言(のようなもの)に加えて歯が所々抜けているせいか滑舌が悪く、言葉が聞き取りにくい。岩シ水や客の伊達夏加からも内心『この人滑舌悪いなー』と思われているが、何故かシ村は聞き取れている。
シラ神(白神静佳)
病死課職員。色白で儚げな印象の女性。
腰が低く「ごめんなさい…」が口癖。イシ間は彼女について「(妻を思い出して)ついときめいちまう」と発言している。折紙で花束を作ったり、傷口を縫合するなど手先が器用。
ハシ本(端本)
他殺課に配属された新入職員。半目で無口無表情の青年。
他殺課職員の中年男性。猫口とやや中性的な言葉遣いが特徴である。
ハシ本に嫌味を言っては怒らせていることが多い。衝撃が苦手。
お客様に対しても、平気で階段から突き飛ばす等ぞんざいな態度をとる。
死産課職員の女性。赤ん坊たちの代筆をしている。
男性職員に積極的に絡むが、女性職員に対しては冷たく接することも。余貴美子がモデルで実写ドラマ版では実際に余が演じた。
巻添嘱託死課職員の男性。厳格な口調と態度だが、他の職員にストレートな嫌味を言う一面も。
職員の仕事について「この仕事に同情はいらん」と発言している。
癌死課職員の男性。髭面でガラが悪そうな中年男性。
イシ間より在職期間が長い。
沼シリ(沼尻努)
癌死課職員の男性。
杉が勤めていた拘置所に収監されていた元死刑囚(因みに、その拘置所には生前のシ村も収監されていた)。
強盗殺人で死刑判決が下され、収監先の拘置所では絶望して自暴自棄になっていたが、当時刑務官だった杉と触れ合い、最期は人間らしく扱ってくれた杉に感謝しながら刑が執行される。
死役所では真面目に働いており、お客様に対しても親切丁寧に対応している。
自然災害死課職員の男性。明るい性格で仕事熱心であり、困っているお客様がいると一直線に駆け寄る。
しかし、本人は複数の傷跡を持つ強面で大柄の男性である為、お客様をビビらせてしまう。
老衰課職員の男性。長い前髪で目が隠れている青年。
初潮前の少女に興味を持っているが、所属する課には老人しか訪れない為、常に不満を漏らしている。異動願を出すも、未だに受理されていない。
これまでも背景として何度か作中に登場している。
心臓病死課職員の男性。細身で神経質。髪型が独特で目は良く言えばパッチリ開いており、悪く言えばイっちゃってる感じである。
潔癖症のきらいがあり、お客様の血で汚れた床や手すりをピカピカに磨いている。
自殺課職員の男性。太い眉毛の老人。
古臭い男尊女卑の考え方の持ち主であり、同じ課に所属するニシ川とよく衝突している。
お客様(※ネタバレ注意)
死役所にやってくる死者。ここで手続きを踏んだ後、天国、地獄、あるいは冥途の道へと進むこととなる。死んだ直後の姿で現れるため、かなりショッキングなビジュアルの人も多い。
『今日はどのようにして亡くなられましたか?』
いじめと家庭環境を苦にして自殺した少年。後に思いがけない形で加害者と再会することとなる。
鹿野いじめの主犯格だった少年。鹿野の義父の手により殺害され、シ役所にやってきた。
1巻表紙の女性。職場の事故が起きた際、巻き込まれた社長をかばって自身が死亡する。
CV:小市眞琴
幼稚園児。母親から虐待を受けており、その事実を幼稚園の職員も薄々勘づいていた様子。ある日家のベランダに締め出されたことで凍死する。ドラマ版では「あしたのわたし」という絵本を読み聞かせするシーンが追加された。周囲に同情されても大好きな母親との思い出を嬉しそうに語る姿を、シ村は「洗脳」と語っている。
江越信行
常識もやる気もなく極めて自分本位。職員の採用面接を告知される。
漫画「アヒルロード」の作画担当。いつかは自分の世界を描きたいと思っている。
襟川
心筋梗塞で亡くなった年配男性。1年前に妻の典子を亡くしており、何かと一言多く嫌われやすいタイプだった。
しかし「男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く」という諺を気にして、妻亡き後は積極的に人付き合いをするようになり…。
ミチ
イシ間の姪。両親を戦争で亡くし、孤児だったところを彼に引き取られる。彼女が作る大根の味噌汁はイシ間の好物だった様子。
女子中学生。思いを寄せていた同級生とのデート中、交通事故に遭ってしまう。
シ村には「一生忘れられないデートになった」と言われ、激昴する。
佐尾高慈
お笑いコンビ「カニすべからく」の高関一文の相方。長身痩躯の男性。高校時代は放送部に所属し、文化祭で「カニすべからく」というネタを披露するが、独特さのあまりアンケートにはマイナスな感想ばかり書かれる。
しかし、高関だけが「シュールで面白かった」と書き、その後で高関が佐尾に声を掛け「カニすべからく」というコンビ名で芸人になる。「家族性アミロイドポリニューロパチー」という遺伝性の病にかかる。
女子高生。スマートフォンに機種変更し、同級生にSNSの「WINE(ワイン)」のグループに誘われる。そこで、返信が少しでも遅れると『無視してんじゃねーよ』と書きこまれたことを切っ掛けにネット依存症になり、スマートフォンから離れられない生活を送っていた。
女子大生。額を出したショートヘア。
杉
元・刑務官。ある日死刑執行の担当者に推薦され執行に立ち会うが、その時の精神的苦痛により刑務官を辞める。
本堂千裕
ごくごく一般的な専業主婦。面白味のない、単調な主婦の生活につまらなさを感じているところに友人の日暮蘭子からパーティに誘われる。このことがきっかけである事件に巻き込まれていき…。
坂浦真澄
定食屋の店主。もうすぐ父親になる予定だったが、以前父親を襲った男に刺し殺される。
生野芳聡
ネット配信者。口癖は「草」。無論ネット用語の方の「草」だが、そんな言葉がなかった頃に死んだシ村やシラ神には「園芸の趣味でもあったのか」と勘違いされる。
彫刻さん
橋の下に住んでいたホームレス。地蔵を彫っていた。
山中紗世
OL。美人で人当たりも良いが、それ故に上司からのセクハラやそれを見て見ぬ振りする周囲に悩んでいた。
花平妙子
ニシ川に殺害された被害者の妻。
加護の会の信者。
日原紺志
喫煙者の単身赴任者。
津川勇樹
デジバンチvol.01に収録されている話に登場。7歳の小学生。正義感が強く『ヒーローは困っている人を見過ごさないのだ!』が口癖。特撮テレビドラマ「仮面ヤンダーヤギト」に登場する「ヒョウカワ」に憧れている。川で溺れかけている猫を助けようとして流されてしまう。
立花熊蔵
ゴーゴーバンチvol.03に収録されている話に登場。年配男性。本人は死因について恥じているようで「事故」としか言わず『あ────…』と口籠るだけで、そのため各部署にたらい回しにされる。
おチビちゃん
荻野泉水とタカの二人の間に出来た子供だが、38週目で常位胎盤早期剥離で死産になってしまった。
築本直太郎
風俗店で吉原佐音に殺害された整体師。
尾ヶ崎秀哉
インフルエンザで死亡した少年。
甲斐亜生子
介護士。
甲斐ふく子
亜生子の母。言語障害と認知症の症状がある。猫好き。
明智磨美
元舞台女優で俳優の蔵沢達也の娘を育てた母親。
上田都築
列車に轢かれて自殺した会社員。
小見温恵
引き蘢りの息子を持つ保険外交員。
会田杏
SNSでダイエットをしていた。過度に痩せすぎた。
興梠勳子
顔に模様がある老婆。
平野思呉
壁にスプレーで落書きをしていた男。正義マンな連続殺人鬼・吉沢佐駆真に刺されて殺された。
清水紅葉
電車に乗る妊婦への嫌味を言っていた女子高生。吉沢に首を絞められ殺された。
矢野研太
スマホゲー中にタバコのポイ捨てをした男。吉沢に鈍器で殴られ殺された。
坂東一早
裁判傍聴が趣味の男性。ひったくりをした後に事故に遭う。
猪俣
足の不自由な中年男性。小学生時代の恩師についてシ村に尋ねる。
中島詩
別次元に行って宇宙人に会おうと、友人の海野智柚美と心中を図った少女。
比護亜季保
生活保護受給者。病気で就活がうまくいかなかった。なお死因は心労の末に風呂で眠ってしまったことによる溺死。
福原潤矢
まだ言葉もしゃべれない幼児。継父のDVによって死亡。
金子行亮
肺炎死の老人。冤罪で刑務所に入れられた。
犬飼爽朝
幼い頃から寝たきりだった少女。死後、歩けるようになったことからシ役所内でやりたかったことを実行していく。
海宝菜苗
お笑いコンビ「ヘンジンカタギ」のホウタの妻。産後うつに悩まされた末に自殺。
展慕、和夢、華音
身勝手で自己中心的な若者4人組のうちの3人。交通事故により死亡したが、死後も自己中極まりない言動で罪を擦り付け合い、生き残りの華音の弟・兎之共々シ村から「屑」と切り捨てられる。
牧田園絵
ベテラン助産師。上記の4人組が起こした事故に巻き込まれる形で死亡。
駒形真名人
27歳の時にくも膜下出血で倒れて以来、45歳で亡くなるまで18年もの間植物状態だった男性。
同性愛者で彼氏がいた。
城戸徳夫
剃り込みに憧れていた老人ホーム暮らしの男性。生きていたら職員に剃り込みを入れてもらう予定だったが、その前に亡くなった。
大須賀時和、七島俊美
約20歳差カップルだった。
七島の方から別れを告げられた大須賀だったが、諦めきれず七島のアパートの屋根裏に住み始める。
豊田啓五
厳格で正義感が強い性格の警察官。浪人生の息子が当て逃げ事件を起こしてしまい、責任感の強さからひき逃げ事件が解決し次第退職することを決意する。が、その矢先の交通整理で事故死。
高尾彼方
豊田が最後の事件として解決しようとしていたひき逃げ事件の被害者で3歳の少年。
藤原ぬい
チェロ奏者の老婆で若い頃は楽団に所属していた。
大学生の孫・明日香とのセッション動画が人気だった。
堂場文夫
DVで離婚して15年後、息子の手により滅多刺しにされて殺された。
死後も妻を悪者扱いする態度を取っていたため、ハシ本やシ村から陰で軽蔑されていた。
船田朱果
自分を殺してくれる人を探していた家出少女で牛尾崇の実妹。
勝又周子
20年に及ぶ闘病生活の末、自殺(本人曰く「選択死」)した女性。
少し前に亡くなった夫とは交換日記をしあう程の仲だった。
青柳航大
詐欺で生計を立てる詐欺師。詐欺は高尚な犯罪であると自論を述べていたが…。
菅沢峰子
猫探しをしていた女性。探している最中に交通事故に遭い、亡くなった。
森田椋
死後の世界に興味を持ち、自殺をした男性。
小平秋平
自称「イケメンで通っている」アートディレクター。
束縛の激しい元彼女が雇った復讐代行の手により撲殺された。
長谷光明
親友の息子が演奏する曲を聴きたいがために交通事故に遭った身体を押して帰宅し、翌日に亡くなってしまった男性。
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