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16式機動戦闘車の編集履歴

2024-03-02 11:37:21 バージョン

16式機動戦闘車

ひとろくしききどうせんとうしゃ

2016年に制式化された陸上自衛隊の装甲戦闘車両。

概要

16式機動戦闘車とは、2016年に陸上自衛隊で制式化された装輪装甲車。俗に言う装輪戦車である。

時速100キロ以上で走行可能な4軸8輪タイヤ式の装輪車体に、74式戦車と同等以上の火力を有する105mm戦車砲を搭載しており、高い火力と機動力を両立しているのが特徴。


開発・配備

2013年10月9日、神奈川県相模原市にある防衛省技術研究本部陸上装備研究所にて報道陣向けに実車が公開された。開発完了は2015年、部隊配備開始は2016年以降を予定している。

そして2016年3月、香川県の善通寺駐屯地にある第14旅団第15普通科連隊の連隊本部に即応機動連隊準備隊が設置され、完熟訓練用に配備された96式装輪装甲車B型(12.7㎜重機関銃M2を搭載した方)と共に「16式機動戦闘車」として先行配備が開始された。


26中期防(平26~平30)において99両を調達し、平成35年までに約200両から300両を調達する予定。

これは同中期防衛力整備計画において戦車定数を削減して本州から戦車部隊を廃止し、北海道と九州に集中配備させ、本州・四国に本車を配備する方針であることが記された。

……と言うことは、(当然ながら)機動戦闘車は「戦車」の定数には含まれないということになる。分類としては「装甲戦闘車両」に含まれる。


しかし96式装輪装甲車が18年間で約360両(年間10~30両。尚も調達継続中)、82式指揮通信車が18年間で約230両(採用直後を除き年間10~20両。こちらは調達終了)、87式偵察警戒車は27年間で約110両(採用直後を除き年間1~3両。調達継続中)と言う調達速度を考えれば、5年で200~300両と言うのは単純に年間40~60両を調達する計画。一体どこにそんな予算があるのかはわからない。

もしかしたら予算執行の関係上、減るかもしれない……



開発においては将来装輪戦闘車両や10式戦車で得られた技術をフィードバックして行われている。



見た目は96式装輪装甲車に10式戦車の砲塔を乗っけたように見える。(あくまで見た目は、の話。)

16式機動戦闘車

量産型と試作型では砲塔形状に多少の差異がある(上の画像は量産型、メイン画像は試作型)。



能力

火力

主砲は105mmのライフル砲を装備する。

これは74式戦車の弾薬を転用する為であるが、砲自体は新規開発の国産砲であり、砲身長も74式の51口径に比べて1口径分延長された52口径である。

因みに戦闘室(特に砲塔内部)レイアウトの関係上自動装填装置は搭載されていない。


また、本車用に74式戦車で使われていた対戦車榴弾「91式105mm多目的対戦車りゅう弾(特てん弾)」と「93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)」が調達されている為、対戦車戦闘能力を保有する。お前MBTじゃないよな…?

更に反動制御技術や火器管制装置は10式戦車の技術が流用されており、後述の射撃安定性に繋がっている。


一般にこういった車両は戦車よりも大幅に軽量で(本車両は約26トン、10式戦車が約44トン。10式も戦車の中ではだいぶ軽い方。)、軟らかいタイヤにより接地している為、射撃時には不安定となる。

しかし防衛省が公開したこの動画では、最も不安定な行進間側方射撃においても動揺が比較的少なく、高い安定性を持っていることが窺える。


また、個人が編集した動画で諸外国の同様な装甲戦闘車両の比較動画が存在するが、比較対象の車両の中では発砲時の動揺が小さい部類に入っている。

それに、これらの動画において機動戦闘車が行っているのは最も難易度が高い「スラローム射撃」。それでこの程度の動揺なのだから恐れ入る。他の類似車両が行っているのは「前方へ向けての行進間射撃」や「停止時の側方射撃」、「静止時の前方射撃」で、物によっては静止時の前方射撃においてもかなり動揺している。このことから機動戦闘車に使われている反動制御技術はかなりの性能を有していることになる。反動どこ行った?


10式の技術がフィードバックされている為なのか何なのか、「反動」と「慣性」の殆どをどこかに落っことしてきたかのような反動である。


防御力

具体的な防御力は不明だが、装輪装甲車である事から極端に高い防御力は無いと思われる。

歩兵携行式対装甲火器(無反動砲とか対戦車ミサイル)に対しての抗甚性はあるとされているが、車体下部のサスペンションや駆動系統に防御はされておらず地雷や即席爆発物(IED)に対しては脆弱性を危惧されている。


もっとも、IEDは爆薬の量や構造によってはTUSKを装着したM1エイブラムスといった戦車MRAP(耐地雷・伏撃防護車両)ですら耐え切れないものもあり、すべてのIEDに耐えるなど不可能であること、大型化・重量増をしているMRAPのようにIED対策のために他の性能を犠牲にする必要がある、日本国内では戦後のイラク等と違い調達が難しい強力な爆弾を使用したIEDを仕掛けるのは難しい、といった事から国内で展開のみであればIED対策に関しては不要といった考えもある。

南アフリカ製を含めた他国の耐地雷構造を持つ装輪装甲車には意図して駆動系を露出させている機種もあり、壊れやすい部分は最初から耐える構造とすることを諦めて地雷等で破壊されても交換修理を容易にし、コストや重量の増加を抑えている車両もある。


車体も車体底部は高さは取っているものの、底部は平らなままでNATO STANAG基準の防御力ははあるものの、高い防御力は持っていないと推測される。

下方からの爆圧を逃すV字型車体は効果を最大に活かすには急角度の底とする必要がある為、MRAPのように車高を非常に高くする必要がある事から重心が高くなって横転しやすくなり、安定性を必要とする(105mm砲を乗せる)機動戦闘車とのコンセプトとも合わない。

MRAPでも問題となっているが、悪路での走破性の低下も起きてしまい、最悪は舗装路のように整った路面しか走れないとなってしまう。

背が高くなるということは被弾面積が増えてしまうということも考えなくてはならない。


レーザー誘導式ミサイルに対する防御の為のレーザー検知器や発煙弾発射器も装備されている。


機動力

4軸8輪のタイヤにより、舗装路を最高時速100キロメートルで走行できるが、一方で不整地走破能力は装輪式故に低い。

しかし装輪戦闘車開発において「路外走行時の動揺制御技術」が研究されている為路外機動性克服にある程度の目処が付いた為とされている。


戦略機動性に関しては(役所に届け出をした上で)高速道路をそのまま走行可能なので、日本国内なら高速道路を経由してすぐにどこへでも展開できる。また、航空自衛隊C-2輸送機に乗せて空輸することも可能。


派生型

本車のコンポーネントを流用した車体をベースに共通戦術装輪車と呼ばれる装甲車ファミリーが開発されており、歩兵戦闘車型、機動迫撃砲型、偵察戦闘車型などが配備予定。いずれも16式機動戦闘車と同じ、全国の即応機動連隊などに配備される。


また、過去に開発元の三菱重工が16式機動戦闘車をベースとした「MAV(機動装甲車)」を開発し、96式装輪装甲車の後継として提案していたが、防衛省フィンランドパトリアAMVを採用したため、不採用に終わった。


関連イラスト

機動戦闘車


そして早速――

機動戦闘車 擬人化


関連タグ

陸上自衛隊 装輪戦車 装輪装甲車

シン・ゴジラ(東京防衛戦「タバ作戦」にて10式戦車と共に投入されたが、結果はお約束の通りである)

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