「昔の飯塚高史は等々力渓谷の何処かにあるほこらに封印したんだ！よーく覚えとけ！」(本人談)
プロフィール
概要
得意技は後に魔性と呼ばれるようになったスリーパーホールドやアイアンフィンガー・フロム・ヘル（鉄製のグローブを嵌めての地獄突き)他。
かつては馳浩とサンボ修行で会得した裏投げとブリザードスープレックス（裏投げとフィッシャーマンズスープレックスを併せたオリジナル・ホールド。投げっぱなし式をブリザードと呼ぶが秋山準のエクスプロイダーと同形）、サンボ仕込みの関節技も使用していたが封印。
1993年・野上とともに 『J・J・JACKS』 というユニットを結成するも、本人の性格の地味さや自己アピールの乏しさもあって、以後は中堅のポジションに甘んじるようになった。
（因みに J・J・JACKSは1996年解散）
2000年1月4日、橋本真也と組んで小川直也、村上和成組を迎え撃ったタッグマッチでは、村上をスリーパーホールドで締め落として勝ちを収めた、この一戦がきっかけでブレイクする。
同年7月初の『IWGPヘビー級王座』挑戦や『G1タッグリーグ戦』では永田裕志と組んで初優勝、また同年のプロレス大賞では技能賞受賞と、2000年は飯塚が最も輝いた年となった。
しかし2001年、全日本プロレスとの対抗戦で長井満也の放ったキックにより負傷し長期欠場、翌年復帰。
その飯塚を長期欠場に追いやった長井は後に全日本を退団、星野勘太郎が総裁を務めるプロレス結社、『魔界倶楽部』の刺客 魔界5号として飯塚の前に再び立ちはだかった。
2003年1月4日の東京ドームでの一戦から長井との抗争が勃発。その後三番勝負で2勝1敗と勝ち越し、約2年に亘る因縁に決着をつけた。
2008年ヒール軍団『G・B・H』勢に痛めつけられた天山広吉を救出したことからタッグを組む。
身を挺して『G・B・H』のパイプ椅子攻撃から天山を守り、天山の誕生日を祝ったりと“友情タッグ”として注目された。
しかし、その友情タッグは長く続かず、飯塚の“変貌”により突然終わりを告げる。
ヒール転向
2008年4月27日、同タッグで真壁刀義、矢野通組が保持する『IWGPタッグ王座』に挑戦。
試合中、リング外で飯塚へ対し真壁が口論を仕掛けたりする不穏な空気の中、試合が進行。
試合後半、血まみれの天山がタッチを求めるも、飯塚はこれを一歩下がりリング下へ降りて拒否。
ついには天山をスリーパーで締め上げて王者組に加担、試合後もパイプ椅子やストンピングで天山を痛めつけた。
「”ヒール”飯塚」誕生の瞬間だった。
（このヒールターンの前日、真壁が「今のままじゃお前に未来はないぞ」と、飯塚に寝返りを促す電話をしていたことが、のちに真壁本人の証言によって明かされた）
その後、体は以前にも増してマッシブにビルドアップされ、頭は丸坊主、眉毛もなくなり、アゴヒゲは胸元まで伸び、口には鉄製のマウスピースをはめ込む等、凶々しい容姿へと変貌を遂げた。言語らしいものもほぼ発さなくなり、以降は叫び声や咆哮のようなものだけになる。
そして、ヒール飯塚を象徴する技『アイアンフィンガー・フロム・ヘル』を使い始めたのもこの頃である。
それまでは寡黙ながら気さくな印象がある一方で、とある新日関係者からは「意外とクールで冷たいヤツ」「ダーティーな本性を現した飯塚こそ本当の飯塚」との証言も流れていたという。
正統派レスリング（スープレックスや関節技）は得意技のスリーパーホールドを除いてヒールターン後はほぼしなくなり、殴る、蹴る、ストンピング、ペディグリー、顔面掻き毟り、噛み付き、タッチロープ等を使用しての首絞め、急所攻撃、足引き、場外乱闘、椅子攻撃、凶器攻撃、等でレスリングを展開。
中でも前述の『アイアンフィンガー・フロム・ヘル』は象徴的な凶器であるが、レフェリーに使用が見つかると1発で反則負けになる上、隙を突かれ相手に返されてしまう事もある。
真壁曰く、サブミッションなどレスリング技術は変わらず高いものを持っているがあえて封印しヒールに徹しているとの事。
以降は上記の『G・B・H』から分裂してできたユニット『CHAOS（ケイオス）』に所属して、矢野とタッグを組んだりしていたが、2014年5月25日横浜アリーナ大会で、矢野を裏切り、鈴木みのる率いる『鈴木軍』に電撃加入。
デスマッチを敢行する、入場時には観客席を荒らし回る、ついでに実況席も襲う（後述）等、日々その狂乱ぶりを発揮していた。
しかし2019年1月7日に、突然の引退が報じられる。
引退
「会社の陰謀だ。言葉を喋れない飯塚に引退宣言などできるわけがない（タイチ）」
「人間社会に適応できない今の状態のまま、飯塚を引退させてはいけない（ミラノコレクションA.T.）」
など、様々な反応が飛び交う中、遂に2月21日に引退記念大会が開催。
友情タッグ復活を願う天山との試合後、苦悩の末リング上で一時は握手を交わしたものの、その直後に抱擁しようとした天山へ対し、頭へ噛み付き、ストンピング、パイプ椅子攻撃を次々と浴びせ、最後にアイアンフィンガー・フロム・ヘルを喉元へ容赦なく見舞った。
タッグを組んだタイチからの「本当に引退するのか？最後くらいてめーの口ではっきり言え！」とのマイクアピールへも答える素振りすら見せず、鈴木みのるが10カウントゴングを乱打する中、飯塚は観客席を荒らしながら去っていった。
最後まで無言でその狂乱ぶりを貫き、リング上にアイアンフィンガー・フロム・ヘルを残し、怨念坊主のまま飯塚はリングを後にした。
なお、冒頭に記した本人談による等々力渓谷のほこらは、2019年2月現在においても、未だ発見されていない。
飯塚の良心を取り戻そうとした天山、および先んじてその良心を壊してやろうと目論んだタイチが、引退試合ギリギリまで探し当てようとしていたのだが、結局見つかることはなかった。
リングに残されたアイアンフィンガー・フロム・ヘルは、未だ引退の意思を信じていないタイチが預かっており、「いつかまた乱入してきた時のために」と試合会場へ持ち込み、折に触れて使用している。
2021年には、この鋼鉄の爪を巡る抗争劇が、タイチとタマ・トンガの間で勃発。両陣営の選手やIWGPタッグのタイトルも絡んで激化する様を見かねた団体が没収し、封印権をかけたラダーマッチ（団体としては約5年ぶり）へと発展するなど、ある種のキーアイテムとなった（戦いはタイチの勝利）。
一夜限りの復活
2024年1月4日のニュージャパンランボーにて、突如乱入者として復活を果たした。
引退から結構な時間が経っているのにもかかわらずバッキバキの肉体をしており、一つ前に乱入した矢野通や石森太二らを頭部への噛みつきで退け、HOTの勧誘も拒否し暴れまわるもリングアウトでダウンした。
その後、後述するお決まりの野上アナへの襲撃を行い、ワイシャツを引き千切りいずこかへと去っていった。
※尚、この時実況を行っていた野上アナは彼の入場曲が聞こえた時点で飯塚より先にワイプに抜かれる程狼狽していた。
野上アナとの抗争
2010年8月8日、新日プロ真夏の祭典G1 CLIMAXの中で実況席にいたテレビ朝日の野上慎平アナウンサーが突如飯塚に襲撃されたことから始まり、以降、飯塚は事あるごとに実況中の野上アナを襲っては、衣服を引き裂く（半裸にネクタイの状態が殆どお約束となった）他、後楽園ホールのシャワー室に連れて行きずぶ濡れにする、さらに、両手を後ろに拘束してカラースプレーで顔にドラえもんやオバQのペインティングをする等、今日に至る長き抗争が繰り広げられていった。
2008年頃から既に控室で襲撃されていたそうで、見かねた永田裕志ら「青義軍」メンバーと「特訓」を行い、「野上“ジャスティス”慎平」として実況を行うようになった。
（ちなみに実況の際ネクタイとYシャツの下に着るTシャツを青色で揃えるようになったのもこれがきっかけである。）
さらに、飯塚による野上アナ襲撃はプロレス会場以外にも……
【東スポ・プロレス大賞2011】テレビ朝日・野上慎平アナ襲撃ノーカット版
この襲撃に関しては本当に知らなかったらしく、奥様に本気で心配されたとか。
鈴木軍に移籍したのを境に野上アナを襲撃することはしなくなった（2015年～16年は鈴木軍の活動の中心がプロレスリング・ノアだったため、新日で活動しなかったためと思われる。2017年1月5日の新日本の大会に軍団総出で登場し新日での活動を再開したため、また襲われる可能性が出てきた）が、今度は「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成し傍若無人に暴れ回る内藤哲也が実況席につっかかってくるようになった。
そして飯塚の引退試合では、再び野上アナが実況席につき、案の定襲撃を受けることになる。
野上アナ本人も「飯塚が大嫌いだし、嫌な思い出しか思い出せない」と語っていたのだが、立ち去る飯塚の背を見送った彼の目には、大粒の涙が浮かんでいた。
出現情報
選手としては引退しているが、ももいろクローバーZの番組や舞台に現れてメンバーを襲撃したり、ライブに「新日本プロレス 飯塚高史」として花を贈る等していることから、新日本プロレスの中に存在はしているらしい。
え？あのキャラクターなのにおとなしく番組出たり花贈ったりするってどういうことって？その辺はプロレスなので。
2022年2月、東京ドームシティGalley Aamoにて開催されたシンニチイズムイベントの閉館後、
薄暗い館内に飯塚に酷似した男（スキンヘッド姿、異様に伸びたアゴヒゲ、口枷を装着）が侵入。
雄叫びをあげながら展示されていたアイアンフィンガーを強奪しようとする映像が公開された。
アイアンフィンガーには封印・結界が施されており、男が近づく事はできず幸いにも無事だった。
この件はアイアンフィンガーの生霊・地縛霊などとも言われているが真相は不明である。
衝撃動画
2009年11月1日 後楽園 試合終了後 飯塚高史 襲撃
2022年2月12日 展示イベント アイアンフィンガー強奪未遂
外部リンク
新日本プロレス公式サイト内 選手プロフィール 飯塚高史（リンク切れ）
