概要
当時の地球理事国側はプラントに対し厳しい搾取を課しており、食糧生産の禁止もその一環であった。
この為プラントの食糧は地球からの輸入に頼っていたのだが、地球からの独立の気運が高まるプラントは無許可で農業コロニー建造に着手。それがこのユニウスセブンである。
ユニウスセブンの完成によってプラントは食糧生産が可能になった。
詳細な描写はあまり無いが、少なくとも牧場らしきものが確認できる。
また、パトリック・ザラの妻でアスラン・ザラの母レノア・ザラが居住していた。
しかし、自分達に無許可で農業コロニーを建造したという事実に怒りに駆られた地球連合軍は制裁を加えるべくC.E.70年2月14日、ユニウスセブンに向かって艦隊を出動。
アガメムノン級宇宙母艦ルーズベルトに乗艦していたブルーコスモス派の将校(漫画『Re:』ではウィリアム・サザーランド)が独断で一発の核ミサイルを発射。
直撃を受けたユニウスセブンはひとたまりもなく崩壊し、24万3721名もの犠牲者をだす大惨事と成った。
これが『SEED』における「血のバレンタイン」事件である。
この事件がきっかけで地球・プラント間は本格的武力衝突へと発展。
家族や親しい人を亡くしたコーディネイターは非常に多く、ナチュラルへの憎悪を募らせる者が多かった。
パトリックもまた妻を失ったことでナチュラルへの憎悪に駆られ、やがてナチュラル殲滅と言う過激思想に走るきっかけとなった。
開戦後も、プラント側はラクス・クライン率いる追悼慰霊団を派遣して犠牲者の慰霊を行っていた。
本編での登場
機動戦士ガンダムSEED
緊急事態からヘリオポリスを脱出した補給もままならないアークエンジェルは、艦内の水不足に陥っていた為、付近を通っていたユニウスセブン内の氷から水分補給することを提案する。
この時クルー達が立ち寄った崩壊したユニウスセブンは、宇宙に漂う残骸となり内部は水は凍りつき、シェルターに逃げようとして間に合わなかった住人の遺体が綺麗な状態で残されているほか空気が無くなる前に自殺しようと、互いに刺し合った死体もあった。
しかしたまたま追悼慰霊団もユニウスセブンを立ち寄っていたことからそれを探しに来たユン・ロー隊のジン長距離強行偵察複座型も付近を同行しており、AAクルーの乗るミストラルを攻撃。
キラ・ヤマトの乗るエールストライクガンダムにジンは撃墜されたが、ジンが回収するはずだったラクスのポッドをAA勢は拾う事と成ってしまった。
主戦場から離れていたことや100年単位で安定周回軌道にあるという事から、ユニウスセブンの残骸が戦闘に巻き込まれる事は殆ど無かった。
やがて第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を以って長く続いた戦争も遂に終結。
C.E.72年3月10日に地球とプラントはユニウス条約を締結。残骸が調印式の場と成った。
しかし…
機動戦士ガンダムSEEDDESTINY
C.E.73年10月3日、現在の穏健派によるプラント評議会を不服とし、地球との戦争継続を訴えるザフト脱走兵サトーとその一味の手により、太陽フレアを利用した装置で周回軌道から外され、地球への落下コースを進み始めた。
残骸が不自然な動きをしていると知ったザフトは、近くにいたミネルバ隊とジュール隊を向かわせ、破砕を試みる。
しかし開戦を望むブルーコスモス盟主ロード・ジブリールの私兵ファントムペインとテロリストの妨害により爆破作業は難航。
予定より細かく砕けず、ミネルバ艦長タリア・グラディスは破砕が不十分と判断しミネルバはユニウスセブンに砲撃を加えながら共に地球に降下。しかし2発のタンホイザー攻撃も空しく巨大な残骸が地球に落着。
残骸の破片は世界各地に落下し、ありとあらゆる建物を吹き飛ばした。
この事件は「ブレイク・ザ・ワールド」と呼ばれ、地球各所に甚大な被害を及ぼした。
後の調査で事件の犯人がコーディネイターであると知ったナチュラルは当然怒りの矛先を彼らに向け、再び戦争が始まるきっかけと成ってしまっている。
一方で、オーブのトダカ一佐のようにミネルバの働きを「懸命に地球を救ってくれた艦」と恩を感じていた人物も少なからずいた。
この様にユニウスセブンは『ガンダムSEED』シリーズにおいて戦争のきっかけと成っている。
因みに同39話ではエターナルが上述したキラが撃墜したジンと同じ機種のジン長距離強行偵察複座型に居場所を補足され、ラクスの命が狙われる結果に繋がっている。
元々無印でラクスが無断でユニウスセブンに向かわなければ撃墜されずに済んだ強行偵察型ジンによって自分の命を狙われるとは何とも皮肉な話である。
ラクスはジンのパイロットの亡霊に祟られたのだろうか。