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完全版商法の編集履歴

2024-03-24 00:07:22 バージョン

完全版商法

かんぜんばんしょうほう

完全版商法とは既に発売されたゲームに要素を追加して売り出すことである。

概要

大体の場合顰蹙を買うことが多い販売商法の一つ。


簡単に説明すると、「既に完成品として販売されていた筈の商品に付加価値を加えることで新作商品として販売すること」である。

例えば新しいキャラクターを追加したり、新しいダンジョンを追加したり、ストーリーを追加したり、という追加要素は基本的に「既に買ってくれているユーザーに更に楽しんでもらうため」に行われるが、勿論それの開発費も決して0円では無い。

基本的には別料金が発生するものであり、既にオリジナル版を持っているユーザーに対する追加のサービスとしてアペンドディスクDLCなどで対応する場合が多く、新作を買うよりも安価に追加のサービスを受けられることが多い。


しかし、「完全版商法」とまで言われて非難される場合、大体このような対応はないメーカーを指すことが多い。


例えば以下の場合が「完全版商法」と言われやすい例である。(便宜上、元の作品を無印版、追加要素を加えた方を完全版と表記する)

①完全版の発売時期が無印版のそれと近い。

②完全版を買う以外の方法で発表された追加要素を無印版購入者であっても遊ぶことができない(DLC等の無印版購入者向けのサービスが無い)。

③完全版に追加された要素の量や質が新作一本分に匹敵する程の量や質ではない。

④別ハードへの移植作品に追加要素を足したものであっても、無印版のそれと発売時期が近すぎる。

⑤完全版の値段が無印版と比べて同等以上と高額。

⑥DLCを謳いながらも、同時販売された複数ハードでの作品なのに一部の作品でしかDLCを適用できない。


①と②はよく言われる例。

③はその追加要素の量や質が新作一本分以上に相当する程の量や質であった場合、新作に無印版の内容も入ってると認識されて受け入れられることもある。

④は開発期間を考えた場合、無印版発売時点でその追加要素分の開発も行われていたのではないか?と疑われる場合に完全版商法だと言われやすい。逆に無印版の方を「機能削減版」と揶揄されることもある。

⑤の値段については、もしも値段が安い廉価版として販売する場合や無印版購入者のみアペンドディスク並みの安値で購入できる権利が与えられるなどのサービスがあるような場合は完全版商法と言われることは少ない。

⑥は事実上の一部ハード版の切り捨てであり、追加要素で遊びたいならば適用できる方のハード版の購入を要求される。ゲーム機は高額商品であるため、通常の完全版商法よりも遥かに高額を支払わなければならないため、より悪質と言われることも。


要は楽して金儲けしようとしてる、費用対効果が合わない、などといったことから顰蹙を買いやすい商法である。


リメイクとの違い

リメイクとの違いは難しいが、大体の場合昔のゲームハードで発売されたものを今のゲームハードでプレイ出来るようにしたものをリメイク版という事が多い。


こちらは過去のゲームハードを入手することが困難であることからリメイクされることを歓迎される事も多い(とはいえ、リメイクが多すぎるとひんしゅくを買うが)。


また、移植にあたってハードや技術の進化に合わせたグラフィックの大幅進化や内容の見直し、追加要素の多さ等によっては完全版と言われないこともある。


生じた問題

ベスト版や廉価版とは異なり基本的に新しいソフトとして売り出すことが多く、既に同じソフトを持っているユーザーにとっては「また一本買わなければいけないのかよ」という出費を要請することになる。ハードをまたぐ「移植完全版」だとハードを持っていない場合、さらなる出費も……。

また、完全版が出るシリーズと認知されると「完全版が出るの待とう」となって無印版の売上が下がり、先細りする要因になりかねない。

下手すれば無印版があまりに売れないためにそのままシリーズが終了してしまうおそれすらある。


一方で新規ユーザーにとっては完全版を購入することで全てプレイ出来るためお得である。


更に、オリジナル版の発売から1年未満で完全版を出す作品も存在し、ユーザーにとって完全版商法はあまり好ましくなくメーカーから金づるだと思われていると感じても致し方ない。


またこの商法のあり方は、所謂乞食と呼ばれる輩の増加に拍車をかける事にも繋がっており、昨今ではたとえそれがファーストタイトルであろうとも、Twitter等で他会社のハードへの完全版を望んだり、酷い時には開発会社や開発者のアカウントに対して完全版を物乞いする輩まで存在する(一例)。


行きすぎた乞食は自分勝手で勿論非難されるべき行為であろうが、詰まるところ新作を出したとしても「どうせすぐにこれの完全版を出す」というユーザーからメーカーに対する信用が崩壊した証でもあり、一概にその乞食のみが悪いとは言い難い。

結局はユーザーを大事にした商売をした堅実な会社は非難されないということである。


代表的な完全版商法の作品

シリーズ


単体


逆の例

  • 星のカービィスターアライズ…発売後に複数のDLCを出すことで、歴代のラスボスキャラを含めた人気キャラ達の多数追加プレイアブル化や完全新モード追加等の追加要素を多数出したもののその全てを無料で行ったため、「金を払わせてくれ」「振り込めない詐欺」と逆にユーザーに言わしめた稀有な作品。

日本ファルコムの完全版商法

近年となってこのメーカーも完全版商法が増えてきているが、他のメーカーとはかなり異質を放っている(なお、2000年前後から既に「イース完全版」等を乱発しており、PCゲーマーにとってはコーエーと双璧の「商法」メーカーである)。


オリジナル版が2016年に発売されたイースVIII-Lacrimosa of DANA-オリジナル版の発売前の時点で既に完全版の告知がされると言う完全版商法としては異例のケースだったが、無印版のDLCは収録されないどころか配信すら一切なかった。因みにこのケースが起きた背景には、元々はクロスプラットフォームで開発していた所、後に完全版で出すハードの開発が難航した為であり、オリジナル版の事を公式は先行発売版と称している。


後にSwitch版にも完全版仕様で且つ上記のオリジナル版と完全版のDLCが収録された本当の意味で完全版が発売される事になるが、Switch版はそもそも移植メーカーがそのままパブリッシャとして発売する事になっており、Switch版においてファルコムは一切口出しをしていない模様。元々ファルコムはSwitchでの開発には消極的でファルコム側が企画した物ではない為、パブリッシャとして発売するつもりもないものと思われる。


オリジナル版が2015年に発売され、約一年後に完全版が発売された東亰ザナドゥは日本でこそ間隔を空けての発売だったが、海外版ではオリジナル版と完全版の同時発売と言う、またまた異例のケースが起きた。


余談

バンダイナムコゲームスのテイルズオブシリーズには完全商法が多くDLCを買わせる商法+完全版商法をあわせてバンナム商法と呼ばれる事もある。


関連タグ

バンダイナムコゲームス ゲーム テイルズオブシリーズ

完全版 猛将伝 リメイク マイナーチェンジ


分割商法…後から追加要素を付けて出す新作として販売する完全版商法とは異なり、当初から一つの作品の内容を複数に分割して販売する場合

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