バイアリーターク
ばいありーたーく
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データ
性別 | 牡 |
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生没年 | 1679頃-1705 |
毛色 | 黒鹿毛 |
概要
17世紀後半に存在したアラブ種の種牡馬。
タークはトルコの意味でオスマン帝国出身とされる本馬を表している。
現存のサラブレッドの血統を記録の残る限り、「父の父そのまた父」というふうに遡っていくと必ずたどり着く3頭の種牡馬。その1頭が本馬となる。
バイアリータークのルーツについては残る文献はかなり少なく、一説ではトルコのオスマン帝国の軍馬であったという。
イギリスとオスマン帝国の間に起こった「ブダペストの戦い」の際、イギリス第6近衛竜騎兵隊のロバート・バイアリー大尉が敗走するトルコ軍から奪い取ったと言われている。
以後はバイアリーの乗騎となり、彼とともに死地に赴いた。残っている逸話の中にはバイアリーが敵に包囲されてしまい、万事休すかとなったところをバイアリータークの機動力で包囲網を突破し、難を逃れたという話も残っている。
軍馬としての役目を果たしたあとは競走馬に転身し、残っている記録では1戦を戦って勝ったとされている。
その後は種牡馬に入り子孫を残そうとするものの、集まった繁殖牝馬の質が悪く、子孫は残せないかに思われていた。しかし、玄孫の代からヘロドが生まれ、その子であるハイフライヤーが活躍し、一大勢力を築く事に成功した。いわば黎明期の主流というべきか。
しかし、トウルビヨン以降は徐々にダーレーアラビアン系の勢いに押され始め、子孫のサイアーラインがなかなか伸びず、現在は存続は風前の灯となっている様相である。
日本においては、戦後すぐにはトキノミノル、ボストニアン、ダイナナホウシユウといったザテトラーク系の馬が活躍、昭和後期から平成初期にかけてシンボリルドルフ、サクラスターオー、トウカイテイオー、メジロマックイーン、ダイタクヘリオスといった名馬を輩出し繁栄してきたが、現在ではサンデーサイレンス系などの勢いに押され、2023年現在日本におけるバイアリーターク系の種牡馬はギンザグリングラスとクワイトファインのわずか2頭のみとなり、更に同年12月22日にギンザグリングラスが死去したことで日本で供用されているバイアリーターク系種牡馬はクワイトファインただ1頭のみとなった。果たして復権を担う名馬の誕生はなるのだろうか…?
遺伝的な影響を示す遺伝子プールでの割合も3.3%と決して多くなく早く滅んでもおかしくはなかった。
ヘロド系が栄えた故に血の閉塞を起こした事も影響していると思われる。
今はなきルビーメアやカーウェンズベイバルブの2頭より影響がない事も判明しているが、直系曾孫のヘロドはサラブレッドの遺伝子プールでの割合で全体1位となる18.3%を占めるなどサラブレッドの形成に当たって非常に大きな影響を及ぼしている。
その他直系子孫のザテトラークの娘であるムムタズマハルはナスルーラやロイヤルチャージャー、マームードを出しマームードはノーザンダンサーとヘイローの祖母であるアルマームードの父となっており、バイアリーターク自身の遺伝子的には影響が少ないが子孫を通じて後世に与えた影響は大きいと言える。
また最近の遺伝子研究で、ダーレーアラビアン系だと思われていたあのセントサイモンが実はバイアリーターク系である可能性が濃厚となっており、その場合さらに子孫の影響力は大きいことになる。