「悠久の先…貴様を討つ者が必ず現れる
退魔の剣を持つ剣士…リンク この名を忘れるな」
CV:各務立基
概要
前作『ブレスオブザワイルド』でも度々語られていた謎多き種族「ゾナウ族」の青年。
独特な民族衣装を身に纏った長い耳が特徴の黒い羊の獣人を思わせる姿をしており、髪の毛を脚まで伸ばしている。
実は額にも第三の眼があり、何かの術を使う時や感情的になった時にそれが見開かれる。
厄災終結から数年後、リンクとゼルダが地下から謎の毒気が溢れるようになったハイラル城地下の調査に赴いた際、その地下空間に建てられていた神殿の遺跡内で遭遇した正体不明のミイラ状態の男に襲われ、彼の放った邪気によって持っていたマスターソードごと自身の片腕の機能を破壊された挙句、その男が引き起こした崩落に巻き込まれてあわや命を落としかけたリンクを助け出した不思議な一本の腕の主。
リンクを天空に浮かぶ巨大な空島まで移送し、ミイラ男の邪気の影響で使い物にならなくなっていたリンクの右腕とその腕を一体化させてもう一度動かせるようにした後、空島にある時の神殿前にて霊体の姿(リンクに渡した右腕のみ一際青白く光っている)でリンクの前に現れてその右腕に込められた能力を発現するために空島各地にある破魔の祠を回るように助言する。
その勧めに従ったリンクの空島巡りの道中においても度々姿を見せてはリンクにかつての自分たちの文化や空島でいまだに働き続けているゾナウゴーレムについて語ってくれる。
リンクが右腕の能力の一部を開放し、空島から地上に戻る道への扉を開くと、なぜかハイラル城崩壊の際にどこかに消えてしまったはずゼルダの事を昔から知っているかのような素振りを見せ、リンクに何か彼女の事を託すような言葉を残して消え去った。
正体
彼こそ伝承にも名前が残されているハイラル王国初代国王その人。
数万年前に姉のミネルと共に天空から地上に降り立つと、元よりこの土地に住んでいた巫女のソニアに一族に伝わる秘宝である「秘石」の一つを与え、各地の「邪」を祓い破魔の祠を建立した。
その後彼女を自身の妻として娶り、「始まりの台地」にてハイラル王国の樹立を宣言。その初代国王としてハイラル全土を統治するようになった。
人物
基本的に思慮深く落ち着いた性格の持ち主で、何よりも民や国の事を第一に考える責任感に溢れた紛れもない名君。
それでいて気さくで親しみのある人柄でもあり、困っている者への助力は惜しまない。
かと思いきや割と自由奔放な所もあったらしく、よく公務を放り出して勝手に狩りに行こうとしてはその度にソニアに連れ戻されていたと言われている。
本編の顛末
現代から遥か太古の彼の治世の時代、どこからともなく自分たちの前に現れたゼルダという少女を保護し、今より遠い未来からやってきた自分の子孫だと主張する彼女の言葉を信じて妻のソニアや姉のミネルと共にゼルダを元の時代に戻すための方法を探っていた。
そんな矢先、ハイラル南西のゲルド砂漠に生息しているはずのモルドラジークの大群がハイラル王国を襲撃するという事件が発生。これはソニアとゼルダの支援を受けたラウルの活躍により被害が出る前に鎮圧されたものの、それからすぐにそのゲルド砂漠を領土とするゲルドの民の支配者であるガノンドロフなる男がラウルの下に現れ、彼よりゲルドもハイラルの傘下に加えて欲しいとの申し入れが為される。その際の彼の態度と言動からガノンドロフが何かしらの思惑を持って自分に近づいた事には気づいていたが、この時は彼の動向を注視するためにあえて向こうの要求を受け入れることにした。
しかし、ガノンドロフはそんなラウルの隙を突いてソニアを暗殺して彼女の持っていた秘石を強奪、すぐに現場に駆け付けるも時すでに遅く、ガノンドロフはその秘石の力を取り込んで魔王と化し、そうして得た能力で召喚した魔物の軍勢を率いてハイラル全土への侵略を開始する。
ソニアの埋葬を済ませた後、ラウルはゾーラ族、リト族、ゴロン族、そしてゲルド族の有力者にも秘石を供与、彼ら6人の賢者と共にガノンドロフに対して最後の決戦を挑むも、この時のガノンドロフの戦闘能力は想定以上の圧倒的なものであり、ラウルと賢者達は為す術もなく全滅寸前まで追い詰められてしまう。
意を決したラウルは賢者達が作った僅かな隙でガノンドロフの懐に飛び込んで自身の全魔力を込めた破魔の封印術をかけ、己の命と引き換えにする形でガノンドロフの動きを完全に封じ込める。
この封印はいつか解けてしまう限定的なものだということは分かっていたが、かねてよりゼルダから聞かされていたガノンドロフが復活する時代にいる“退魔の剣(=マスターソード)を持つ英雄リンク”に全てを託しつつ絶命した。
それから数万年間封印しつつ溢れ出る瘴気を浄化し続けていたが、厄災の影響で要石たるハイラル城が崩壊したことで封印が緩み、漏れ出る瘴気により蝕まれ始める。
ゲーム開始時点では既に肉体は完全に朽ち果て、ミイラ化してもなお生き永らえているガノンドロフを抑え込んでいた秘石の込められた右腕だけが残っている状態だったが、その封印の場に現代のゼルダとリンクが訪れた際にこの右腕も外れてしまい、過去にゼルダが自分に告げていた通りガノンドロフは復活してしまう。
だが、ラウルの精神もまたこの右腕の中に存在し続けており、蘇ったガノンドロフに襲われて死にかけたリンクを救出し、そしてリンクがガノンドロフ討伐を成し遂げると今度はソニアの魂と共に再びリンクの前に現れてリンクの右腕と龍と化していたゼルダの体を元に戻した後、ソニアと一緒に昇天していった。
能力
光(破魔)の力
秘石によって倍加された強大な光の力を持ち、神代から現代までガノンドロフを封印し続けていた。この力を攻撃や防御にも転用することもできる。
これは子孫であるゼルダにも受け継がれており、同時にソニアの時の力も受け継いでいることから彼女が自分たちの子孫であると確信している。
- 光線
地面を大規模に抉るほどの極太の光線を放つ。その威力は絶大かつ的確で、さらにゼルダとソニアの秘石のエネルギーを上乗せした際の勢いは数十体のモルドラジークの群れを軽く一蹴できるほど。これを見たガノンドロフは、力押しによるハイラルの支配ではなく、ラウルの臣下に下ることによって策謀を巡らせることとなる。
- 障壁
黄金に輝く紋章が描かれた光のバリアを展開する。
秘石によって倍加されたガノンドロフの闇の奔流をある程度の時間防ぎ切ることができる。
右腕の力
リンクの右腕に宿った以下の力は、モドレコを除き元々彼が持っていたゾナウとしてのもの。
唯一モドレコのみはゼルダから授かった能力であり、過去ではラウルではなくその妻であるソニアが披露している。
公式設定資料集『マスターワークス』によると、これら能力は光の力とは別物の、ゾナウマジックと称されるゾナウ族の特殊能力である。個人によって扱える能力が異なり、多様で強力な力を持つ者ほど高位の存在となるのではないかと推測されている。
様々なものを持ち上げたり、組み合わせたりする力。
周辺にあるオブジェクトを組み合わせることで足場を作ったり、乗り物を作ることができる。組み合わせ方は非常に自由度が高く、外したい時はレバガチャで取り外せる。
武器に様々なアイテムを組み合わせ、強くする力。
今作の武器は基本的に瘴気の影響で朽ちており、そのまま使っても話にならない。しかし、武器に様々なアイテムを組み合わせることで攻撃力を上げることができる。
弓矢の場合、矢に様々な素材を付けることで、その素材に対応した効果の矢を放つことができる。
天井に潜り、地上に出る力。
突き出た足場などで、天井に潜り込みそのまま地上に出ることができる。ただし、潜れる距離は限界があるので注意。
過去に作ったものを再現する力。
ウルトラハンドを使って作ったものをその場に再現できる。作ったことがないものでも設計図があれば作ることができる。
基本的に資材を用意してすぐに組み立てるというのが流れだが、必要な資材が手元になくてもゾナニウムがあれば再現が可能。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
階級は最高峰であるLEGENDでタイプはサポーター。
効果は全必殺ワザの威力が小アップ。コストは1。
期間限定イベントの間のみ入手できたが、2024年6月11日から通常入手できるようになった。
憑依先はブラックカラーのミュウツー。バトルは体力制。BGMは“厄災ガノン第二形態”。
最初はピット、リザードン、インクリング(男)、ルフレ(女)が登場。1人撃墜するごとにロボット(ジャイアント化)、ゼルダの順番で登場する。そしてトリにいよいよミュウツーとの一騎討ちとなる。
言うまでもなくティアーズオブザキングダムに登場する賢者たちを表現している。
余談
『時のオカリナ』にも同名の人物が登場しており、彼もまた光の賢者であるという点を考えると名前の由来である可能性が高い。そちらではハイラルの地に時の神殿を建造したとされている。
ちなみにこちらのラウルにも更に由来が存在し、『時のオカリナ』に登場する賢者たちは、インパ以外『リンクの冒険』に登場する街の名前から取られている。
ゲーム中のハイラルではハイラル城から見てやや北東の位置にラウル丘陵(およびラウル集落)と呼ばれる場所があり、これもおそらく彼の名前から取った地名と思われる。
初代ゼルダの伝説を原案とした小説黒き影の伯爵に同名の兵士が登場している。