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カンデラの編集履歴

2024-10-26 20:24:31 バージョン

カンデラ

かんでら

カンデラとは、 1. 所定方向における光度の量を表す単位。国際単位系の基本単位の1つ。本項で解説。 2. sho_soarによる初音ミクオリジナル曲。

概要

カンデラ (Candela) とは、所定方向における光度の量を表す単位の1つ。国際単位系における7つのSI基本単位の1つである。カンデラの記号はcdであると定められている。


名称カンデラ (Candela)
記号cd
単位系国際単位系
光度
現行定義 (概略)周波数540兆Hzの緑色の光が1m離れた距離で1m^2当たりに1W当たり683lmの明るさを与える光度
現行定義の発効日2019年5月20日
依存するSI基本単位smkg
依存されるSI基本単位無し
由来標準蝋燭1本の光度

定義

現行の定義

カンデラの定義は国際度量衡委員会によって定められている。4年に一度国際度量衡総会が行われ、必要があれば定義の見直しと改定が行われる。最新の定義は2018年11月16日に行われた第26回国際度量衡総会によって決議され、2019年5月20日より発行される以下の定義である。


  • カンデラ、記号cdは、所定方向における光度のSI単位である。それはlm W^-1と等しく、cd sr W^-1又はcd sr kg^-1 m^-2 s^3とも等しい表現で、キログラム、メートル、及び秒の定義はh、c、及びΔνCsとし、周波数540×10^12Hzの単色放射の発光効率Kcdを683と定める事によって決定される。

普段聞かないような用語の連続でかなり難しいが、各用語は以下のように対応している。

所定方向における光度任意の方向における明るさ
lm W^-1と等しく光の量の単位であるルーメン仕事率の単位であるワットの割り算。lm/Wと等しい。
cd sr W^-1球の半径の二乗と等しい球面の一部の面積の単位であるステラジアンとカンデラ及びワットの掛け算割り算。cd×sr/Wと等しい。
cd sr kg^-1 m^-2 s^3とも等しい表現cd×sr×s^3/kg/m^2と等しい。
周波数540×10^12Hzの単色放射この周波数の波は可視光で緑色に相当する。
発光効率エネルギー当たりの光度を意味する単位。
Kcdカンデラの定義を他の単位の定義に使用する際に使う記号。

つまり、厳密性を損なわずなるべく平易に言おうとすると、アンペアの定義は以下のようになる。


  • カンデラは世界共通に使われる、任意の方向における光度の単位である。記号はcdとする。面を通過する光の量の単位であるルーメンと、時間当たりのの単位であるワットを割り算した単位lm/Wをまず定義する。ルーメンはカンデラと、半径と等しい面積を持つ球面の一部を抜き出した曲面の面積を表すステラジアンを掛け算した物に等しく、仕事率は秒の3乗をキログラムとメートルの2乗で割った物にも等しいので、それぞれcd×sr/W及びcd×sr×s^3/kg/m^2とも等しい。キログラムの定義はプランク定数、メートルの定義は光速度、秒の定義は摂動の無い基底状態のセシウム133原子の超微細構造遷移周波数を用いる。詳しくはそれぞれの定義を参照せよ。lm/Wの単位で、波の1秒間の振動回数がぴったり540兆回に等しく、色としては緑色の光を基準とし、その発光するエネルギーの効率がぴったり683となった場合の明るさを1cdとする。この定義を他で使う際の記号はKcdとする。

厳密性を省き、もっと簡単に言うとこのようになる。


  • 1m離れた位置で1m^2の面積に1W当たり683lmの明るさとなる緑色の光を1cdとする。

カンデラは、の明るさを定義するその定義上、ヒトの感覚依存の単位である。ヒトの眼が捉えられる電磁波の範囲は可視光線であるが、可視光線の全てを眼が等しく感じている訳ではなく、色によって、電磁波から見れば波長によってその感じ方が異なる。ヒトの眼が明るい環境で最も光を効率よく感じ取れるのは、波長555nm、周波数540兆Hzの光である。これは色で言えば色に相当する。他の色は、同じエネルギーでは弱くしか感じない為、等しく感じる為にはよりエネルギーが必要である。カンデラは、ヒトの眼が最も感度良く感じられる波長に基準を置く事から始まっている。なお、波長によって異なる明るさの定義自体は国際単位系では定義されておらず、補足資料として他の機関が指定する標準比視感度を必要とすると記述されている。どの標準比視感度を使うかは指定されておらず、使用する際には何を使ったかを明記しなければならない。普通は国際照明委員会が定義した物や、それに準じて作成された各国の基準が使われる。


光子によって構成されており、放たれた光は距離が遠くなる毎に面積あたりに届く光子の数が少なくなる事から暗くなる。その比率は距離の2乗に等しい。明るさに偏りのない点から発せられた光は、全方向に同じ明るさを持つ球面を構成する事から、単位の定義にはステラジアンが登場する。そして最も感度の良い波長を基準に、必要な明るさを得るのに必要なエネルギーあたりで換算した物が発光効率である。683という中途半端な数字が出てくるのは、かつて使われていたカンデラの定義に合致させる為である。


キログラムの定義は秒とメートル、キログラムに依存する。逆にカンデラに依存して定義される基本単位は無い。


前回の定義

前回の定義は、1979年の第16回国際度量衡総会によって決議された。その内容は現行の定義と実質的な内容に差はないが、文言が異なっていた。現行の定義はこの定義をより厳密になるよう書き換えたものに相当する。大きく違う点は、現行の定義は光源の発光効率で定義されているが、前回の定義は放射を受ける面で受け取るエネルギーで定義されていた。


  • カンデラは、所定方向における540×10^12Hzの周波数の単色放射を放出し、その方向に683分の1ワット毎ステラジアンの放射強度を有する光源の光度である。

歴史

光度の単位の国際基準は、実に1948年になるまで決まっておらず、各国で独自の単位が使われていた。最も知られていたのは、イギリスロンドンで1860年に施行された法律であるメトロポリタンガス法に基づくものである。


  • 1燭とは、1時間当たり120grの割合で燃焼する6分の1lbの純粋な鯨油蝋燭の光度である。

燭 (Candlepower) は、基準として標準蝋燭を定め、その明るさを光度の単位としたものである。gr=グレーンとlb=ポンドはそれぞれヤードポンド法における質量の単位であり、メートル法に直せば「1時間当たり約7.8gの割合で燃焼する76グラムの鯨油蝋燭」となる。鯨油蝋燭とは、当時高品質の蝋燭の蝋として使用されていたマッコウクジラの頭部にある鯨蝋で出来た蝋燭の事である。


メトロポリタンガス法そのものは、その当時ロンドンで13社、イギリス全体で約1000社も乱立していた石炭ガスを供給するガス会社の過度な価格競争を規制をする為の法律であり、光度の単位はおまけであった。その内容が特定地域の独占的なガス供給を含む内容だった為、過剰請求や濫用が頻発して市民の抗議を受けて1868年にシティ・オブ・ロンドンガス法に取って変わられたが、燭の単位は残り、1877年にペンタンを燃料とするランタンに置換され、以下のように改正された。


  • 1燭とは、圧力1気圧の下で0.8%の水蒸気を含む空気中において燃焼する、ハーコート氏ペンタン灯の水平方向の光度の10分の1である。

一方その頃、他国では他の定義が独自に定義されていた。例えばフランスではアブラナから精製された菜種油を一定の燃焼速度で燃やした際の明るさを基準としていた。またドイツで1897年に策定され、オーストリアやスカンジナビアで使用されていたのが以下のヘフナー燭 (Hefnerkerze) の定義である。


  • 1ヘフナー燭とは、ヘフナー灯を用いて、圧力760mmHgの下で8.8L/m^3の水蒸気を含む空気中で、直径8mmの芯で燃焼される高さ40mmの酢酸アミルの炎の光度である。

1909年に光度の単位に関する国際会議が開催され、この際に燭とヘフナー燭は1燭=約0.92ヘフナー燭と定義された。1921年には炭素フィラメントを持つ白熱電球による定義が作られたが、同時により新しい光度の基準の必要性も認識された。


1937年に国際照明委員会は、新しい光度の単位としてブージ・ヌーベル (Bougie nouvelle) を制定した。ブージ・ヌーベルは新しい燭を意味する為、日本語では新燭とも呼ばれる。


  • 1ブージ・ヌーベルとは、白金の凝固点温度における完全放射体の輝度が1m^2当たり60ブージ・ヌーベルとなるような光度である。

この定義は、1ブージ・ヌーベルが1燭となるべく等しくなるように60で割っているが、厳密にはズレがある。とはいえ1燭=約1.0067ブージ・ヌーベルとわずかな差しかない為、事実上は等しくなっている。定義そのものは1909年の国際会議で提案されたワイドナー・バーゲス標準に基づくもので、定義に白金が選ばれたのは、純粋な白金が入手しやすい事に由来する。なお、凝固点温度は1769℃に相当する。


1948年の第9回国際度量衡総会で、この新しい光度の単位は承認された。定義が曖昧な事、ブージ・ヌーベルの名称が暫定的な事から、単位名を燭よりカンデラに変更し、以下を定義とした。なお、日本語ではカンデラはカタカナ書きだが、その意味はラテン語の獣脂蝋燭を意味し、燭や蝋燭と言葉の由来は同じである。


  • 1カンデラとは、圧力101325N/m^2の下で、白金の凝固点の温度における黒体の600000分の1m^2の表面の垂直方向の光度である。

101325N/m^2とは1気圧に等しい。N/m^2とイコールであるパスカル (記号Pa) は、1948年当時まだ存在せず、登場したのは1971年である。黒体とは物理学における用語であり、放射を完全に吸収すると定義された物体である。


しかしながら、1769℃という高温での放射に定義を頼る事が難しく、また黒体を仮定せずとも放射エネルギーを精度よく計測できるようになり、1979年の第16回国際度量衡総会において以下の定義となった。2018年の第26回国際度量衡総会に採択された定義は、その細かい部分は変わっているが、大部分は変更されていない。


  • カンデラは、所定方向における540×10^12Hzの周波数の単色放射を放出し、その方向に683分の1ワット毎ステラジアンの放射強度を有する光源の光度である。

カンデラの大きさ

他のSI単位と同じく、カンデラにもSI接頭辞を付けて大きさを表す事が出来る。

接頭辞大きさ版権作品
1Ycd10^24cd
1Zcd10^21cd
1Ecd10^18cd
1Pcd10^15cd
1Tcd10^12cd
1Gcd10^9cd
6×10^7cd変身怪獣ザラガス
1Mcd10^6cd
1kcd10^3cd
1hcd10^2cd
1dacd10^1cd
1dcd10^-1cd
1ccd10^-2cd
1mcd10^-3cd
1μcd10^-6cd
1ncd10^-9cd
1pcd10^-12cd
1fcd10^-15cd
1acd10^-18cd
1zcd10^-21cd
1ycd10^-24cd

関連タグ

国際単位系

メートル キログラム アンペア ケルビン モル カンデラ

可視光 可視光線 電磁波 光子 ルーメン ルクス

物理 数学

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