乗用車
一般的には、長距離や高速道路移動における走行性能と快適性を重視した設計思想及びそのモデルのジャンルを指す。
元々はイタリア語で「大旅行」を意味するGran Turismoを由来としており、日本ではGTカーとも呼ばれている。
フランス語ではボワチュールドグランツーリスム(Voiture de Grand Tourisme)、
英語ではグランドツーリングカー(Grand Touring Car)、
ドイツ語ではグランツーリズムヴァーゲン(Grand-Tourisme-Wagen)。
アウトバーンなど長距離の高速走行を可能とする馬力、加減速能力、走行安定性、車体の耐久性などに加え、長時間座っても疲れにくいシートや大きな荷室などの快適な居住性も考慮されたモデルが発達した。
その後スポーツカーの設計思想にも波及して世界中に広がっていった。
ゲームソフト
ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が1997年より販売するドライビングシミュレーターシリーズ。
開発は考案者である山内一典が代表取締役を務めるポリフォニー・デジタルで、シリーズ累計売上は8040万本(2018年5月時点)。
キャッチフレーズは「リアルドライビングシミュレーター」。
リアリティを追求した挙動や一筋縄ではいかないゲーム性、さらに実在する車両や改造パーツを収録。
初代は、家庭で本格的なカーライフが楽しめるとして国内だけで250万本、全世界で1000万本以上の大ヒットを記録した。
各コースの路面状況や車の挙動などが非常にリアルに表現されており、詳細な項目が用意されているチューニングによる性能の変化が単なる数値の変化だけではなく車の挙動の変化として緻密に再現されており、深く理解すればチューニングの意味や効果も実感出来る内容となっているのが特徴。
ただ実車のチューニングも嗜む車ファンには絶大な支持を得ているが、レースゲームとして見ている層には難解なシステム故にとっつきにくい面もあった。
これまでに本編7本、スピンオフ4本(プロローグ版など細かいタイトルを含めるとさらに多い)が発売されている。
レーシングドライバーの生活を仮想体験できる「グランツーリスモモード」が中心で、「5」「6」ではそのチームの監督となりAIのドライバーに指示を出す「B-Spec」というモードもある。
実在車種にこだわり、レーシングカーのみならず街中を走っているような大衆車から高級車まで幅広いモデルを選ぶ事ができる。
また各車種ごとに丁寧なナレーション解説もある。
2017年発売の「グランツーリスモスポーツ」(GTSPORT)では、FIA(国際自動車連盟)と手を組んで実在する公式レースの免許(ライセンス)が取れてしまいリアルのレースに出場できてしまう。
2020年にはGTSPORTとSUPER GTがコラボレーションしたスペシャルレースが開催された。
参加ドライバーはSUPER GTのレーサー達であり、実況も選手権の公式アナウンサーであるピエール北川氏が行なっている。
GTアカデミー
2008年~2016年まで日産自動車と協力して行われた、グランツーリスモのトッププレイヤーを本物のレーシングドライバーとしてデビューする機会を与ようという企画。
複数人が実際にプロドライバーとしてデビューし、数名はSUPER GTなどで現在も活躍している。
また、そのうちの一人であるヤン・マーデンボロー氏は後述の映画の主人公のモデルに起用されている。
実写映画
2023年に公開された、ゲーム「グランツーリスモ」を基にした映画。
GTアカデミーを経てレースゲーマーからプロのレーシングドライバーになったヤン・マーデンボロー氏の、実話を元にした伝記である。
日本語吹替版の演出は、同じく自動車レースを題材にした『MFゴースト』で音響監督を務め、自身もレーシングチーム「VART」の監督である三間雅文氏が担当する他、VARTのメンバー(三木眞一郎、浪川大輔、石川界人、畠中祐)も出演している。
シリーズ作品
本編
タイトル | 機器 | 発売年 | 補足 |
---|---|---|---|
グランツーリスモ | PS | 1997 | |
グランツーリスモ2 | PS | 1999 | グランツーリスモディスクとアーケードディスクの2枚組 |
グランツーリスモ3 A-Spec | PS2 | 2001 | 当初は「B-Spec」を別で発売予定だったが、実際は発売されなかった。また、当初は「グランツーリスモ2000」というタイトルで2000年年内に発売予定だったが開発長期化に伴いこのタイトルに改められた。 |
グランツーリスモ4 | PS2 | 2004 | 予告編である「プロローグ」は2003年発売 |
グランツーリスモ5 | PS3 | 2010 | 予告編である「プロローグ」「プロローグ Spec II」はそれぞれ2007、2008年発売 |
グランツーリスモ6 | PS3 | 2013 | |
グランツーリスモ7 | PS4/PS5 | 2022 | 現時点での最新作。シリーズ入門向けのソフトである「はじめてのグランツーリスモ」が2024年に無料配信 |
スピンオフ
グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO | PS2 | 2002 | 2001年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカーや当時の最新車などを収録 |
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グランツーリスモ HDコンセプト | PS3 | 2006 | 「グランツーリスモHD」の発売中止および『グランツーリスモ5』への吸収に代わり、オンラインサービスの一環として無料配布 |
グランツーリスモ | PSP | 2009 | シリーズ唯一のPSPソフト |
グランツーリスモSPORT | PS4 | 2017 | シリーズ初のオンライン専用ソフト。本作を使用した国際大会グランツーリスモ ワールドシリーズや国体eスポーツ部門でも使用 |
グランツーリスモ ワールドシリーズ
2018年より行われているグランツーリスモの国際大会。2021年まではFIA(国際自動車連盟)の認定を受けている。
プレイヤーが選択した自動車メーカーで出場するメーカー対抗チーム戦「マニュファクチャラーズカップ」と、居住国・地域上位から選抜された選手個人による国別対抗戦「ネイションズカップ」の2部門を開催。
予選はオンラインで行われ、各部門の上位ランカーは日本を含む世界各国で開催されるオフラインイベントに出場し、雌雄を決する。
大会は日本語を含む7か国語でYouTube Liveにて配信。
ネイションズカップ初代世界王者イゴール・フラガは日本を拠点にSuperGTにも参戦、2020年二冠の宮園拓真は大手タイヤメーカーに就職し、モータースポーツの振興に尽力するなど、リアルとバーチャルの両面で活動する選手もいる。
2019年 ワールドツアー第5戦・東京大会
マニュファクチャラーズカップ
ネイションズカップ
関連項目
:グランツーリスモが自動車メーカーとコラボして作られたコンセプトカー
capeta:モータースポーツを題材にした日本の漫画作品。作中キャラが本シリーズをコース攻略の為のシミュレーターとして活用しており、実際に走った際に初めて感じるGの感触との差を語っている
グランツ・リスク:実写映画版の方が名前の由来となった、爆上戦隊ブンブンジャーに登場するハシリヤン関係者。