パイ(食べ物)
ぱい
小麦粉などで作った生地に具を詰めたり、乗せたりして焼いた料理
🥧概要
一般的なイメージとして「パイ」というと、バターを織り込んで何層にも重ねた「折りパイ」が連想されるが、そのほかに小麦粉とバターを練り合わせて作った「練りパイ」がある。「練りパイ」で作られる料理には、タルトやキッシュ、クラフティなどがある。
パイ料理とは、こうしたパイ生地に具材を包んで焼き上げたものを指すが、調理済みの具材を焼いたパイ生地の上に乗せたものや、砕いたビスケットやクラッカーをバターで練って生地とし、その上にクリームなどを乗せたものもパイ(アメリカン・パイ)と呼ばれる。
日本ではアップルパイやチェリーパイなどのデザートパイのほか、ミートパイも有名でよく食べられている。
また、パイには保温や香りを閉じ込める効果がある。そのため、後述の通り実用として使われていた歴史がある。そのため様々な料理に使われている。日本で知られるものでは「パイ包みスープ」が代表的。
🥧歴史
起源は古代ローマ・ギリシャ時代のエジプトで食べられていた揚げ菓子「ウテン・ト」、中近東の料理「バクラヴァ」とされる。調理技術が未熟だった時代、肉や果物を直火ではなく小麦粉の生地で包んでから焼くことで、旨味を逃がさないようにしたり、焼きすぎを防ぐなどしていた。
14世紀になると、フランスで「フイユタージュ」、パイ生地が登場、様々な食材をパイで包んで焼いた「パイ料理」が登場。
一方、イギリスではオーブン用の器代わりとして使われていた。ゆえに出来上がるとパイは捨てられていたという。
16世紀にオーブンの技術が発達すると、そうした役割は必要なくなり、パイそのものをメインとした料理が発展。ルネサンス時代にアラブから菓子パンが伝わったイタリアでは小さく甘いパイが発達し、ヨーロッパ中に広まった。