航空自衛隊にも、かつて同名の戦闘機部隊が存在した事があった(使用機種はF-86D)が、ここでは陸上自衛隊のヘリコプター部隊について解説する。
概要
日本最大のヘリ部隊である第1ヘリコプター団隷下にあり、団直轄部隊として運用されている。通称「102飛」。千葉県木更津駐屯地に所在している。
第1ヘリコプター団で唯一UH-60JA多用途ヘリコプターを装備しており、第1空挺団や特殊部隊である特殊作戦群などへの空中機動支援が任務の飛行隊である。アメリカ陸軍の第160特殊作戦航空連隊(通称ナイトストーカーズ)をモデルに創設された事から日本版ナイトストーカーズとも称され、実質的なヘリ専門の特殊部隊である。
その特殊性故か、格納庫は駐屯地内で周囲から隔離された場所にあり、UH-60JAも機動性向上のためか両脇の増槽を外している機体や、機体の左右両舷にミニミ軽機関銃とブローニングM2重機関銃を各2挺ずつの計4挺を固定化した武装ヘリコプター、通称「ドアガン飛龍」を配備しているなど異質な点が多い。さらに特戦群のように隊員個々人の私物装備品らしきものが多く見受けられたり、陸自が配備していないハズの米国製M134ミニガンを運用する様子が目撃されたこともある。任務内容も機密のベールに包まれている。
とはいえ本当に特戦群レベルで何もかも機密、という訳ではなく、駐屯地祭や海上自衛隊館山航空基地でのヘリコプターフェスティバルに機体を展示させたり、木更津市が毎年開催しているきさらづ防災フェスタにも飛行展示として参加することがある(これらのイベントでは「第1ヘリコプター団所属機」として参加することが多い)。
東日本大震災にも災害派遣されたが、地震と津波で倒壊する危険性がある建物の屋上から被災者を救助する際、建物の狭い屋上ギリギリでホバリングし、着地せずに被災者を救助するという高度な技術を披露した。
主要装備
航空機
- UH-60JA多用途ヘリコプター:5機以上装備
- ドアガン飛龍:UH-60JAの左右両舷に5.56mm機関銃MINIMIとブローニングM2重機関銃の計4挺の機関銃を固定化した機体。飛龍はUH-60JAのコールサイン。
- 高機動型(仮称):UH-60JAの機体両脇から増槽を外して機動性を向上させた機体。
- OH-6観測ヘリコプター(退役)
- 少なくとも2機を運用していたが、2020年までに同機が陸自から退役したため、運用を終了している。
機上機材
- 5.56mm機関銃MINIMI:ドアガンとして装備。
- 12.7mm重機関銃M2:ドアガンとして装備。
- M134ミニガン:配備は公表されていないものの、過去にUH-60JAに装備中の様子を撮られている(参考画像)。
特戦群などがより大型な輸送ヘリを使用する場合、CH-47JAチヌークの国際派遣任務仕様(ミサイル防御装置やM2重機関銃用の銃架などを追加搭載した改良型)を多く装備する第106飛行隊などが出動するとされる。
外部リンク
- Wikipedia:第102飛行隊 (陸上自衛隊)
- Googleマップ:第102飛行隊の格納庫(木更津駐屯地) - 上述した通り、駐屯地の周囲から隔離された場所にあることが分かる。