TRPGの「D&D」などの戦闘システムをコンピューターゲーム化したものが、コンピューターRPGとなる。TRPGはGMと呼ばれるストーリー進行役が必要で、最低2人以上は必要となるが、GMの役割をコンピューターが務めることにより、一人でも遊べるRPGを確立させたとも言える。
コンピューターRPGの歴史
「ドラゴンクエスト」シリーズの大ヒットにより一般的にも普及したため、しばしばドラクエがRPGの元祖とまで言われる事もあるが、正しくはなく、それ以前からも存在したジャンルである。
どれが元祖であるかは諸説はっきりしないが、元祖と言われる「ウルティマ」(1980年)「ウィザードリィ」(1981年)など発祥はアメリカである。日本においてはそれらの移植作で知られるようになるが、当時マニアックな趣味だったパソコンゲームの中でも特にマイナーという印象はあった。
やがて国産の、ゲームデザインや操作の簡素化と視覚的な判りやすさを重視した「ザ・ブラックオニキス」(1984年)や、アクション要素を取り入れた「ドラゴンスレイヤー」や「ハイドライド」シリーズが登場して普及し、少しずつ期待のジャンルとして成長していく。
とは言えまだマニアックなイメージと、セーブ機能をどうするかという問題からファミコン・家庭用ゲームへの普及は遅れるものの、この時期のユーザーには未知数のRPGへの憧れのようなものはあり、RPG的な冒険・探索・ファンタジー・謎解き・パワーアップ等の要素を持ったアクションゲームが次々投入される。
結果「ドルアーガの塔」「チャレンジャー」等がヒット、さらには「スーパーマリオブラザーズ」の大ヒットの一因ともなっている。
86年2月には普通にデーターセーブの出来るファミコンディスクシステムで「ゼルダの伝説」が発売。開発スタッフはアクションAVGと言っているものの、RPG要素を強く持ち、雑誌等でもRPGとして紹介されることは多かった。
同年3月にはファミコンに「ハイドライド」がアレンジ移植(ハイドライドスペシャル)。こちらはROMカートリッジだがパスワード方式でセーブ可能になっている。
そして1986年5月に「ドラゴンクエスト」が発売される。
こうした土壌はあったものの、非リアルタイムのコマンド型RPGは家庭用ゲーム機初であり、ある種の賭けでもあったが、モンスターデザインの鳥山明繋がりで週刊少年ジャンプで大々的に取り上げられたことや堅実な作りでじわじわ売り上げを伸ばし、RPGゲーム初のミリオンセラーとなることになる。
その後はよりストーリー・演出重視のもの、やり込み要素重視のもの、SRPG等他ジャンルと組み合わせたもの等様々に分化し、またネットとMMORPGの普及で原点のTRPGに近い遊び方も出来るようになってきている。