基礎データ
進化
┌→ サワムラー(Lv.20のとき攻>防)
└→ エビワラー(Lv.20のとき攻<防)
概要
『ポケットモンスター赤・緑』(第1世代)に登場したポケモン。
人型をしているが、顔と胴体が一体化した形で、鼻や口に当たる部分は見当たらない。
脚部(と二の腕)が螺旋状ではない特殊なバネ状になっており、この脚は約2倍の長さまで伸び縮みする伸縮性と、ムチのようなしなやかを合わせ持っている。
その足を生かした強烈な蹴り技が大の得意で、『キックの鬼』という別名を持つ程。離れた相手でも容易く蹴り倒し、初めて戦う相手はその間合いの広さに驚くという。
足裏も当たる瞬間に筋肉を収縮させることで、ダイヤモンドに匹敵する硬さになり、岩すら破壊するほどの威力を生み出す。
バランス感覚も優れており、不安定な姿勢からでも問題なく連続蹴りを放てる上、そうしている内に伸びた両足で逃げ出そうとした相手も蹴っ飛ばしてしまう。
ただ、そうした足の構造が仇となったか走るのは苦手で、だんだん脚が伸び始め、最後には間抜けなものすごい大股になってしまう模様。
アスリートのように自己管理は怠らない性質で、戦闘後は酷使した足を労うように揉み解す行動が見られる。そのために使うのか、ポケスペでは脚のみでなく腕も伸縮するという設定がある。
足には割としっかりとした鋭いツメも生えているが、特にこれといって利用する話はない。勿論蹴られたら痛いのは間違いないが。
名前の由来は、実在の元キックボクサー・沢村忠(さわむら ただし)。
得意技である「とびひざげり」も、モデルとなった沢村忠の得意技である「真空跳び膝蹴り」に由来している。
初登場時はエビワラーとどちらか片方しか手に入れることができなかったが、そのエビワラーの名前も実在する人物に由来する。
第6世代以降の作品では食べ物を与えてポケモンと仲良くできるのだが、サワムラーの場合、ポフレを与えようが、ポケマメを与えようが、カレーを与えようが口を開く様子は一切ないのに食べている様子を確認できるというホラーな光景になる。どうやって体内に取り込んでいるのかは謎のままである……
pixivでは対のエビワラーと描かれることが多い。
ゲーム上の特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
50 | 120 | 53 | 35 | 35→110(金銀から) | 87 |
こうげきが最も高く、次いでとくぼうが高い。とくこうが低いので特殊型にする理由はほぼない。HPやぼうぎょが低く、高いとくぼうもHPのせいで総合的な特殊耐久は中程度しかない。
すばやさはかなり微妙な数値。フォルムチェンジしたロトムに1勝るが、ドリュウズに1及ばない。
初代は無進化だったが、第2世代で進化前のバルキーが追加された。進化する時「こうげき」が「ぼうぎょ」より高いとサワムラーに進化する。
モチーフ通りのキックの技を覚えさせるのが主流で、先に挙げられた「とびひざげり」は初代から続くメインウエポン。パンチと異なり技のバリエーションがそこまでないが、ほのおタイプの「ブレイズキック」を使える。サブとしては各種いわ技や「じしん」など。「ねこだまし」「フェイント」等の小技や、「ワイドガード」等の補助技も使える。
意外にも「マッハパンチ」や「メガトンパンチ」等のパンチ技を結構覚えるため、よくネタにされる。
サワムラーの歴史
初登場時、貴重なかくとうタイプの攻撃技を自力で複数習得出来た上に、「とびひざげり」が専用技だったため、事実上最強のかくとうタイプだった。
が、当時かくとうタイプは冬の時代。とくしゅがあまりにも低くエスパータイプの技で簡単にやられていた。
第2世代になるととくぼうが35から110へ大幅に上昇したが、強力な技「クロスチョップ」を覚えられず、当時「とびひざげり」は威力85しかなかったため周りに比べて見劣りする事態に。
第3世代で得た特性「じゅうなん」はまひを無効化する効果があるが、そもそもサワムラーに「でんじは」等をぶつける機会が存在するかどうか非常に怪しい。でんきタイプに強く出られるかどうかというところ。
そして何と新登場のチャーレムが「とびひざげり」を習得し、火力であちらに負けてしまう(すばやさは勝っているが)事態に。
第4世代で当時専用特性だった「すてみ」を得、「とびひざげり」が漸く威力100の大台に乗ったことで火力面は改善された。が、「すてみ」の倍率は1.2倍しかなく、同時に習得した「インファイト」とほぼ同じ威力になってしまう悲しみを背負った。
エビワラー共々専用特性をもらったのにほぼ強化になっていなかったという……
第5世代で遂に「とびひざげり」が威力130にまで強化され、ようやく劣化「インファイト」状態から脱却した。
が、こうげき・すばやさ両方で上回り、「とびひざげり」「ねこだまし」を覚え、隠れ特性にサワムラーと同じ「すてみ」を持つコジョンドが登場し、「すてみ」戦法はコジョンドの後塵を拝する事態に。何故こうも不憫なのか……
一方で隠れ特性として「かるわざ」を得、本作で登場した「ジュエル」系アイテムとのコンボで「すばやさ」を2倍にすることができ、辛うじて独自の戦法を確保した。
第6世代では同じかくとうタイプで「かるわざ」を持ち、すばやさが高いルチャブルが登場。何故こうも被るのか……
ただし火力はこちらの方が高く、ジュエルがノーマル以外廃止された中で「ねこだまし」を使うことで能動的に特性が発動できる強みはどうにか確保している(あちらもあちらで「パワフルハーブ」+「ゴッドバード」で発動できるが)。
が、この世代はファイアローとフェアリータイプが跳梁跋扈しており、かくとうタイプ自体が全くと言っていいほど活躍できなかった。
第7世代ではファイアローが消えた代わりにフェアリータイプが更に大躍進を遂げ、虫の息かと思われたが、各種フィールドが展開されると同時に発動するシード系アイテムが登場し、「かるわざ」の新たな発動トリガーとして使われるようになった。特にダブルバトルではカプ・レヒレとのコンビが注目を集め、シード発動からの高速「ねこだまし」という強烈な個性を得たことで、(ある種興味本位で使用された感はあったものの)一時期ダブルバトルでの使用率がベスト30入りするなど大きく躍進した。
第8世代では初期にはこれといって話題に挙げられるほどの活躍をしていなかったが、『冠の雪原』でのダイマックスアドベンチャーにて高火力かつ貴重な「ワイドガード」持ちという当たり枠のポケモンとして登場し、重宝されている。特に「ワイドガード」は対ジガルデ戦で必須レベルであり、サワムラーを引ければかなり優位に立てる(ただし「ダイアース」を使われると即死するので注意!)。
また、禁止級環境ではきあいのタスキとかるわざのコンボでザシアンや黒馬バドレックスを倒す事が出来、一部のプレイヤーから高い評価を受けた。
使用トレーナー
ゲーム版
- シバ:四天王(カントー)or四天王(ジョウト)
- ナツメ:ジムリーダー(カントー)※1
- シジマ:ジムリーダー(ジョウト)※2
- トウキ:ジムリーダー(ホウエン)※3
- ケンジ:サワムラーマスター
※1:ポケモンスタジアム金銀
※2:ポケモンスタジアム金銀以降の作品
※3:エメラルドの再戦のみ
アニメ版
- ジャイアント(無印29話)→ムコニャ(強奪)
- ジロウ(無印166話)
- ツヨシ(無印173話)
- ノブヒコ(無印233話)
- ブルース・リン(無印273話)
- シンジ(ライコウ雷の伝説)
- ゲンキ(AG126話)
- ハマグリ(AG145話)→一時サトシ
- ユウタ(DP160話)
- ジュン
- ソラオ(ミュウツーの逆襲)
- ORIGINレッド
漫画版
- シバ(ポケスペ)
- シジマ(ポケスペ)
- ロケット団したっぱ(ポケスペ)
- サカキ兄(穴久保版ポケットモンスター)※1
※1:この漫画ではサカキは兄弟がいるという設定であり、弟の方はエビワラーを使う
番外作品
『ポケモン不思議のダンジョン』
敵として出てきた場合トラウマメーカーであることが多く、特に強烈なのが『探検隊』のレジギガス戦で、1.2倍補正(※ポケダンは補正倍率が控え目に設定されているため、1.2倍でも強い方)のかかった「とびひざげり」でこちらを蹴り殺しにかかってくる。
しかも何を間違ったのか4体もいる。
初回突入時にはチャームズが同行するが、リーダーであるミミロップがこいつに弱点を突かれるので早めに処理しないとやられてしまう。無論2回目以降はこちらのパーティだけで処理しないといけない。
『スマブラ』
初代にのみアイテムのモンスターボールから登場する。「とびげり」で近くの敵を攻撃する。
アニメ版
『アニポケ』
- ジャイアントのサワムラー
- 無印29話にて、P-1グランプリでロケット団に強奪される。決勝でサトシのオコリザルに敗れた。
- ジロウのサワムラー
- 無印166話にて、道場を開く為に腕試しで各地で道場破りをしていて10枚目の看板を頂きにゲンゾウの道場にやって来たジロウのポケモンで登場。最初の戦いはチグサをあと一歩まで追い詰めるがロケット団の邪魔が入る。その後特訓したチグサのカポエラーに敗れた。
- ツヨシのサワムラー
- 無印173話にて、ハルのソーナンスにやられたのを逆恨みしてソーナンス村に復讐に来た三人組のチンピラの一人の手持ちで登場する。
- ノブヒコのサワムラー
- 無印233話でタンバジムリーダーのシジマの一番弟子で自称空手王のノブヒコの手持ちで登場。
- ブルース・リンのサワムラー
- 無印273話にて、カンフー兄弟の次男・リンの手持ちで登場している。
- ゲンキのサワムラー
- AG126話にて、ポケモンリーグサイユウ大会予備選でサトシが対戦したトレーナー・ゲンキのポケモンで登場。「まわしげり」でピカチュウを攻撃するが逆に「アイアンテール」を食らい、さらにサワムラーに「とびひざげり」をピカチュウの素早い動きと「でんこうせっか」でかわされた上に、壁にひざを直撃して痛めるなど序盤から不利な試合運びに。逆転を狙おうと威力の高い技「メガトンキック」を使うが、先ほど痛めたひざの影響で威力が無く、逆にピカチュウの「アイアンテール」が頭に直撃して敗北した。
- ハマグリのサワムラー
- AG145話でサトシがサワムラーを借りてハルカの(一時的に借りた)エビワラーと戦わせたことがある。
- ジュンのサワムラー
- ダイヤモンド&パールで登場。しかしこのサワムラー、なんとインファイト、メガトンキック、とびひざげりなど効果抜群もしくは高威力の技を立て続けにヒットさせたにもかかわらずブレイズキックでやけど状態になったことで特性「こんじょう」が発動したシンジのリングマに逆転負けしている。よほどレベルに差があったのか?
- ユウタのサワムラー
- DP160話で自称「科学の申し子」のユウタの手持ちで登場。ポケスロン第一種目キャッチソーサーに参加し、サトシのモウカザルと同点1位となった。
その他
『ポケットモンスターTHE_ORIGIN』
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 第2章でシバの手持ちで登場。足だけでなく腕も自在に伸縮させることが可能。レッドとの初戦では洗脳されたシバの命令で氷漬けにされたレッドの腹に蹴りを入れ崖に落とし、逃走するピカを執拗に追跡している。ハナダの岬に送り込まれてマサキの家を破壊したが、ブルーのカメちゃん(カメックス)の砲台で頭を強打されて敗北した。スオウ島での戦いではフッシー(フシギバナ)の「あまいかおり」でふらついているところを「つるのムチ」で倒された。
- 他にもシジマの手持ちで、ロケット団したっぱの手持ちでも登場している。
『ギエピー』
この漫画ではサカキは兄弟がいるという設定であり、サカキ兄が持っているエビワラーの兄。キックは強いが、いつもピッピに負けている。口があるのが確認できる。
余談
- プロ野球選手・澤村拓一の愛称「サワムラー」はこのポケモンから取られている。
- 「なんJ」をはじめとするネット上では巨人時代から既に使われていたものなのだが、2020年にロッテに移籍。このロッテでの初登板で澤村のユニフォームの製作が間に合わずに打撃投手が使っていたユニフォームを借りて登板した際、その背番号がサワムラーの図鑑番号と同じ「106」だったことから一気に定着した。
- 2020年度の「マリーンズフェスタ」で選手たちがニックネーム付ユニフォームを着用した際にも澤村のユニフォームには「SAWAMURAAA」があてがわれる、、「パ・リーグTV」が澤村の投球動画でこのネタが採用する、果てはロッテ公式Twitterで本人公認だったことが判明するなどした結果、ポケモンセンターのぬいぐるみ売り場で他の人気商品を差し置いてサワムラーだけが完売するという事態を巻き起こし、ニュースになった。
関連イラスト
関連タグ
105.ガラガラ/アローラのすがた→106.サワムラー→107.エビワラー
同かくとう単タイプ
マンキー/オコリザル ワンリキー/ゴーリキー/カイリキー ガラルカモネギ/ネギガナイト パルデアケンタロス(コンバット種)
ドッコラー/ドテッコツ/ローブシン ナゲキ ダゲキ コジョフー/コジョンド
タタッコ/オトスパス タイレーツ ザマゼンタ(れきせんのゆうしゃ) ダクマ