乗務員A「そろそろキッパーが来る頃だぞ」
乗務員B「まァ待てよ。こりゃあうまいココアだぜぇ!!」
乗務員C「でも……、そろそろ機関車に戻らないと……」
乗務員B「はーア。やれやれ……」
概要
冬の夜、ヘンリーが特別鮮魚貨物列車「フライング・キッパー」を牽くことになった。
列車は順調に走っていた。ところがある信号が不点灯だった(注)。ヘンリーの機関士は安全と判断し、直進。ところが実際はポイントが雪で凍結しており、ヘンリーは待避線に入ってしまったのである。
待避線では別の貨物列車がフライング・キッパーの通過待ちをしており、ブレーキ車では貨物列車の機関士、機関助士、車掌が待機していた。その最中で唐突に放たれた「こりゃあうまいココアだぜぇ!!」という台詞がニコニコ動画では何故か人気であり、弾幕が張られる事態になってしまった。
その後直進してきたヘンリーと貨物列車は衝突。きかんしゃトーマスでも屈指の事故シーンである。ちなみにヘンリーが初めて事故を起こしたシーンでもある。また、シリーズ初の衝突事故でもある。
原作ではココアを飲んでた乗務員が「なんてことをしてくれるんだ!あんなにうまいココアが全部こぼれちゃったじゃないか!」とヘンリーに怒鳴っていた。
注:実際には信号が不点灯の場合は赤信号とみなして停止しなければならない。これは訳者が鉄道の知識に疎かったためと考えられる。原作やTV版の英語版では、「氷のせいでポイントが不転換になり、その上雪の重みで腕木信号機の腕木が下がり、進行を現示したためにヘンリーと乗務員は安全と判断して進んでしまった。」という流れになっていることがその証拠である。
余談
第54話「パーシーとこうずい」では、洪水で水没したパーシーの乗務員にハロルドがココアを届けていた。また、第129話「ゆき」ではスカーロイの機関士がココアを飲み、直後雪崩に遭遇。スカーロイは雪に埋もれてしまった。実写も織り交ぜた長編映画第1作「魔法の線路」では、車掌のミスター・コンダクターが夜にココアを飲んでいる際にディーゼル10の襲撃を受けた。
当エピソードの通りココアが登場すると決まってまずい事態となるため、きかんしゃトーマスファンの間ではココアは死亡フラグの一つである。
先述の通り、ニコニコ動画ではなぜかこのセリフが人気となっており、上述のヘンリーに限らず事故が起こるシーンでは「こりゃあうまい壁だぜぇ!」、「こりゃあうまい泥だぜぇ!」、「こりゃあうまい貨車だぜぇ!」等、「こりゃあうまい○○だぜぇ!」というコメントが出てくるようになり、さらには「こりゃあうまいシリーズ」というタグが作られるほどのブームとなった。
さらに余談だが原語版でのこのセリフは「This is good cocoa!」である。
ちなみに、「こりゃあうまいココアだぜぇ!!」という台詞&その後の衝突事故のインパクトもあって気付きにくい人も多いが、実は(夜明けのシーンである関係で見えにくいかもしれないが)実はヘンリーと貨物列車が衝突をするシーンの左端(ヘンリーの炭水車の部分)をよく見てみると、何故かスタッフの手が映っている。
まさかの再登場?
そして時は流れ、TV版は原作の映像化可能なエピソードを使い果たしオリジナルエピソードが中心となり、制作会社の(幾度にもわたる)変更や、模型特撮からCGアニメーションへの転換、ナレーター一人語り形式の廃止を経て、日本語吹き替え版も放映局の変更に伴いキャストが一新される、等流浪の歴史の中に、ココアフラグもいつしか過去のものになりつつあった2016年、既にTV版の放映は20シーズンに突入、総エピソード数は450話をとうに越していた。その中の1話「ドナルドとダグラスはふたご」にて、雪の中で炭水車を失い立ち往生したダグラスから脱出した機関士達が、振る舞われたココアを飲んだ際
「This is really good cocoa!」
と発言、多少の変化はあるものの誰も予想だにしなかった復活を果たすのだった(但し、日本語吹き替え版のセリフは翻訳者が交代している事もあって「このココア、すっごく美味しい!」となっている)。
pixivでは
きかんしゃトーマス関連のイラストよりも、「ご注文はうさぎですか?」の同名キャラクターの評価タグに使われることが多い。どうしてこうなった