「邪魔だ!!どけどけ〜!此処にはやり残した仕事があるんだぁ!今日こそ片付けてやるぜ!覚悟しろ!」
概要
2000年に公開された、「きかんしゃトーマス」シリーズ初の長編映画「きかんしゃトーマス 魔法の線路」に登場する悪役。意地悪で暴れん坊の巨大なディーゼル機関車。車体の色は黄土で、下半分には白い縞模様が付いている。
一見恐そうに見えるが、自分がソドー島に戻って来た目的(本来ならば堂々と言ってはいけない事)を堂々と宣言する、先の先までの事をよく考えずに行動するなど、意外とぬけているところもある。
また、もの覚えが悪いのか、レディーの事を「消えた蒸気機関車」、トーマスの事を「青いタンポポ頭」、トビーの事を「ティーボット」、そしてミスター・コンダクターの事を「キンキラ野郎」などと、ほとんど名前を呼ばずに個人(?)的に勝手に付けたあだ名で呼んでいる。
トーマスには「血も涙もないディーゼル」「蒸気機関車の天敵」と言われるほど恐ろしい。
「魔法の線路」においては、頭の上についているシャベルの「ピンチー」と呼んでいるクレーンを操り、蒸気機関車をスクラップにしようとする凶悪な機関車。蒸気機関車の事を「意気地なしで、へそ曲がりのクズ鉄の塊」だと思っており、作内では「ブリキのやかん共」と呼んでいた。作中では「ディーゼル」と呼ばれるのが普通であるが、作内で初登場した際にゴードンは「ディーゼル10が帰ってきた」と発言していた。
また、子分にはスプラッター(吹き替え:坂東尚樹)とドッヂ(吹き替え:岩崎ひろし)がいるが、ほとんど頼りになっていないようである。因みに2両をスプロッヂと合わせて呼んでいる。(理由は二つの名前を呼ぶことが面倒だから。)
あと、タンクの中に入れられたら機動が動かなくなるという理由から、一目見るだけで怯えるほど、砂糖を嫌っている。
「此奴をお前のタンクに入れればお前は動けない!」(byミスター・コンダクター)
元々、「魔法の線路」のオリジナルキャラであったが、その後もたびたび登場しており、日本で放送・公開される際は、その度に担当の声優が以下の様に変わっている。
劇中での活躍
魔法の線路
序盤でトーマスとゴードンが駅で話をしているところを、いきなりものすごいスピードで現れて、砂埃をまき散らしながら追い抜き、そのまま走り去るという派手な形で登場し、ゴードンを震え上がらせた。上記のセリフは当時発した初ゼリフ。
かつて、レディーを壊そうと目を付けて痛めつけただけでなく、全ての機関車を破壊しつくそうとした事から、ソドー島中の蒸気機関車たちに恐れられ、嫌われている。トーマスたち全ての蒸気機関車を道連れにしてまで、レディーを見つけ次第即刻スクラップにしようとするのが、ソドー島に戻って来た目的だ。
夜、トーマス達が眠っている機関庫を襲撃するが、ミスター・コンダクターが砂糖を見せた事により失敗に終わったが、次の日の夜に魔法の線路やその入り口である車止めの事を知った時、全ての蒸気機関車をバラバラにする前に車止めを壊そうと企んだ。
後日、クロンク橋の近くでミスター・コンダクターを発見し、そのままピンチーで捕獲。更にはクロンク橋から落とそうとする形で脅して車止めの場所を喋らせようとしたが、パイプを1本ハサミで切られた事により、ミスター・コンダクターを吹っ飛ばして逃がしてしまい、また失敗した。
その後、偶然にも自分の屋根の上に飛んできたジュニアをそのまま連れ去り、一晩中走り続けた果てに、なぜかひょんなことから精錬所にいたジェームスの目の前で止まり、そのままジュニア諸共バラバラにしようと追い詰めたが、ジュニアが残された僅かな魔法の粉でジェームスと共に逃げたため、これも失敗に終わった。
そして終盤では、トーマスとレディーを見つけ、2両を壊そうとどこまでもしつこく追いかけたが、崩れかけたクロンク橋に差し掛かった時にはすでに橋の真ん中が崩落しており、ディーゼル機関車である事やピンチーを搭載している事、そして巨大な車体である事が絶望的な欠点となり、残された線路もろとも川に落下。最後は下を通っていたクレーン船の引いていた艀の石炭に落ちて、そのままどこかへ運ばれて行ってしまった(この時「まぁいいさ・・・クルーズにはもってこいの季節だ。」という小さな捨て台詞を残し、その後すぐに苦笑いした)。
その後の作品
2作目の「みんなあつまれ!しゅっぱつしんこう」で復活。気難しい性格だが、最後はトーマス達に協力する。
ただし、5作目の「ミスティアイランドレスキュー大作戦!!」のラスト→6作目の「ディーゼル10の逆襲」では、トーマス達へのある復讐のために、ソドー整備工場を乗っ取ろうとする。しかもこの時は、1つ1つの名前をちゃんと呼んでいる。(なお、どちらも本作と関係するのかは、まったくもって不明。)
余談
「魔法の線路」の日本語吹き替え版で、ディーゼル10の吹き替えを担当した「松尾銀三」は、この作品の公開から約1年後の2001年8月25日に、「急性くも膜下出血」により他界したことから、外国の映画の吹き替えを担当したのは、事実上この作品だけとなった。