概要
老成し、多くの人生経験を積んだ翁だからこそ分かった愛の力。
また言葉通りに、何が起こったのか分からない状況に対しての回答・感想として用いられる表現。
留意
外部の関連事項を検索すると、表記には「わからんか?愛だ、愛。」「わからんか。愛だ、愛。」など細かい台詞のバラつきがある。この傾向から、本稿「わからんか、愛だ、愛。」は字面に書き起こした表記の一種として留意を推奨する。
愛の力だな…
初めて見た白竜なのに、それは「ハク」と、不思議にも分かる千尋。体中傷付いて、血だらけになったハク(白竜)は、獣の姿もあってか、終始興奮状態で威嚇している。大きく割けた口から牙を剝き出し恐ろしく厳つい表情。
だが助ける。
一人の少女・荻野千尋は、目の前にいる大きな獣を、鋭利な牙をみせて今にも嚙みつきそうで錯乱している白竜を前にしても臆していなかった。千尋は河の神様からもらった「ニガダンゴ」を手に、白竜の大口へ躊躇なく片手を突っ込み、神の贈り物「ニガダンゴ」をハク(白竜)へ飲み込ませた。
〝 きっと、この団子が助けになる 〟
千尋は直感からの決断で、ハクを「助けたい」の一心で、無我夢中に体全体で苦しむハク(白竜)へ抱きつき宥める。
この行動が功を奏し、魔法使いの少年・ハクを苦しめていた魔法『黒いまじない』を体から吐き出させる事が出来た。
しかし、白竜から少年に戻っても意識は戻らないハク……。
魔法の傷は油断できない。それでも力になりたいと、まだ気を失っているハクを看病する千尋。
そして今の自分(わたし)ができる事。恩人・ハクが死にそうなほど傷を負った原因「魔女の契約印(ハンコ)」を、持ち主の魔女・銭婆へ返し許しを得ようと願いでる千尋。だが、たとえ銭婆の元へ行っても許されないかもしれない、そもそも相手は恐い魔女であり何をされるか分からない、そして行けたとしても帰りはないかもしれない道程だと忠告する釜爺。
でも行く。
千尋は、一人の人間は、曇りなき眼で迷いはなかった。
その後に合流した湯女の娘・リンから、今の油屋が大変な事態である事、その原因である「カオナシ」は千尋が招き入れた事を知る。先ずは自分の後始末をつけなければならないと、千尋は眠り続けるハクへ慈しみの様子で語りかけた。その姿は、トロい小娘と言われていた人間ではなく、立派に成長した一人の人間であった。
偶々に一人の少女と竜の成り行きを見届けた老人・釜爺は、一体何がどうなってるのか分からないリンへ―
『 わからんか 愛だ 愛 』
と、しみじみに答えた。
爺には分かった。小さな娘を逞しく、尊いと感じさせるほどにみせる献身的な姿勢(グッドラック)に「愛」が関わっていると。
関連項目