概要
レイトンシリーズの一つである推理ゲーム「ミステリールーム」の主人公を務める天才分析官。29歳。
スコットランドヤード(イギリス警察)の窓際部署「ミステリールーム」に所属し、「彼が本気を出せば解けない事件はない」と言わしめる。
鑑識からのデータを基に事件現場を再現する投影システムをオフィスに設置しており、現場にはほぼ出ずに事件を解決する。(いわゆる「安楽椅子探偵」に近い。)
しかし、その実力をかわれる一方で危険人物視もされており、署長からは密かに監視されている。
レイトン教授シリーズの主人公、エルシャール・レイトンの息子であるが、顔立ちや髪、目の色などの共通点はほぼ皆無。また直観力に優れた弟がいるらしいが、こちらも詳細は不明("妹"を皮肉でそう言っていた可能性もあるが)。
部下であるルーシー・クレイラからは「教官」、同期であるヒルダ・スワンソン、ドーン・ドネガンからは「アル」と呼ばれている。
人物
性格
非常に穏やかな性格でおっとりとしている。
本シリーズのレイトン教授とよく似たテンションだが、作中でルーシーに証拠品を壊されて「んがっ!」と悲鳴を上げたり、呼び寄せた容疑者にルーシーとの仲を疑われてタジタジになるなど、動揺することも多々ある。
「僕の推理では……○○が犯人だ!そう、これは……●●%の確率で正しい。」
と、理論的ではあるが同時に直感も重んじており、具体的な捜査に入る前に犯人の目星をつけ、同時にその信憑性を具体的にパーセンテージで明言してから推理を始めるという独特のスタンスを持つ。
作中では後半になるまで現場に出る事はなく、ヒルダに言われて外出する事になったときも
「時間が惜しい。一刻も早く出発しよう。そして、一刻も早く帰ってくるんだ!」
と、出かける前から帰る気満々であった(しかも電車の中で盛大に乗り物酔いしている)。
雑学として料理についての知識は多少あるものの、料理をする事自体は「非効率」と思っているらしく、「電話一本でピザが届くのに、なぜ料理をする必要があるんだい?」とまで、言い切っている。酢豚の中のパイナップルにも否定的。
作中でアルフェンディが父親=レイトン教授について発言する部分はあまりないが、紅茶や古めかしいデザインのものが好きな点は父親の影響であると語っている(ただ、紅茶について特にこだわりはないらしい)。
また、ミステリールーム内の背景画像を見る限り、片付けの下手さもおそらく父親似と思われる。
【悪い教官】
犯罪者を目の前にした時に現れる、アルフェンディ第二の人格。
普段立っている前髪が下り(髪の色も通常より赤みがかったものになる)「殺すぞ」「上顎と下顎を溶接してやろうか」など、普段の彼とはかけ離れた凶暴な言動を見せるようになる。
鑑識課のバルバラの、「犯罪者を憎んでいるのではなく、愛している」「それも凶悪であればあるほどいい」という言葉通り、犯罪・殺人について独特の理念を持ち、美学ある殺人は芸術のように賞賛する(逆に理念のない殺人には嫌悪感を露にする)という、温厚な父のそれとは真逆と言っていい邪悪な探究心を見せる。
基本的に犯罪者の前でしか現れず、その時は犯罪者に夢中なので危害はくわえてこないらしい。
バルバラ曰く「(もし犯罪者のいない時に彼が現れたら)私だったら点滴置いて逃げ出すね」。
だが、ドネガンには「元相棒の頼みならいつでも姿を現そう」と答えている等、彼なりの人間性や義理人情も一応持っており、「なんなんだこのホコリっぽい空間は!」と一声だけ怒鳴ってすぐに引っ込んだこともある。
ちなみに、ゲーム前半エピソードのクリア時は、通常ならばいつものアルが総評をしてくれるが、ある一定の条件を満たせば、「悪い教官」のアルからの評価がもらえる。
英語版
日本語版にはない設定が追加・変更されている。下記はその一部である。
・アルフェンディの階級は警部補(Inspector)であり、4年前と今では階級が下がっている
・英語では教授も教官も一様に呼び名がprofになるため、それについてアルフェンディが一言述べるシーンが追加されている(余談だがこの時「大学教授をしていた父」と語っており、すでに過去形である)
・紅茶はどちらかというとアールグレイ派(父の影響と語っている)
・バルバラは穏やかなアルフェンディの方をアルと呼ぶ
・悪い教官は日本語版ではルーシーから「キザったらしい」と言われているが、英語版ではそれが抜け「いつも不機嫌」と言われており、日本語版よりも荒々しい性格に描かれている
・父に対して、「Forget Hershel!(エルシャールの事は忘れろ)」「I AM LAYTON(僕『が』レイトンだ)」という意の矢印が出るなど、日本語版よりいささか複雑な感情を抱いている
関連タグ
関連サイト
LAYTON BROTHERS MYSTERY ROOM (6か国語選択・公式サイト)
アルフェンディが抱える秘密
※以下は「ミステリールーム」本編の核心部分のネタバレを含みます。未クリアの方は要注意。
実は、普段表に出ている穏やかな方のアルフェンディは『パズルピース連続殺人事件』をきっかけにして生まれた第二の人格であり、本来の人格はルーシーが『悪い教官』と呼ぶ方の狂暴なアルフェンディの方である。
4年前は刑事課に所属し、ドネガンとコンビを組んでおり(見た目もグレーのスーツで今より短髪)、ヒルダ、署長と共に少数精鋭のチームを組んで『パズルピース連続殺人事件』を追っていたが、ラドモント城に、犯人バドリオ・キンケイドが潜伏している情報を入手すると、援軍を待たず単身突入。結果、バドリオから撃たれ、銃弾を胸に受けて瀕死の重傷を負ってしまう。
さらにこの時、裏でバドリオと内通していた相棒のドネガンが自らの悪行の清算の為、バドリオを射殺。その犯人がアルフェンディであると、昏睡中の彼に洗脳を施した。
結果、アルフェンディの中に、バドリオを殺したという自負と記憶を持つドネガンに都合の良い人格が誕生し、これが彼が二重人格となったきっかけとなった。
長らくその記憶を疑うことは愚か、どちらの人格が本来の自分であったかすらも忘れ、ひたすら脳に染み付いた殺人の記憶を拭い去れずにいたが、バドリオの娘であるソフィ・キンケイドが彼を逆恨みして起こした一連の事件を通じ、最終的にルーシーと共に真実にたどり着くこととなる。
事件解決後も二つの人格は変わらず共存しており、肉体の主導権も第二人格である(ルーシー曰く)
「優しい教官」の方のアルフェンディが変わらず握っている(理由は不明)。
また、「悪い教官」の出現頻度も増えており、ルーシーの前に普通に姿を現すようになっている。
どうやって第二人格が誕生したかをドネガンに追求した結果、「絵に描いたような安っぽい洗脳の本」を延々昏睡中に枕元で読み続けられたせいだと知った時などは、
「あの野郎、出所したらぶっ殺してやる!」
「泣きたいのはぼくの方さ!」
と二つの人格をコロコロ入れ替えながら怒ったり嘆いたりとだいぶ忙しい事になっていた。
2017年に発売された「レイトンミステリー探偵社」ではレイトン教授の娘であるカトリーが登場し、エンディングでは彼女が親子関係に関する衝撃の発言をする。その言葉から、アルフェンディもそうなのだろうと推察できる。
全てのナゾをコンプリートするとフリートークが追加され、そこでカトリーとアルの関係性を明示される。この時、日本語版では直接名前を出されてはいないが、海外版では『Alfendi』としっかり出ている。
また、TVシリーズ『カトリーのナゾトキファイル』fair50ラスト、探偵社に依頼人として来訪(声無しだが)出演を果たした。