「現実は、いつも稀有なものなのです!」
概要
レイトンシリーズの一つ、『レイトンミステリージャーニー/探偵社』の主人公を務める21歳のうら若き女性。そして何を隠そうあのレイトン教授の娘たる人物である。
行方不明になった父を探す(+ロマンを求める)目的で、ロンドンのトレーヌ通りに「レイトン探偵社」を開業。しゃべる不思議な犬「シャーロ」や、彼女を慕う青年「ノア・モントール」と共に様々な「珍事件」の解決に身を乗り出していく事になる。
自他共に"カトリー"の愛称で通しており、レイトンの名字で呼ばれる事は稀。
性格
極めて自由奔放かつ気分屋な性格で、しょっちゅう脱線する行動や発言をシャーロにツッコまれる事はお約束。
周りの人間が奇妙に思ったり恐怖したりする依頼内容であっても、「面白そうですね!!」「(ナゾの全貌が)みえないから面白いんじゃない!!」と目を輝かせて俄然やる気になる他、ゾンビや怪盗を恐れる事も無ければ、犬であるシャーロの言葉が聞こえる事に対して「これくらいでは(驚かない)」という発言をしている辺りかなり肝が据わっている。
そして物事ははっきり口にするタイプであり、ノアやシャーロが控えておいた方がいいと思っている発言もカトリーはあっさりと口にしてしまうので、二人を慌てさせる事がしばしばある。
上記の性格も相俟ってかなりのお転婆気質だが、英国紳士である父から淑女として礼儀正しくふるまうよう教育を受けていたため、本人も基本上品にふるまう努力はしている。そう、努力は。
趣味・嗜好
通常は、腰にリボンがついた赤いワンピースに黒のレギンスタイツ、(探偵としての機動性を重視してかヒールの低い)緑の靴といった「いつもの服」の姿が基本。
外出する際はベージュのコートと、頭には10歳の頃に父からプレゼントされた同色のシルクハット付きカチューシャを着用している。(尚、シルクハットはカチューシャから取り外しが可能である)。
それ以外にも、年頃の女性である為ファッションには興味津々で、ゲームではプレイ中に入手した様々な洋服に着替えた状態でプレイことが出来る。
反面、典型的な「花より団子」タイプでかなりの大食い。
ナゾや事件に食べ物が絡んだりすると俄然やる気になる。特にスイーツには目がなく、アニメ版では推理をする際は事件の全貌をまずスイーツに例える所から話し始める。
その度にシャーロから「余計わからんわ!!」とツッコまれている(しかし回を経るについて慣れてしまった模様)。
贔屓にしているお店はヤンチャッタ菓子店のスイーツで、幼少期には父親と共に訪れている。また、彼女が身につけるアクセサリーはお菓子のモチーフ(フェイクスイーツデコ)が多く、アニメのOPではネックレスのチャームが回ごとに違っている(尚、このチャームはファイルと共に女子向け玩具として発売され、SWITCH版のソフトとも連動する)。
色恋沙汰に対する関心も薄めで、あるフェスティバルの調査をする際は調査対象の告白大会よりもフェスティバルの屋台の食べ物を気にしたり、ノアから人気監督の新作映画の試写会に招待された際は恋愛作品に気乗りしなかったのに、映画館内で販売されているポップコーンの話には食いついていた(アニメではキスシーンに憧れる様子は見せたものの、映画鑑賞以外の場面ではひたすらポップコーンを食べている)。
当然、ノアの好意にも全くといっていいほど靡いていないが、「助手としてまだまだね」と呆れつつも探偵社においていたり調査の際に同行させたり、彼のプライベートなお誘いを受けたりする辺りはある意味で彼に気を許している節が見られる。
活躍
ナゾトキの際は自らの"ひらめき"と直感を重視し、関心の赴くままに動いて得た情報から導き出した答えを、軽い根拠しかないのに断言する「強引な推理」をやってのける。
アニメの方では、ナゾや事件の全貌を明らかにする前に必ず3度に渡ってカメラ視点+大仰なポーズをするのがお約束。しかし、時々そこに父親をリスペクトするかのようなセリフが入る事がある。(例「もし、この事件(中)に犯人がいるとすれば…」)
そして一見ふざけているようなパフォーマンスの後に披露する、突拍子もない推理内容は何故か次々と的中する(あまりにも的確に図星をつかれる為、犯人も物的な証拠が無いにもかかわらず隠せなくなってしまう)。ただし、そのコメントは『過程をすっ飛ばして結論だけを述べる』というものなので、犯人以外には全く意味がわからないことが多い。
そのためシャーロやジェラルディンからは"運頼り"と称される事もしばしばだが、自ら現場やその周辺に赴いて残された手がかり等から推理をしている辺りは、考古学者ゆえに博識である父と違い、あくまで「探偵」を生業としているカトリーのスタイルと言える。
そして故意に悪事を行う者には辛辣な表現を浴びせる事はあるものの、毎回犯人の罪や事件の被害が軽くなるようなアドバイスや根回しをさりげなく行い、事態を丸く治めてしまう等、破天荒な行動の裏には父譲りの頭の回転の速さと、抜け目のない正義感や女性らしい優しさが見え隠れしている。
探偵社を開業する前からその(強引な)推理力で事件を解決に導く活躍をしており、開業後はその時の縁でアスポワロ警部の捜査に協力したり、ロンドンで起こる事件やナゾの依頼を受けたり、現場に居合わせたりと解明に奮闘する姿は嘗ての父の活躍ぶりを思わせる。
ロンドン以外のイギリス各地、偶に世界中を周っていた父親は自動車を主として様々な乗り物に乗っていたが、探偵社のあるロンドン近郊を行動拠点としているカトリーの主な移動手段は自転車(アニメで遠方に出向いた際は懐かしのある列車を利用していた)。
父への想い
探偵社を営み多くのナゾを解明している一方、探偵社を開いた肝心の目的「父エルシャール・レイトンの行方」については進展が全く無い。
ゲームのOPでは彼が勤めていた大学・グレッセンヘラーカレッジの教授部屋の前で、幼少期のカトリーと共にいるエルシャールの姿(但し目元はハットで隠れている)が確認できる。そして、アニメのFile10にて彼が失踪したのが11年前(当時のカトリーは10歳)と判明した。
それから現在、カトリー自身は一人暮らしをしており、年下であるノアの前ではお姉さん風に明るく振舞ったり想定外の事態で誰もが驚愕する中で一人冷静になったりと年上の女性らしい面を見せるものの、姿を消そうとする父を追いかける夢を見て涙したり、父親の姿(実際は幻覚)を見て動揺したり、ふとした瞬間に父親の事を呟くなどといった、父への思慕と再会を望む寂しげな様子が窺える。
「大好きなパパのことだもん、離れ離れになっても、忘れるはずないじゃない」(アニメFile9)
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ネタバレ的な重要機密
ゲームエンディング後及び、アニメで明かされた真実。それはエルシャール・レイトンとは血の繋がりがないということ。
とは言えシリーズ経験者の大半はそうだろうと予想していたようだが。
物語の21年前、考古学者のカミラ・エイザーンという女性は、ロンドンに向かおうとしていた船内で産気づき、嵐で沈没寸前の船から避難する乗客・船員に見放されてしまう。唯一それを良しとしなかったのが、成長し、帰省のため偶然同じ船に乗り合わせていたルークであった。
船の中に残った彼の助力によって赤ん坊は無事に産まれる。しかしカミラ自身は体力を使い果たし、最後まで助けようとしたルークに我が子を託して船と運命を共にした。
今わの際の言伝によって赤ん坊はレイトン教授の元へと連れていかれ、カミラが追っていた「秘宝レリクス」の件も含めて教授は彼女を育てる事を決心。
何時までも赤ん坊ではダメだとして「カトリーエイル」と名付け、身寄りのない彼女を養子として引き取った。
愛する娘としてカトリーの成長を見守る10年間の中で、本当の父親の方も恐らく生きてはいない事を調査・推理によって悟ったエルシャールは、"真実を知る事が本当にカトリーの為になるのか"と難色を示したルークやローザに「全ての真実をもって、本当の親子になりたい」と吐露。一連の事実を11年前に「ナゾ」として手紙に書き残した。
彼としてはナゾを解き明かし、カトリーが大人になってから真実を伝えるつもりだったようだが、その為の調査中に真相の一端に触れられるも黒ずくめの集団に襲撃され生命の危険を感知しエルシャールはルークと失踪。ローザに見守られながらの少女期を過ごしたカトリーは20歳を迎え、何も知らないままにその手紙を読むこととなった。
しかし彼女はショックを受けながらも前向きな姿勢を崩さず、自らを尚「エルシャール・レイトンの娘」と名乗り続け、父の行方を追う事、その為にレイトン探偵社を開業する事を決めたのである。
「どんな事を聞かされても、パパはやっぱり私のパパ。それに変わりは無いよ」(アニメFile20)
そして突如父親が姿を消してから11年後。英国淑女となった彼女の元を訪れたローザから上記の経緯を打ち明けられた事で、カトリーもまた自身の出生とナゾを追う事を決意。
レイトンが追っていた謎の究明を独自の観点で切り崩しながらも謎の秘宝を取り巻く運命の渦に巻き込まれる事となる。