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アンドロギュノス

あんどろぎゅのす

両性具有を意味する。ラテン語起源の「アンドロギュヌス」も同じ意味。ハーマフロダイトも両性具有であるが、幾らか意味に違いがある。
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概要編集

両性具有」または「男女(おめ)」を意味する。古代ギリシア語の androgynos のカタカナ表現。この単語がラテン語化されて、androgynus(アンドロギュヌス)となった。従って、両者はほぼ同じ意味で、両性具有である。また、生物学では、「雌雄同体」を表すのに、この単語やそのヴァリエーションが使われる。


androgynos(アンドロギュノス)に形容詞接尾辞「-ous」がついたものが、androgynousアンドロジナス)で、「両性具有的」という形容詞である。アンドロギュノスと同じ意味にも使われるが、他方、形容詞であるので、男性、女性、両方の外見・印象を持つ対象(人物等)に対して、アンドロジナスが使われる。この場合は、男女どちらとも同定できない「中性」の意味である。


語源編集

古代ギリシア語で、男性を意味する「アネール(aner)」と、女性を意味する「ギュネー(gyne)」の合成語である。アネールの接続形である「アンドロ」にギュネーを合成した「アンドロギュネー」が起源で、この語を男性形にすると、アンドロギュノスになる。


ハーマフロダイトとの違い編集

同じ「両性具有」を表す言葉に、hermaphrodite(ハーマフロダイト、ヘルマフロディテ)がある。この言葉は、語源的には、ギリシア神話のヘルメス神(Hermes)とアプロディーテー女神(Aphrodite)の合成で、古代ギリシア語では、「ヘルマプロディーテー」という。他方、ギリシア神話で、両神のあいだの子がこの名を持つが、息子であるので、男性形の「ヘルマプロディートス」となる。ヘルマプロディートスは両性的な美少年であったとされる。


一般的には、ハーマフロダイト(hermaphrodite)が使われる。この語とアンドロギュノスの違いは、アンドロギュノスが基本的な意味からして、生物学的特徴(つまり、性腺生殖器性染色体性ホルモン)等において、両性具有的であるに対し、ハーマフロダイトは、外見的な特徴や印象が男性と女性双方を思わせる場合を指す。


完全な両性具有は、人間などでは生物学的に存在せず、実際にあるのは、インターセックス間性)や半陰陽である。そのため形容詞のアンドロジナスとなると、「中性」という意味がより妥当となる。ハーマフロダイトの場合は、神話のヘルマプロディートスが、ヘルメスとアプロディーテーのあいだの「息子」であったと明確に生物学的性が明らかであるため、外見的に男性と女性の特徴・印象を持つ人が、ハーマフロダイトになる。


サルマキスとの関係編集

サルマキス(Salmakis)は泉のニンフ(ナーイアス)である。彼女は、美少年であったヘルマプロディートスを襲い、両者は一つの身体の存在となり完全な両性具有となった。サルマキスがヘルマプロディートスを襲った泉は、「サルマキスの泉」と呼ばれる。


プラトーンが『饗宴』で語る両性具有編集

古代ギリシアの哲学者であったプラトンは、著書『饗宴』において、登場人物のアリストパネースの話として、人間は原初、二つの頭、四本の手を持つ球の形の両性具有存在で、非常に強力な力を持っていたので、神々はこれを怖れて、球体の両性具有人間を二つに切り分けて、男女を作ったとしている。


このため、元は一つであった男と女は、球的な一体性を求めて、対になる伴侶を求め恋するのだとされる。これが「愛(エロース)」の始まりであるとされる。また、球体人間が切り分けられた時、男と男となった場合や、女と女となった場合もあり、男の同性愛や女の同性愛は、このように切り分けられた男女が、球体的な元の姿を求めるたに生まれたとも述べている。


関連記事編集

親記事:両性具有

子記事:Androgynous

兄弟記事:ふたなり半陰陽雌雄同体インターセックスhermaphrodite


参考文献編集

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両性具有 りょうせいぐゆう

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