概要
英語表記は「Avali」または「Avali race(アヴァリ族)」
イギリス出身のフリーランスアーティストRyuujinZERO氏の創作によるオリジナル異星人種族。
PCゲーム「スターバウンド」用の追加種族MODとして、同氏によって製作・提供されたアヴァリ族のMODが高クオリティな出来であったために好評を博し、英語圏のケモナーや人外系の創作界隈を中心に一定の知名度と人気を得た。
小型の羽毛恐竜、鳥類、兎、鼠などの小動物が合わさったような外見に四つの長い耳と大きな目が特徴で、若干グレイ型宇宙人を彷彿とさせる風貌をしている。
全身柔らかい羽毛で覆われており一見小さくて可愛らしい種族であるが、住んでいる惑星と生態的構造の関係で非常にアンモニア臭いという。(後述)
アヴァリはいわゆる「Open Species(オープンスピーシーズ)」(二次創作が公認されている架空の種族や生物)に該当する。
英語圏ではスターバウンドのプレイヤーを始めとして独立したファン界隈が出来上がっており、FurAffinityやdeviantARTなどの海外イラストSNSではアヴァリ族のファンアート、オリジナルキャラクター、派生作品などが多種多様に製作・投稿されているのを見ることが出来る。
公式イラストでのアヴァリ(詳細なデザインと簡略化された際のデザイン)
セカンドライフ上にもファン製作によるアヴァリ族のアバターが存在する。
生態
アヴァロン星という氷の惑星に住む。
外見上はドロマエオサウルス科の恐竜にいくつか類似した特徴があるが、体の仕組みは地球上の生物とは完全に異なっており、水分の代わりに液体アンモニアをベースとした血液を持つ。
液体アンモニアの沸点は-33.35℃であり、アヴァリ達が住むアヴァロン星は常温が-40℃~-50℃という超極寒の惑星である。
当然アヴァリ達も非常に冷たい体を持ち、体を覆う羽毛はアヴァロン星に吹き荒れる霰などから身を守るためにある。(極寒の惑星アヴァロンでは雪が土、氷が岩、吹雪や霰は砂嵐に該当する。)
アヴァロン星は地球よりも重力が軽くて気圧が高く、空気中には主にメタンや窒素や水素が含まれている。そのためアヴァリ族を始めとしたアヴァロン星の生物は水素の補給によってアンモニアベースの血液を安定させる特殊な構造の肺を持ち、地球の常温と同じ温度の惑星に丸腰で訪れても定期的に水素を補給することで長時間生き延びることが出来る。
4つの耳は非常に聴力に優れ、複数の音がそれぞれどの方向から聞こえたのかを的確に聞き当てることが出来る。耳の内部に特殊な器官があり、一定以上の音量を和らげるため、大きな音を聞いても鼓膜が傷つかない。
アヴァロン星には光がほとんど存在しないため、大きな目は少しでも多くの光を拾うためにある。暗闇では赤外線カメラと同程度の度合いで色を識別することが出来る。しかし入ってくる光を調節出来るような構造は無いため、眩し過ぎる場所では裸眼だとほとんど何も見えない。
オスとメスの外見上の違いはほとんど無く、また雌雄共に生態的には爬虫類および鳥類に近いため、オスに哺乳類のようなペニスおよびメスに乳房は無く、生殖器は鳥類と同じ総排出腔のそれを有しており、生殖行為も鳥類と同じ仕組みで行われる。
模様については個人差もあるが雌雄別で若干の傾向はある。
オスは比較的彩度の高い色を持つ個体が多く、また特徴的な帯状の模様が必ずある。この帯状模様部分はラメと同様の仕組みで、光の角度によって玉虫色に輝く。
メスはオスに比べるとやや彩度の低い色合いの個体が多く、帯状模様の部分もオスよりも少なく、模様・色合いの傾向としてはツートーンカラーや、まだら模様または短い縞模様があることが多い。
非常に高度な文明と技術を持ち、特殊な装甲や武器などを用いる。文化では特に音楽や芸術方面に秀でている。
非常に多様な個性があり、地球上のどの人種にも当て嵌まらないため、一概に例えることは難しい。
惑星間の移動の際には特殊なスーツを着用することで概ねどのような惑星にも訪れることが出来る。
基本的に肉食で、植物は調味料程度の量で摂取する。しかし食においても幅広い多様性があるため、菜食主義者のアヴァリも少なからず存在する。
パックと呼ばれる4~6匹ほどの群れで生活し、このパックはアヴァリ族の生活には欠かせないものとなっている。パックの絆は血縁関係と同じくらい強く、各パック内のメンバーはお互いの関係をよく把握している。
パックを失ってしまうことはアヴァリにとっては致命的で、人間で言う障害を持つことに等しい。小柄な種族であるアヴァリに対し、獲物とする生物の多くはアヴァリの何倍もの大きさがあることが主な理由である。
スターバウンド用に用意された設定では、スターバウンド内の公式種族であるAvianから分化した種族であり、分類的には鳥系の種族ということになっている。
歴史
RyuujinZERO氏によるとアヴァリ族の構想やデザイン案自体は兼ねてより存在していたが[参照]、具体的に形を持ったものではスポアのゲーム内で製作されたものが初出。
この頃のアヴァリは現在のデフォルトであるスターバウンド版アヴァリと比べると、大体の造形は共通してるが頭部の形状などに顕著な違いがある。
スポア版アヴァリは全体的に大柄で、マズルも長くがっしりしており、一見した印象はかなり異なる。
このスポア版アヴァリの人気はあまり著しく無く、アヴァリ族のデザインはしばらくの期間を経て練り直される。
そしてスターバウンド用のMODとして発表されたアヴァリは現在のような親しみやすく可愛らしいデザインとなって蘇り、また多様性に富んだ外見のカスタマイズの面白さなどもあって飛躍的な人気を博した。
ここからアヴァリ族の人気はスターバウンドの交流サイトを中心に盛り上がり、FAなどのケモナー向けイラストSNSサイトを経由してスターバウンドプレイヤー以外の層にも知名度を広め、現在では英語圏のケモノファンダムを中心に一定の人気およびファン界隈が出来上がっている。
現状
作者であるRyuujinZERO氏がこの種族に関する更新を事実上停止しており、MOD等の管理は有志の手によって行われている。
アヴァリ族のデザインや設定などはCC BY-SAの元で提供されていることが明記されており、アヴァリ族を元にした二次創作・派生作品は商用利用を含め自由に行えることに変わりは無い。(作者であるRyuujinZERO氏の名義は状況に応じて適宜明記すること推奨。)
関連イラスト
アヴァリ(指輪物語)
トールキンの『指輪物語』に同名の種族が登場する。
エルフの一種で「応ぜざる者たち」と呼ばれ、神々の住むアマンに向かわなかったエルフたち。
外部リンク
スターバウンド公式フォーラムのアヴァリスレッド(アヴァリMODの配布元)