概要
古生代のデボン紀~石炭紀前期頃(だいたい3億3000万年くらい前)に生育していたシダ植物の仲間。シダ植物のうち、裸子植物の祖先にあたる前裸子植物に分類される。
現在の北アメリカや北欧(ノルウェー辺り)に相当する地域に生えていた。
名前は「大昔の羽根」という意味だが、始祖鳥ことアーケオプテリクス(意味:古代の翼)とは別物。鳥でもないのに「羽」とつくのは葉っぱが羽根のような形に見えるからで、動植物を問わず羽(羽根)っぽいものにはつけられることがある。
特徴
木のように大きく成長する「木生シダ」に属し、幹はスギや松のような針葉樹に似ている(葉っぱは胞子をつけるのが特徴で、シダ類のそれ)。中には10メートル越えの巨木になるものもあったが乾燥には弱かったらしく、湿地や水辺などの湿った場所に生えていたようだ(当時は温暖だったが、内陸部は乾燥していた)。
デボン紀~石炭紀にかけてはシダ植物の全盛期で、このアーケオプテリスの他にもレピドデンドロン(鱗木・封印木)やマリオプテリスといった木生シダの仲間が多数生育し、鬱蒼としたジャングルを形成していた。そうした木々が石炭紀の高濃度(35%)な酸素をつくり、現在石炭として産出するのである。
※日本産の石炭は新生代になって生成されたもの。この当時日本列島は海の底だった
なお現生のシダ植物は大抵がスギナ(土筆)、ワラビ、コゴミ(クサソテツ)、ゼンマイといった「草」だが、現代でも木生シダは存在し、亜熱帯に生育するヘゴやタカワラビの仲間がみられる(子孫というわけではない)。
シダ植物から裸子植物へ
れっきとしたシダ植物なので種ではなく胞子で増えていたようだが、これに近いグループから「シダ種子類(別名「原裸子植物」。文字通り種をつけるシダ植物の仲間)」が派生し、そこから古生代の終盤に裸子植物が誕生。ペルム紀・三畳紀を経てジュラ紀頃までは共存していたものの、白亜紀に被子植物が登場すると入れ替わるようにシダ種子類は衰退し絶滅した。
ちなみに被子植物で最初の樹木はモクレンに似ていたらしい。
関連タグ
裸子植物→シダ植物には裸子植物の祖先にあたるグループがあり、アーケオプテリスはこのタイプ