曖昧さ回避
『インフィニットループ 〜古城が見せた夢〜』(インフィニットループ こじょうがみせたゆめ)は、2008年7月24日に日本一ソフトウェアから発売されたアドベンチャーゲーム。
幽霊になった主人公が周りの人間に憑依し、城内を探索していく。
憑依といっても相手としゃべったり、相手を支配するということはできず、相手と一緒に動くことしかできない。憑依中の人物に夢を見せることで、間接的に悲劇を回避することが目的となる。
タグとしては「インフィニットループ」が使用されている。
物語
これは、とある王族社会の古城で起こった物語――
先王が亡くなり、国葬も終わったかというとき、城内では次々と突然死する原因不明の流行り病が蔓延します。
人々は病を恐れ、城に近づく者はおろか、城下からも逃げ出す者が増えていき、国力は衰退の一途を辿っていました。
王位継承の儀を控えた若き王子・ウィリアムは、流行り病の原因調査に乗り出します。
しかし、その矢先、突如現れた死神の眼を見た王子は、あえなく死亡してしまうのでした。
……気が付くと、王子は幽霊の状態になっていました。
彼は彼の遺体を見つけたメイドの背後に憑依します。
そのメイドが偶然立ち寄った占い小屋で、王子は流行り病が死神のせいであることと、死神に会って幽霊になったのは自分だけであることを知ります。
王子は自分だけが現世にとどまったことに何か意味があるかもしれないと考え、城にいる者たちの背後を憑依して渡り歩くことにします。
その先に悲劇の円環(ループ)が待つことを、王子は知る由もありませんでした……
登場人物
ウィリアム
主人公。リゼーブルグ王国の皇太子。18歳。愛称はウィル。
父王が死に、王位を継ぐところだった。父王からの直系の王族は、ウィリアムとヴィーネのみである。正義感が強く、人望も厚い。流行り病の調査に乗り出し、王位継承の前日に死神と遭遇して命を落としてしまう。
セレスティア(CV:松岡由貴)
隣国の姫君。17歳。愛称はセレス。
少し気弱な性格である。自国には、老いた父王と皇太子である弟がいる。
ウィリアムの婚約者であり、彼を心から慕っている。乙女らしい外見だが、カエルを平気で手づかみできるなど、意外な一面もある。
ヴィーネ(CV:真堂圭)
リゼーブルグ王国の姫君。正式名称はヴァネッサ。9歳。
お兄ちゃん子であり、婚約者のセレスティアが気に入らない。
遊びたい盛りで、興味はもっぱら大人の男女の話。ときどき”早く背が伸びる薬”や過激な情事の本などを購入し、メイドのアイシャに没収されている。まだ、おねしょが治らない。
アイシャ(CV:荒井静香)
王城に仕えるメイド。18歳。おもに城に住む王族たちの世話係である。
心やさしく、気立てもいい。ウィリアムの遺体を最初に発見する人物でもある。
ちょっとぽっちゃりで食いしん坊なところがあり、王族たちが残した食事をこっそり少しだけいただいていたりする。
グラント(CV:吉川裕朋)
王城近くの小さな領地を収めている貴族。30歳。この年齢でまだ独身。爵位は公爵。
財力が乏しく、そろそろ貴族としてやっていけないかもしれない。 先王の時代、若くも王に気に入られ、発言力があった。
ネルズ(CV:麻生敬太郎)
宰相の地位を持ち、先王の時代から政治を任せられている。爵位は男爵。58歳。
ネルズもまたこの歳まで独身である。騎士としての功績もあった。賢く、政敵には容赦ない。
タチアナ(CV:長島伸子)
先王の時代から、王城内の隅に占い小屋を許され、住んでいる。年齢不詳。
少しばかり世捨て人な性質がある。家族はもう居ないらしい。歴史あるジプシー。
メアリ(CV:香坂夏希)
王城に勤めるメイド。玉の輿を狙っており、時々仕事をサボっている。
別の職を探そうと思っていたが、流行り病の騒動でメイドが減って忙しくなり、逃げ遅れた人。
アイシャを残していなくなることが出来ない、義理堅い一面もある。
ジミー(CV:里見圭一郎)
本名はジェイムズ。31歳。王城に勤める衛兵。主に門番として城の警備に当たっている。
ヴィーネやセレスティアのためならば命を捨てられると思っている。その性格が仇となり、ネルズに良いように扱われるところがある。
ペリテ(CV:窪田吾朗)
政治と距離を置いている教会の司教。73歳。国の行く末を案じている。
多くの人が彼に相談に来る。また、司祭のくせに怖がりの一面もある
ルケス(CV:川村拓央)
成り上がりの商人。商売敵が消えた王国の現状をチャンスと考えるチャレンジャー。44歳。
王城の御用達になろうと様々な人に接触を図る。嫁と一人娘がいたが、仕事一筋で家族に逃げられている。仕事が終わったら、もう一度会いに行こうと考えている。
ドレン(CV:藤本隆行)
地下牢に囚われている囚人。10年以上地下牢に閉じ込められて、忘れ去られていた。52歳。
宰相ネルズの政敵であり、彼に負けた経緯がある。長い月日によって、恨みがつのっている。
自身に何が起きたのかは語ろうとしない。牢獄の日々が彼の口を閉ざしてしまっている。