概要
サイレントヒル4に登場する。サイレントヒル2では、名前だけ登場。
「2」ではアパートのダストシュートにあった雑誌に世間を騒がせた殺人鬼として名前が出ている。
また、裏世界の病院のエレベーター内で突然ラジオから流れ出したクイズ番組の問題にも殺人鬼としての名前で登場する。サイレントヒル内では特に有名な人物だったようだ。
彼は幼い兄妹殺しの犯人として捕まり、その後兄妹を含め10人の人間を殺していたことが発覚する。
10人は一様に心臓を抉り取られていた。
この事件は当時世間を震撼させ、「ウォルター・サリバン事件」と呼ばれていた。
しかし、逮捕後、留置所内で食事に付いてきたスプーンで喉を刺し、自殺した。
その数年後、彼が起こした殺人事件を模倣したと思われる事件が、
サイレントヒル4では発生している。
この事件は世間では模倣犯が引き起こしたとされており「第2のウォルター・サリバン事件」と呼ばれている。
pixivでは、単に「ウォルター」として、タグの付けられている作品も多数あるので、
検索するときは「ウォルター サイレントヒル」で検索すると良い。
余談
主題歌の「room of angel」を始め、劇中で流れる挿入歌は全てウォルターの悲痛な心情を描いたものである。
ヘンリーとアイリーンがジョセフと遭遇する時に流れている「tender sugar」
グッドエンディングで流れる「Your Rain」
劇中未使用の「waiting for you」
特に「tender sugar」は殺人マシーンと化したウォルターの302号室に対する純粋な想いと悲痛な心情を歌い上げている。
関連タグ
ここから先は重大なネタバレを含みます!
彼ことウォルター・サリバンは実は捨て子であることが、物語を進めると徐々に判明してくる。
生まれた途端に両親に捨てられ、アパートの一室(ヘンリーの住んでいた302号室)に置き去りにされる。どうやら彼の父親はウォルターを生むことに反対だったらしく、終盤で彼の父親の話を聞くことができる。置き去りにされたウォルターはアパートの管理人フランク・サンダーランドによってセントジェローム病院へ運び込まれ一命は取り留めるものの、両親に捨てられたことにより、心に深い傷を負っていた。
その後、ウォルターはサイレントヒルの教団が運営する「希望の家」とは名ばかりの教団施設に預けられる。教団施設の生活はまさに生き地獄であった。まともな教育など受けられるはずもない劣悪な環境の中で毎日経典を読まされ、何か一つでも教団の教えを守れなかった場合はカビと錆の臭いが充満した水牢に閉じ込められ、そこでも酒癖の悪い監視員であるアンドリューに虐待される日々。昨日まで普通に遊んでいた友人ボブが明日には人知れず教団に処刑されたりなど狂気と恐怖に満ちた日常を送っていた。そんなある日、ウォルターはダリア・ギレスピーに302号室が自分の母親だと唆され、その母親を救うための儀式だと偽られ「聖母の経典」に深くのめり込むようになる。因みにその様をアンドリューは恐れていた。孤独な少年ウォルターは教団と出会ってしまったことにより、人生が歪んでしまったのである。
「聖母の教典」とは、21の秘跡(21人の生贄を捧げること)を完遂させて聖母(前作でいうところの神)をこの世界に降臨させるという儀式について書かれた書物であった。
誰からも必要とされず、望まれない生を受けた少年は次第に母親の影を求めるようになり、いつしか自分が捨てられた302号室自体をダリアの唆しも手伝って自分の母親と思い込むようになった。
そして彼は「母親」である302号室に頻繁に会いに行くことになる。車で数分かかる距離をある時は徒歩、またある時は電車を乗り継ぎサウスアッシュフィールドハイツの302号室に健気に通っていた。
しかし、そこで若き日のリチャード・ブレインツリーにいたずら小僧だと勘違いされてしまい、来る度に怒鳴られ追い出されていた。
ただ「母親に会いたい」という純粋な願いを持った少年はいつしか自分を「母親」に会わせてくれない世間への恨みを蓄積させた青年に成長していった。
そのウォルターの内なる憎しみに目をつけたのが教団の司祭であるジミー・ストーンでジミーは右腕であるジョージにウォルター内部に神を復活させようとするヴァルディエルを刷り込ませるように命じた。
その結果、ウォルターはヴァルティエルに操られたことも手伝い、自らの「母親」を穢れた俗世から解き放つために21の秘跡を実行することを決め、ウォルターは21の秘跡を完遂させるべく殺人に手を染めていく。
また、「母親に会いたい」という純粋な思いから過去の自分とも分裂してしまい、幼きウォルター(謎の少年)をも生み出してしまった。この分裂した幼きウォルターは彼の真の姿の具現化とも言えるべき存在で、彼の善なる部分、つまりは優しさの象徴とも言える。実際、「サイレントヒル2」内で拾えるウォルター事件の記事が書いてある雑誌にはあるウォルターの知人が「彼は殺人を犯すような人間には見えない穏やかな人物だった」と供述している他、本来生贄である筈のアイリーンを幼きウォルターがウォルター(大人)から守ったりしているなど、根本的には善人だったというのが分かる。
純粋だった自分と分裂したウォルターはもはやただの殺人マシーンと化し、ヘンリーとアイリーンを執拗に付け狙うことになる。
彼を止めるにはもう彼を殺すしかないことをヘンリーはジョセフにより聞かされることになる。
親に捨てられ、教団によって人生を狂わされ、純粋に母親を追い求めていた自分すらも忘れてしまったウォルターの行き着いた先は……。