概要
コイ目 ドジョウ上科 フクドジョウ科 ホトケドジョウ属に分類される淡水魚の一種。
学名:Lefua nikkonis
環境省レッドリストの絶滅危惧IB類に指定されている希少種。
北海道と青森県の河川中下流域や湿原、池沼、水田、用水路などの流れが緩やかか全くなく水生植物が豊富な浅い湿地に生息する。外来種としてサハリン南部にも生息するが、元々はサハリンにも在来集団が存在し、その後氷河期に絶滅したとされる。
形態・生態
体長は5~10cmほど。
オスは6cmほどだがメスは大型になり、8cmほどもある。口の周りに3対と鼻孔の皮弁が伸びた1対の計4対8本のヒゲを持ち、鱗が大きくよく目立つ。
尾鰭は丸く、基部中央に明確な黒斑を有する。
オスは口先から尾鰭にかけての体側に1本の明確な太い黒い縦縞をもつ。メスの縞模様は不明確で、細かいまだら模様がある。
遊泳性が高く、活発に中層~低層を遊泳する。
近縁種のホトケドジョウと似ているが、ホトケドジョウは体側に縦縞模様をもたない事や分布域の違いから区別できる。
シベリアや中国、朝鮮半島に分布し、本州の一部に定着している外来種のヒメドジョウとは以前亜種関係にされていた程とてもよく似ているが、ヒメドジョウは本種と比べ縦縞模様が細く体高がより低い。鱗は小さくあまり目立たないなどの点で判別できる。
他に似た種類にイチモジドジョウがいる。こちらは日本に生息しないが、北海道東北部のエゾホトケ個体群はイチモジドジョウに特に近縁とされている。
繁殖期は春から秋までと長いが、5~6月頃によく産卵する。
繁殖行動はオスがメスに巻き付きながら、水草に産卵する。
オスは1年、メスは2年で成熟し、3年以上生きるとされる。
観賞魚として飼育される事もある。
水質悪化や高水温にも比較的強く、餌もなんでも食べ、飼育は用意。水槽内での繁殖も可能。