概要
悪の大罪シリーズに登場する神の一柱であり、エヴィリオス地方で信仰されているレヴィン教の神話では豊穣と平和を司る大地神としてレヴィン教エルド派に信仰されており、数多くの森の眷属である精霊を従えている。
イリーナからは「老神」と呼ばれている。
創造神の旧友。
また、エルルカに大罪の器集めを依頼した者でもある。
かつては巨竜だったそうだが、エルフェゴート国にある千年樹の森の大樹として顕現し世界を見守っており、森の穢れでもある「大罪の器」の駆逐を目論んでいる。
しかし「神が必要以上に人間世界に干渉してはならない」という約定を固く守っているためエルルカに代わりをお願いした。
大樹としての寿命が終わりに近づいていることに気付き、自身の後継者として眷属の一人である「ミカエラ」を選び全てを託したあと、多少の不安を抱えながら天国「heavenly yard」に帰っていった。
悪ノPによると古代からいる神は(諸々を除いて)エルドのみであり、彼がいなくなったことで世界は神の手から離れてしまったとのこと。
レヴィン教エルド派
大地神エルドを信仰する宗派。
偶像崇拝を禁止にしており、森に祈りを捧げるのが特徴。
千年樹の森にある大樹を世界に顕現したエルドとして信仰対象にしている。
魔道王国時代のレヴィアンタでは「悪神」とされていた。
元々は少数宗派だったが、『レヴィアンタの災厄』により勢いが衰退したレヴィア派を抜いて信徒の数を多く獲得したが、時が経つごとに徐々に減少し元の少数に戻ってしまった。
エルド派にはそこまで強くはないが大地神の加護がかかっており、悪魔の術が効きにくいとのこと。
エルドが世界から去ったことにより大樹は枯れてしまったが、そこに新たに生えた木があることに気付いた信徒が新生エルドとして信仰対象にさせたという。
千年樹の森
エルド派の巡礼地でもあるエルフェゴート国に存在する大森林地帯。ルシフェニア王国まで跨がっており、ルシフェニア方面に属する部分は「迷いの森」と呼称されている。
元々の名は「エルドの森」だったが、ある時代のエルフェゴート国王がレヴィン教レヴィア派だったため、異神の名を忌む意味で現在の名に改称された。
特に整備された道などはなく、奥深いという地理を求め、かつてはメータが追跡から逃れ、原罪者が隠れ住み、フリージス家が緊急のため隠れ家を設置するなど、数多くの者が何らかの追跡を逃れ辿り着くなど何かと因縁がある場所でもある。
森はエルドのお膝元であるため彼の眷属である精霊達が住んでおり、魔力を持つ者以外はその姿は見えず、見えるのは外界に干渉する際の動物に化けた姿のみ。
セカンドピリオド時代(⚠ネタバレ注意⚠)
人間だった頃の本名は「エルド=ユグドラ」
レヴィアやリッチに教鞭を執っていた教授で、専門は生物学だが他の分野でも無数の成果を残した奇才でもある。
過去に裁判官の職に就いていたこともあった。
「her」の研究をするようになったのは自分の子供が「her」に侵されてしまったことがキッカケらしい。
姿見は艶やかな緑髪を持ち、若々しい顔をしている男性だが口調はそれに似つかない年寄り口調。常に厳しめな顔をしているため周りからは怒っていると勘違いさせられるほどだった。(シックル曰く「エルフェ人のモデルの参考にした」との事)
罪の方舟『クライムワン』にいた頃は動植物の創造を担当していた。
舟にはレヴィア達を除いた六十二人のクルーがいたが、舟に潜伏していた『her』によって死亡してしまったため、六十二人の精神データを新世界『サードピリオド』に安置し、「精霊」として転生させたのも彼である。
創り上げたサードピリオドの事で『her』の存在が気にかかっていたレヴィア、ビヒモ、ラハブ、ジル、ウラド、マリー、セイラム、リッチは自らの精神データをサードピリオドの住人に移植させ、新世界を管理することを主張したがエルドと同じクルーのハヅキがそれに反対する。
古き存在は古き存在らしくクライムワンの中で死を迎えようと訴えたが、平行線が続くだけでついには殺し合いまでにも発展してしまう。
クライムワンが墜落する中、レヴィアとビヒモ姉弟をハヅキと共に薬を使って双頭の竜「レヴィアビヒモ」に変えさせた。
彼は新世界の管理者になることを拒んでいながら「地神・エルド」となっていたのは『her』に蝕まれていたレヴィア達を監視するためである。そのため、「レヴィアンタの災厄」でエルルカの肉体に転生し、記憶喪失となったレヴィアに大罪の器探しを命じたのはそのカモフラージュらしい。
悪ノ娘時代
ルシフェニア王国お抱えの魔道師として君臨していたエルルカが微弱な「大罪の器」の気配を感じ、また紫の夢の能力でルシフェニア王国が滅んでしまうことを予知していたこともあり、今回の問題解決は自分一人でもはどうにも務まらないと感じ、宮廷魔道師の後継者探しという名目の元エルドに彼の眷属である精霊達を自分の助っ人として寄越すよう頼む。
エルドは最初は渋っていたものの、大罪の器が世に放たれることを許してしまった悔いから彼女の提案を飲み、三年経ったら自分の元へ返すように条件をつけた。
眷属には寡黙なグーミリアと人間に関心があるミカエラを選び、エルルカの弟子として添えさせた。
………実はグーミリアとミカエラがエルルカの転生術で転生する前にエルドは2人の記憶をコピーし、保存していたものを転生後の2人に上書きさせていた。これは転生すれば記憶は全くの別人になってしまうのでそれを防ぐ為のものであり、またエルルカとして生きている「レヴィア」が本当の記憶を取り戻し復活してしまう前に再度封印が出来るようにさせるため。
エルルカが助っ人を求めてきたことはエルドにとって最良なことだったのである。
しかし依り代である大樹が寿命を迎えていることを察知し、ミカエラの体に細工し、緑狩り令で命を落としたミカエラが自分の元へ戻ってきた時に後の全てを託させた。
(シックルはミカエラという後継者の神は要らないはずなのになぜ置いたのかを不思議に思っていたが、その理由がこれである。)