イリーナ=クロックワーカー
いりーなくろっくわーかー
モチーフ:猫村いろは
災厄によって滅びたレヴィアンタ魔道王国の生き残りの一人で、悪意の権化「her」の魔道師。
ぜんまい使いキリル=クロックワーカーの妹で、兄の婚約者エルルカの義妹にあたる。兄のキリルを密かに愛しているため、彼を奪った義姉のエルルカを内心憎んでおり、彼女への復讐と自分と同じ「her」になり得る存在を増やすために行動している。
レヴィアンタの災厄の際に瀕死となったところを科学者セト=トワイライトに救われその意識を赤い猫のぬいぐるみに移された。
ぬいぐるみは普通の猫と同じ俊敏さを備える以外は魔術も使えない無力な物だが、人間を乗っ取り傀儡とする能力を持っている。魔力の高い者を見つけては己の目的のために自分のものとし、「大罪の器」を狙って名と姿を変えながら陰謀を巡らせ歴史の裏で暗躍してきた。彼女の本来の姿のモチーフとなったVOCALOIDは猫村いろはだが、時代ごとに様々な者の姿をして現れている。
傀儡とされた人間が彼女の支配から脱するのは困難で、本体の赤猫が離れている時も糸の切れた人形のようになって本人が意識を取り戻すことはない。ただ、意識の残滓らしきものは本人も感じ取り、僅かなりとも影響を受けるようである。操られている人間は加齢する事はないが一度支配から解放されるとその分の時間が経過する。本人の意識を残したまま操る事も可能。ぬいぐるみの心臓部には小型の「BLACK BOX typeS」が仕込まれている。
強欲の悪魔の力を持って生まれた「系譜者」という存在でもあり、強欲の器「マーロン・スプーン」の能力である蒼炎を使用できる。
なお、外見に拘るエルルカと違い、イリーナは外見よりも能力と利便性を重視している。
炎を操る魔術を好んでおり、口癖は「消し炭にするぞ」。
セト=トワイライトのクローンである「ghoul child」として生まれ、同じ「ghoul child」のキリル=クロックワーカーと兄妹として生活していた。しかし兄がエルルカによって「her」を治療された事や婚約した事で兄を奪われたと感じたイリーナは表面上仲良くしつつも憎悪を感じていた。
第七次[Ma]計画にエルルカと共に選ばれた際に他の女王候補と共にエルルカを殺害し、女王となるが半年にも満たない内にレヴィアンタの災厄が発生。四肢を失い全身に大火傷を負い、妊娠した双子は死亡した。セトにより「ルナカ・ラボラ」で赤猫のぬいぐるみにその意識を移された後、彼女はエルルカに復讐を誓う。
この時代の名前はアイアール。憑代はハル=ネツマ。
大罪の器の契約者にふさわしい社会的な影響の強い人物を求め、ヴェノマニアの屋敷に訪れたところを家人を皆殺しにしたサテリアジス(ケルビム)と出会い、その悪意に目を付け契約を促した。
この時にハーレムの1人であるミクリアの中に怠惰の悪魔がいる事を察知し、「クロックワーカーズ・ドール」を製作した。
しばらくはサテリアジスやハーレムの面々に振り回されつつ彼の所業を見守っていたが、限界を感じサテリアジスの前から去る。
サテリアジスの死亡後に、名がなかった色欲の器に彼の名を由来として「ヴェノム・ソード」と名付けるなど彼に対して思うところはあった模様。
その後はハーレムの1人であったルカーナの肉体に目を付け彼女を追うが、エルルカがルカーナと肉体を交換した事で目論見は失敗に終わった。
この時代の名前はAB_CIR。憑代はエイビー=シー。元々はアイアール時代の部下の男性だったが、大罪の器の力に目が眩みハル=ネツマの肉体が殺されてしまったことで止むを得ず彼の肉体を操っていた。
本来イリーナは女性であるため男性の肉体では力を発揮できず特に大した行動はしていない。
グーラ病を発症したコンチータ家に訪れ、悪食の器と引き換えにグーラ病の対処法について教えた。
その後は盗賊プラトニックなどを使い大罪の器の回収をしようとしたが悉く失敗している。コンチータが行方不明になった後は千年樹の森でエルドにエルルカの行方について尋問したが成果は得られなかった。
この時代の名前はアビスI.R.。憑代はバーバラ=バーバ。また、肉体を殺害された事からか肉体のストックを増やしている。
幼かったマリアム=フタピエの家族を殺害し、アサシンとして育成したりジェルメイヌ=アヴァドニアを狙い工作部隊と共に襲撃をしたりなど本編開始前から暗躍をしていた。
プリム=マーロンに仕え、ルシフェニアを崩壊すべく暗躍。リリアンヌに悪食の悪魔を宿らせたり、ネイ=マーロンをマリアムの養女として王宮へ潜伏するよう仕向けていた。ルシフェニア革命以降エルルカの肉体を乗っ取り、行動し老婆としてのアビスI.R.は死亡した事になっていた。グーミリアとの戦いで敗北し、肉体を奪い返されるも予備の肉体だったミキナ=フリージスの肉体を乗っ取り用済みとなったネイ=マーロンを殺害し大罪の器を奪うが、ジェルメイヌとの戦いで本体の赤猫を貫かれた事で敗北した。
しかしまだ生きており、「新生四騎士事件」にてジェルメイヌの肉体を支配する。
その後は嫉妬の器「レヴィアンタの双剣」を求め、蛇国に向かうがシャルテット=ラングレーの手により器はその姿を変えていたため入手ができなかった。
この時代の名前はジュリア=アベラール。憑代はジェルメイヌ=アヴァドニア。
ルシフェニアの大統領として活動する裏で犯罪組織「ペールノエル」のリーダーとして暗躍していた。
「ジュリア=アベラール」として行動していたのは影武者のメイラナであったため本人は殆ど登場していない。
孤児院で神の双子ヘンゼルの生まれ変わりであるレミーを見つけ、義理の息子として引き取った。ネイや彼女と敵対する人間からは利用するべく引き取ったと思われていたが実際はレミーを本当の息子のように愛していた。
リン=チャンを助けるために止むを得ず殺人を犯したレミーを「五番目のピエロ」としてペールノエルに迎え入れるがペールノエルの犯行が暴かれ始めた事で大統領としての信頼も揺らいでしまった。
エルルカとグーミリアの手によりレミーが殺された事で今までの地位を捨て、イリーナ=クロックワーカーとして決闘を申し込む。
激闘の果てに「BLCK BOX typeS」を発動し、異空間にてエルルカ(レヴィア)たちを殺害しようとするが「悪食の悪魔」の妨害により力がぶつかり合ったことでレヴィア、イリーナ、イブの魂は融合する事になり、以降Maの精神内で過ごす事になる。
Maにより精神を「クロックワーカーズ・ドール」に移され、ガレリアンの「娘」となる。自分が「イリーナ=クロックワーカー」であるという記憶はあるようだが融合の影響からか人格は変質し、幼い少女のような口調となっている。
ガレリアンにより建設された映画館「EVILS THEATER」に他の大罪の器共々移送されていたが、アダムによりガレリアン邸に召喚され、ガレリアンを守る為に邸を取り囲んでいた兵士を攻撃した事で報復として邸に火を付けられガレリアンと運命を共にしたかと思われたが、映画館にて復活するようにMaに仕組まれていた。
「何か」を思い出したアダムにより火傷は消え去り新たな力を手にいれた彼女は「人形館長」となり映画館を訪れた人間に死刑判決を下す存在となった。(例外的に無罪になったのはガレリアンの友人だったブルーノ=ゼロと待つ者の提案により映画館の庭師となったガモン=オクトの2名のみである。)
人形の身にもかかわらず妊娠し新たなイレギュラーを産み落とし、彼らをアダムとイブと名付ける。
Maがネメシスによって殺された時に仲間を失いたくないという思いからMaを救ったが、それによってリリアンヌがMaに憑依されてしまう事になる。
その直後に世界は崩壊。魂は人形から分離した後に再生した映画館に宿り、意思を持たぬまま魂となってしまった双子の魂をアダムとイブの魂で補う事で自我を獲得させた。
アダムとイブが「リ・バースデー」を早すぎたタイミングで発動させた為、世界の無限ループをただやり直すだけの存在と化した。
この時に正体がアリス=メリーゴーランドであった事が発覚。アダムがイリーナを助けたのはイリーナと母であるアリスが同一人物である事に気付いたからである。