概要
七つある大罪の器のうち「悪食」を司る悪魔が宿っている。
器としての形はほんのり赤みがかかったグラスであり、大罪の器の中で唯一美しいと評されている。
能力
作中では、バニカ=コンチータの肥満を改善し、スレンダーな美女に変えた。食欲を異常なほど強くし、なんでも溶かす強烈な胃酸を得ることで、普通の食べ物から汚物までを食べれるようにもなる。ただし、一般的な食材では満足できない悪食体質になってしまうことも。
死者を屍兵として蘇らせたり、その操作も可能。強大な戦力にもなり得る恐ろしい能力とも言える。
またグーラ病と呼ばれる病の元をつくることも出来るという。
グーラ病
元々はベルゼニアの風土病だったが後に各地域に拡散し、多くの人々に猛威を振るっていた病。名前の由来は発生した村の名前がグーラだったからとのこと。
バニカの時代では、バニカの父ムズーリたちがグラスの契約者・バエムを食べるという形で吸収してしまったことでこの病を発症。
これにかかった者は熱病に侵されるだけでなく食欲と味覚が異常になり、食べ物とは思えないものまで口にしたがり、やがて死に至らせる。
悪食の契約者と異なる点は、胃酸の変化。契約者はあらゆるものを消化できるが、グーラ病はただ悪食性が高まるだけなので、通常人間が消化できないようなものまで食べてしまうと、死に至る可能性がある。
薬学に精通していたプエリック=ロクゼによって特効薬が開発され、猛威は収まることになる。
屍兵
グーラ病で命を落とした人間がグラスの力で蘇った死人。また、家畜なども屍兵になる。(作中ではアルテのペットとしてムララという子豚がいた)
しかしその姿は生前とは比べものにならないほどの白い肌を持ち、人を襲うこともある。また、目はぽっかりと抜け落ちている不気味な姿。
身体を損傷しても生き物の肉を喰らうとその傷を癒やすことや契約者の命令を聞くこともできるが、知性が無いため細かいことまでは出来ない。
グラスオブコンチータを持つ者に従い、作中ではバニカ以外にもネイがこの能力を使用していた。
また、敵味方関係無く襲うこともあるという。
悪食の悪魔
赤い豚「バエム」の姿をしており、バニカ=コンチータの父親である先代領主にコンチータ家の悲劇をもたらした。バエムは伝説の豚として語られており、その味はとても美味であるとされているが食した者は災厄に見舞われるという伝承があり、エヴィリオス歴以前にあった大国はそれで滅びたという話が残されているほど。
元はセカンドピリオドの住人でウラド=ツペルシというバイオテクノロジーの権威ともされた学者で大食漢でもあったらしい。バニカが大罪殺しの器から作られた毒薬を飲んだカルロスを食したことで弱体化した様子を見て、彼女の子を喰らえば毒は中和されると唆すがバニカがそれを強く拒否し、代わりに自分に取り憑いていた彼を喰らったことで次の悪食の悪魔に成り代わられてしまう。