※このキャラクターは、現在最もストーリーが進んでいるweb版にのみ登場済みのキャラクターです。その為、記事内全体に書籍版、コミカライズ版、アニメ版のネタバレが多数含まれているので、web版以外が初見の方はご注意ください。
「私は魔王……人間に終わりを告げる存在なり」
プロフィール
種族 | 魔族 |
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年齢 | 不明(レイン曰く「外見は十代後半の少女」) |
一人称 | 私 |
概要
勇者パーティーを追放されたビーストテイマーの物語の最初期からその存在が示唆されていた作中世界において人間と対立関係にある魔族の長『魔王』の正体である少女。
『魔王』という壮大な肩書に反して、細く小さな体で、足元に届くほど長い金色の髪に、紅の鋭い瞳が特徴の少女の容姿をしている。
スカート丈が短く、飾りの少ないドレスのような真紅の服を身に纏っているが、それでいて見る者に熱烈的な印象を与える程の華麗さを見せる。
キャラクター像
性格
一見華麗な少女の様な容姿に反し、魔王の名に恥じぬ覇気と圧の持ち主で、威厳ある口調で話す。
後述する大きな一件以降は、尊大な口ぶりや態度は変わらないが、その言動からはややトゲが抜けた様子も見せるようになる。
戦闘力
魔王だけあって、作中でも屈指その戦闘能力を持っており、劇中では10人の最強種で構成されたレインのパーティーや、初代勇者 ラインハルトのパーティー、当代勇者 シフォン・ノクスのパーティーも加わった錚々たる混成パーティーを相手に、単独で渡り合い、それでいて全く引けをとることがない程。
すべての属性の超級魔法を無詠唱での連続乱射するのは勿論、白兵戦を仕掛けてきたカナデとミツキを一蹴だけで撥ね退けてみせたり、レインとラインハルト、リファの3人がかりでやっと鍔迫り合う事のできるほどの豪剣を振るい、その後もレインと切り結ぶ程の剣技を披露することも可能。その際には黒い剣を出現させて用意するという、物質創造魔法までも披露している。
更にレイン達と対峙した際には、自らの復活の為にその魂を贄として捧げたリース、モニカ・エクレールの魂の他、彼女らを介して捧げられた魔王軍四天王の一人 豪炎のアルテラ、そして魔族に堕ちた先代勇者アリオス・オーランドなどの魂も得たことで彼らがそれぞれ行使していた技を使用できる。
当人曰く、魔王として覚醒する度に、魔族の憎悪、怒りなどの感情を得ることで力を高めており、レイン達と対峙した時には最初の人間との戦争の時の3倍の力となっていた。
経歴
魔王の正体
太古の時代、魔族を恐怖し迫害しようとした人間達の侵攻によって、先代の魔王であった親を故郷諸共失い、その時に覚えた深い悲しみと怒り、そして同じく人間に一方的に虐げられた同胞達の憎しみや絶望、怒りも取り込む事で一際強大な力を手に入れ、自らが新たな魔王となって人間達との戦争に踏み出した(それらの事実から、『魔王』の真の姿は、魔族の恨み、嘆き、悲しみ、憎しみ……それら負の感情の集合体にして、一種の概念として捉えられている)。
一時は他の最強種達も加勢して尚も人間達を圧倒するが、見かねた神が過ちを犯した人間でもやり直すチャンスを与えんと、その血を与える事で魔王と渡り合うだけの力を持った勇者によって討伐された。
しかし、既に憎しみという名の概念そのものと化していた“魔王”を完全に消滅させる事はできなかった為、やむなく封印する事で半永久的に縛り続ける処置をとった(一定期間で封印が解けた場合の対策として勇者もまた子孫を残すこととなり、これがレインやアリオス、モニカ、シフォンなどの血脈につながることとなった)。
それから、一定の間隔で復活してはその時の勇者によって討伐、再封印される事を繰り返すことで延々と終わることのない種族ぐるみのいたちごっこを繰り返してきた。
復活した魔王…最強種を使役するビーストテイマーと出会う
※以下、web版最新話における重大なネタバレを含んでいるので、web版 第908話以降を未見の方はご注意ください。
そして、web版 第868話でそれまで自身の復活を目論んで暗躍を続けていたリース、モニカの謀により遂に完全復活を果たす。
復活の影響により自身の憎悪の影響を受けた周辺の魔族が人間への敵意に駆られ凶暴化し、それに呼応するように魔族の殲滅を図った人間側の王率いる人間軍も魔族領である西大陸に侵攻し、再び魔族と人間の全面戦争が幕を開く絶望的な状況下の中、レインは「魔族の一人である魔王も、最強種としてビーストテイマーの能力で“使役”できるのではないか?」と考え、殲滅しようとした王を説得し、四天王の一人 水王のジルオールやその親衛隊長 カシオンら争いを望まない穏健派の魔族やラインハルト、シフォンら初代、当代の勇者らの協力を取り付けると、人間と穏健派の魔族が、憎悪に囚われ暴走した魔族の軍を足止めする間に魔王城に乗り込み、復活した魔王=エーデルワイスと対峙することとなる。
しかし、“魔王”の概念によって憎しみや殺意に駆られていたエーデルワイスはレインの説得に応じずに交戦を開始。
レインのパーティー、ラインハルトのパーティー、勇者パーティーを同時に相手にしても互角以上どこか圧倒し、それでも諦めようとせずに立ち上がるレイン達を強者と認め、全力を出すといよいよレイン達を追い詰める。しかし、自分達を信じる仲間達や人々の希望の力を糧に必死に食らいついてくるレイン達の勢いに徐々に拮抗状態に縺れ込んでいく。
それでも頑なに「人間と魔族が解り合う事など決してない」「人間を滅ぼすことこそが魔族の使命である」と主張するが、戦いながらもレインは、魔族でありながら人間に敵意を向ける事なく自身と契約したライハや、争いを好まずに平和を望もうとしているジルオール、そしてその根底にあったのが『人間への憎しみ』であったものの、人間と魔族という関係ながら実の母娘以上に深い絆で結ばれていたモニカとリースの事を引き合いに出し、人間と魔族の間に交わされたのは悲劇だけではないと説得。
さらに取り込んでいたモニカ、リースの魂がその言葉に反応する事になり、エーデルワイスは人間と魔族が実際に共に過ごしていた事実を知り、激しく動揺する。
必死にそれを「戯言」と振り払おうとするが、レインはそれは“魔王”という概念がそうさせているだけであり、自分自身の意志ではないと指摘。
「魔王じゃなくて、エーデルワイスっていう、キミ自身の想いを教えてくれ!」
その説得をきっかけに自身の中にあるモニカとリースの魂、そして経緯はどうあれ、本来魔族の天敵という勇者でありながら、敵である筈の魔族になることで、ある意味では魔族を受け入れる形になったアリオスの魂の存在を感じ、魔族と人間の間にあるのは憎悪や敵意だけではなかったことを実感し、激しく狼狽。そして、遂に頑なだったエーデルワイスの心は動かし始める。
そして、そんなエーデルワイスの動揺から隙が生まれた事を察したレインはシフォン、ラインハルトの援護を受け、テイムしたコウモリによる目眩ましによる背後からの奇襲というビーストテイマーならではの攻撃をもって、遂に戦闘不能に陥る(同時にレイン達もこの一手に全力を注いだ事で戦闘の継続は不可能となり、事実上の引き分け)。
エーデルワイス自身はここで潔くトドメを刺されることで次代の魔王に魔族の悲願を引き継がせようとしたが、レインはそれを否定。
改めて、争いを繰り返し、理不尽に命を奪い合う、この不毛な争いを終わりにしたいと伝え、説得するレインに対し、エーデルワイスもようやく少しずつ耳を傾けようとするが、自分を支配する『魔王』の概念は消す事はできず、魔王である以上はその使命を果たさなければならない。それは自分自身の意思ではどうすることもできないとも話す。
そこでレインから自分と『契約』することで、“魔王”を抑え込み、それから今の自分達を知ってもらうことで“魔王”の憎しみを浄化していく事を提案される。
そんな埒外な提案に唖然としながらも、そこまでして自分に手を差し伸べようとしてくるレインのひたむきな心を前に少しずつ心が氷解されたエーデルワイスはここでようやく自分が“笑っている”ことを指摘された。
それが自分の『答え』と理解したエーデルワイスは遂にレインの提案を受け入れ、彼と“契約”を結ぶこととなった。
当然、魔王という規格外の存在と契約という事もあって、その底しれない魔力にレインの身体の負担は今までにないほどに大きいものだったが、カナデ、タニア、ソラ、ルナ、ニーナ、ティナ、リファ、イリス、フィーニア、サクラ、ライハ、コハネら仲間達。
さらにシフォン、ミルフィーユ、ショコラ、そしてラインハルトの手を借りながら、契約を完了させる。
「……我が名は、レイン・シュラウド。新たな契約を結び、ここに縁を作る。誓いを胸に、希望を心に、力をこの手に。答えよ。汝の名前は?」
「……エーデルワイス……」
遂に“英雄”レイン・シュラウドと“魔王”エーデルワイスは契約という形で手を取り合い、決して相容れることのないと思われた人間と魔族の関係を変える大きな一歩を歩みだしたのだった。
こうして、レイン達と和解したエーデルワイスは魔族の代表として人間の代表者であるアルガス王とも対面。彼の誠意ある謝罪を受け入れ、まだ課題こそ多かれど、人間と魔族の和平実現に向けて、こちらも手を取り合う姿勢を見せた。
その後は、魔王の概念を封印している事から力は若干弱体化している事を示唆しているが、それでもその圧倒的な力は健在のようで、それを逆手に取る形で、残る最後の世界の脅威に挑まんとするレインの力を高める為に稽古をつけることとなる。
関連人物
レイン達一行
魔王である自分を使役するという前代未聞の提案をし、そしてそれを実現させたビーストテイマー。最初は過去に対峙してきた人間と同等に見做し、敵対していたが、戦いの中でも説得を続け、遂には自分と契約をしてまでも手を差し伸べようとした彼の優しさを前に、エーデルワイスの心も遂に氷解した。契約後は「主」と呼んでいる。
同じくレインと契約している魔族の少女。
配下
- 水王のジルオール
穏健派の魔族達の指導者であり、魔王軍四天王の唯一の生き残りである女魔族。
エーデルワイスとアルガス王との対談時には魔族側の付き添い人となるなど、実質的な魔族のナンバー2的立場を担う事となる。
自身を復活させようと劇中で幾多の暗躍を重ねてきた女魔族。
エーデルワイス復活後、自らもその力の糧になる事を望んで自害した為、直接対面はしていない。リース自身は魔王復活と共に人間の世を滅ぼす事が望みであったが、皮肉にも彼女の魂を取り込んだことでエーデルワイスは魔族と人間の間にも深い絆を結べる事を知り、結果的にリースの思惑とは真逆の結末へと行き着く事となった。
その他
人間の最高権力者。レインと契約後、エーデルワイスは彼と対談し、過去に人間が魔族に対して行ってきた数々の非道な行いについて誠意ある謝罪を受けた事で、和平に向けて歩みだすことなった。
エーデルワイス復活に際してその力の糧として魂を捧げられた人間達。いずれもリース同様、エーデルワイスに魔族と人間の間にあるのは憎悪や敵意だけでない事を気づかせる大きなきっかけになった。