概要
ギリシャ神話の眠りの神ヒュプノスの息子オネイロスたちのことで、名前はそのまま古代ギリシャ語で夢を意味する。
人や英雄・王の夢モルペウス/モルフェウス (Morpheus)、悪夢や獣の夢ポベートール/イケロス(Ikelos) 、非現実や物体の夢パンタソス (Phantasos)の3柱が知られており、全員含めてこの名で呼ばれている。
ヘーシオドスの『神統記』では、夜の神ニュクスの息子とされ、ヒュプノスとタナトスとは兄弟であるとされる。
『オデュッセイア』では、オーケアノスの遙か西の「死の国」近くの「夢の国」に住んでおり、この国にある二つの門から人間界に訪れ、夢を見せて神意を伝える役目を持つと記述された。
なお象牙の門から出てきたオネイロスは嘘偽りを夢見させ、鋭い角の門から出てきたオネイロスは真実を伝えるのだという。
『変身物語』ではキンメリオイの国の山中に住むとされ、洞窟の奥にある象牙の寝台で眠る眠りの神の周囲に、あらゆるものに変化しうる不定形で漂うとされた。