「人知れず闇を刺し、人知れず闇に葬る。それが幻影騎士の仕事」
演:水石亜飛夢
概要
闇に生きる隠密の魔戒騎士幻影騎士・吼狼の称号を持つ。
少し無愛想で失礼な態度が目立ち、さらにキザでナルシストな一面を持つ。
今までは人知れずに行動してきたが、アディーの石板が破壊されたことで元老院から正式な名を受け、冴島雷牙達と行動する。
円参という手裏剣のような暗器を愛用している。
活躍
『魔戒ノ花』
石板のホラーの一体・アズダブが出現した後の博物館を訪れ、封印の破壊に魔戒法師が関わっていることを察知する。
その後、元老院からの正式な命令を受け、雷牙のパートナーとして彼をサポートすることになるが、前述したように隠密という立場上、常に雷牙のそばにいるわけではなく、独自に行動する場合もある。
雷牙やマユリとの交流を経て少しずつ変化が生じ、笑顔を浮かべたり、感情を露わにすることが多くなった。
また、ドゥオクトの討伐後に動力源として取り込まれていた女子高生・サキを救った雷牙から感謝の言葉を述べられた時には、感極まる様子を見せた。
元老院付きの魔戒騎士・毒島エイジを師に持ち、心から尊敬しているが、彼がエイリスの封印を解いた張本人であることを知り動揺するも、自身の使命と彼の教えに基づいて彼と敵対する。
マユリを庇ってエイリスに肉体を乗っ取られ、「開花の地」へ向かわされた後、邪心を付け込まれて雷牙と挌闘戦を繰り広げさせられる。
自分が影の者として生き、どれほど苦労を重ねて騎士になり、指令を受けてきたのか……憎しみの赴くまま剣を振るうクロウ。それを受け止める雷牙。
得物である剣が弾き飛ばされたことで、二人は素手で殴り合う二人。
「どこまでも優しい人だ……その優しさが……大嫌いです!」
この言葉と共にクロウは雷牙は羽交い絞めにする。
駆けつけたマユリの前でクロウは叫ぶ。
「あの人に対してもそうだ!『マユリは人間だ、魔導具じゃない』!本当にそうですか…『人間』ですか!?」
「今のお前も同じ想いのはずだ!」と叫ぶ雷牙に対し、クロウはなおも言う。
「あなたは誰も傷つけない…だから、本当の想いを口にしない!マユリさんは『人間』ではない……『女』です。あなたも…そう思っているはずです!」
ついに雷牙の秘めた想いをマユリに告げるクロウ。
そんなクロウの告白を受け止めながら、雷牙は立ち上がる。
雷牙「ああ……確かにそうだ!しかし……マユリは『女』である前に、俺達の『仲間』だ!そうは思わないのか!?」
「思いますよ!!優しいあなたに感化されて……そう思うようになってしまいました……」
雷牙の言葉を受け、クロウの憎しみが涙へと変わっていく。
やがて、慟哭にも近い叫びと共に幾度となく殴りつけていく。
雷牙「俺は……俺は望んで優しい騎士になったんじゃない!俺には……この生き方しかなかった……!!」
クロウの拳を受け止め、殴り返す雷牙は友(ザルバ)の施された左手を見る。
そこに浮かび上がるのは、幼い日に次元の狭間に消えた母と父、そして魔戒騎士の道を示してくれた恩人達。
雷牙「救える命は何があっても救う……ただ、その約束を果たして生きてきた!それだけだ!!それが優しいというのなら……そう言えばいい!!しかし……お前が『友』であることに変わりはない」
『影』ではなく、『友』と呼ばれたことでクロウの心は完全に氷解。
エイリスは彼から離れ、真の姿を露わにする。
激闘の末に、エイリスが再封印された後、雷牙やマユリと別れたクロウはオルヴァと共に幻影騎士の道を往く。
魔戒剣を振りかざし、夜の街を歩く中、彼の耳には鈴の音色が響いていた……。
『魔戒烈伝』
牙狼10周年オールスター作品である本作では、第8話後半「試金石」で主役として登場。
隊師ことエイジとのイメージ内で真剣勝負。
年期の差で剣術と体術に苦戦するが、符術を円斬でかき消し、吼狼の鎧を召喚し、心の弱さと過去の罪を抉られながらも怒りの刃を叩き付けんとする。
途中、エイジの想い人であるアカリの幻影に戸惑うが意を決し切り払った。
「あなたの知ってる……昔の僕とは違う!!」
この言葉と共にイメージが解除。己の弱さと向き合うことができたと隊師に感謝する。
エイジもまた、「優しさはお前の武器であり、心の隙でもあることを忘れるな」と警告しながら、次の隊師はお前だと自身に勝利した愛弟子の姿を褒める。
「僕は代理人にすぎません。我々の隊師は……あなたです」
謙るクロウに対して、エイジは「俺は罪を犯した。もうの資格はない」と自嘲げに吐き捨てる。
そんなエイジに対し、クロウはなおも言う。
「あなたの心の中の迷いは、さっき僕が切り捨てた。もう……あなたの心から、闇は完全に消えたはずです」
そう――この決闘は、未熟だった自身を育てあげ、磨き上げてくれた隊師のためにクロウ自身が望んだものだったのだ。
「僕は待っています。あなたの下で、共に働ける日を……」
かつて未熟だった己自分にそうしたように、隊師に手を差し伸べるクロウ。
そんな弟子にかつての自身の鏡のごとく映ったのか、エイジは「たわけ」と言わんばかりにその手を跳ね除け、檻から去るその背中を見送るのだった。
『月虹ノ旅人』
本作では、中盤から登場する。
牙狼の鎧に取り込まれてしまった雷牙を救うために、騎士の魂をぶつける儀式によって雷牙を強制的にガロの鎧から引き剥がす。
白孔からドグルスが放たれた後、雷牙を英霊の塔へ向かわせるために冴島邸に残り戦う。
ドグルスを倒し、ゴンザから託されたマユリの花を英霊の塔へ運び、マユリに渡す。
その後、牙城の結界を破るために札を使用して突撃するが、バラゴの攻撃を受けて墜落しそのまま時を止められてしまう。その時クロウは、師であるエイジのことを考えていた。
幻影騎士・吼狼
「教えてやる。ホラーは死んでも、星にはなれない」
クロウが魔戒剣で頭上に円を描いた後、九字護身法のように構えることで召喚する紺色の鎧。
『翼人牙狼』のように背中から巨大な翼を生やして飛翔することが出来るが、鎧の装着時間が約20秒減少してしまうという弱点がある。
飛翔の時には耳部分をバイザーのように変形させて爬虫類のような風貌になる。
魔戒剣は変化前とほぼ同じ形状の「幻影剣」に変化する。
魔導具オルヴァ
「覚悟は出来てるわよ、クロウ!」
声:大関英里
胸部の装甲に装着されているクロウの魔道具。
女性の横顔を象ったカメオの形をしている。
生意気な若い女性のような口調が特徴。
関連タグ
媚空:同じように影で行動している闇斬師
毒島エイジ:師匠
佐久間龍一:中の人が同じ特撮キャラ繋がり。こちらはある意味エイジに近い人物と言える。
押切時雨:同じく、中の人が同じ特撮キャラ繋がり。