概要
グモン(Gumon)とはフィリピンで伝承される毛の塊のような魔物で、この名はビサヤ地方のヒリガイノン族の言葉で「もつれ」という意味である。
夜になると森の中や荒野を徘徊しており、哀れな犠牲者を見つけるとすぐさま襲い掛かって、長い毛で鼻や口をふさいで首を絞め窒息死させてしまうと恐れられるが、その姿ゆえに火には弱いとされる。
なお毛の塊の中には女性の魔物が潜んでいると伝わり、とてもひどい悪臭も漂わせているので、犠牲者をさらに苦しめるといわれている。
類似した長い毛を持つ魔物の伝承がいくつかあり、ミンダナオ島の女妖怪マンララヨや、同じくビサヤ地方のワライ族が伝承する毛むくじゃらの獣人マラカット、長い髪の毛で空を飛ぶアスワングの一種のクボットなどが知られている。