概要
マラカット(Malakat)とは、東ビサヤ地方に住むワライ族の伝承に登場する、昼間は人として暮らしているが、夜になると赤い目をした毛むくじゃらの人喰い獣人に化身する魔物。
彼らの体毛はまるで針金のように硬く、自由自在に動かして首を締め上げたり、口や鼻の中に詰め込んできて窒息させ、食い殺されるまでもなく命を奪ってしまう。
またこの毛はとんでもない悪臭を漂わせており、嗅いでしまうとたちまち意識を失ってしまうという。
類似した長い毛を持つ魔物の伝承がいくつかあり、ミンダナオ島の女妖怪マンララヨや、同じくビサヤ地方のヒリガイノン族の言葉で「もつれ」という意味のグモン、髪の毛を広げて精気を吸い空を飛ぶアスワングの一種であるクボットなどが知られている。
なおマラカットは、女性であることが多い他の魔物とは異なり、男女ともに存在していると信じられている。