概要
ヌーノ・サ・プンソ(Nuno sa Punso)とは、フィリピンで伝承されるとても小さな妖精で、名前は「蟻塚の古老」といった意味である。
この妖精は蟻塚に住んでおり、彼らの巣をわざとでは無くとも壊したり、小便をかけたりすると祟られると恐れられている。
彼らの怒りを買った者は、足がむくんで象のように腫れたり、吐血や血尿などの症状が出るといわれる。
そのため地元の人々は、蟻塚の横を通る際に「タビ・ポ、タビ・ポ」(tabi po tabi po:そばを通りますよゝ)と声をかけるのだという。
また背中から獣のような毛が生えるともいわれ、これらの症状を治療するためにはアルブラーリョ(albularyo)という心霊治療師に頼るしかない。
治療してもらった者によると、患部に塗り薬を塗って金属板を当てると、その部分が熱を持って徐々に直ったと言われるが、謝礼は金銭ではなく野菜を受け取ることで済ませられるそうである。