概要
クボット(Kubot)とは、ビサヤ地方で伝承される、束になった長く太い髪の毛で人を絡めとり、精気を吸うという女性姿の魔物アスワングの一種である。
この名はタガログ語で「包む」という意味で、乱れた髪の毛の束を触手のように使い、犠牲者の首を絞めたり、口や鼻の中に詰め込んできて窒息させ、最終的には殺してしまう。
また翼は持たないが、髪の毛をクラゲの触手のように広げて、空を飛ぶことができると信じられている。
類似した長い毛を持つ魔物の伝承がいくつかあり、ミンダナオ島の女妖怪マンララヨや、同じくビサヤ地方のヒリガイノン族の言葉で「もつれ」という意味のグモン、ワライ族が伝承する毛むくじゃらの獣人マラカットなどが知られている。