概要
1991年4月5日に発売されたPCエンジンゲームで、「コズミック・ファンタジー」の2作目。正式名称は「コズミック・ファンタジー2 冒険少年バン」
前作「コズミック・ファンタジー 冒険少年ユウ」と違い、主人公とヒロインが変わっていて、バンとリムになっている。
惑星イデアを舞台に、主人公バンがイデアを支配しようとする魔導士ガラムから幼なじみの少女ラーラを助けだそうとするストーリー。
後に後日談にあたる「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」が発売された。
登場人物
- バン
CV:関俊彦
主人公。イデア星出身。とにかく活発で猪突猛進な性格の少年。ラーラとは幼なじみ。さらわれたラーラを助けるために旅立つが、ガラムに返り討ちにされて20年後のイデア星に飛ばされてしまう。ガラムが支配したイデアとラーラを救う旅の途中で、リムやピックと出会い、やがて銀河魔法の使い手となる。旅の後は、リムの手ほどきを受けてコズミック・ハンターになろうと決意するが、主に座学の点数が原因で何回も試験に落ちることになる。
『なりトレ〜ザ・スゴロク'92〜』にも双六のコマとして出演する。
- リム
CV:鶴ひろみ
ヒロイン。銀河系の大手貿易会社ノーランディア貿易の社長令嬢だが、ユウに憧れてコズミックハンターになった美少女。サイキックの使い手で、キツネをモチーフにした最新型の高性能宇宙船「リトルフォックス」に乗って行動する。お嬢様だが、性格は勝気でおてんば。わがままな面もあるが、危険をかえりみずにピックを助けにイデア星に降りるなど、正義感は強い。ピック救出後帰還しようとしたが、トラブルでイデア星に置き去りにされてしまい、ピックと行動しているうちにバンと出会う。やがてバンを好きになるが、バンがなかなかラーラのことを忘れられないことに嫉妬して苦悩する。『なりトレ〜ザ・スゴロク'92〜』にも双六のコマとして出演する。
- ピック
ニャンの息子。『コズミック・ファンタジー3 冒険少年レイ』で登場するプリシラは母親で13匹の兄弟がいる。天才的な頭脳を持ち、いろいろなメカを発明する。宇宙船が故障し、イデア星に不時着して困っていたところをリムに助けられたが、リムの宇宙船が宇宙海賊の襲撃を受けて退避してしまい、リムと二人でイデア星に取り残されてしまう。リムと行動を共にする中、バンと出会う。旅の後は、バン・リムと共にリトルフォックスに乗って行動し、強力なネコ型兵器「キルケニー」を発明する。
- ダンディ
CV:鈴置洋孝
リムの愛機「リトルフォックス」のメインコンピュータの愛称。マザーとは逆に男性の姿でモニタに出てくる。通常時は名前の通り紳士的で穏やかな性格だが、戦闘モード時には勇ましい性格と口調になる。わがままなリムに振り回されている苦労性。リムがピックを助けにイデア星に降りている間、宇宙で待機していたが、宇宙海賊の襲撃を受けてしまい、戦闘モードがロックされていて反撃できないためその場を退避し、不本意ながらリムをイデア星に置き去りにしてしまった。終盤ではリム救出に駆けつけ、戦闘モードで応戦していた。
- ユウ
CV:高山みなみ
前作「コズミック・ファンタジー 冒険少年ユウ」の主人公。イデア星に残されたリム救出のために、コズミックハンターとしてイデア星にやって来る。
- サヤ
CV:高田由美
前作「コズミック・ファンタジー 冒険少年ユウ」のヒロイン。ユウと共に、リム救出のためにイデア星にやって来る。
- もんも
CV:高田由美
ユウと共に行動するモモンガ型の生体メカ。
- トキダ長官
CV:玄田哲章
元連邦軍のエースパイロットでユウたちの上司。
- ニャン
CV:中野聖子/深雪さなえ(3以降)
ピックの父親で自称銀河一の星間商人。シャム星出身。語尾には息子のピックと共に「でし」が付く。ピックがリムと一緒にイデア星に取り残されたのを知って、ユウたちと共にイデア星に向かう。
- ガラム
CV:鈴置洋孝
暗黒の魔導士。ラーラの力を手に入れて、イデア全土を支配しようとを企む。ラーラをさらい、彼女を強姦して無理やり妻にしたことで、その力と不老不死を手に入れた。ラーラを助けに来たバンをあっさり返り討ちにして20年後のイデア星に飛ばした。最終決戦では、ラーラのペンダントの力で不老不死の力を打ち消され、自身をモンスター化してバンたちに襲いかかるが倒された。
- ラーラ
CV:皆口裕子
バンの幼なじみ。お淑やかだが、言うべきときは言う性格。村の仕事を手伝わないバンに意見することが多いが、バンに好意を抱いている。実はイデアの王女ヘレナであり、「彼女には大いなる力が秘められており、ラーラを妻として娶った者がその力を手に入れる」という理由から、国王がウバに預けてただの村娘として育てられていた。しかしラーラのことを知ったガラムにさらわれ、ガラムの妻にされてしまう。20年後のイデア星に飛ばされたバンが助けに来る数年前に、ラーラは病死してしまうが、その想いゆえからか幻として存在していて、やって来たバンにガラムの力を打ち消す「王家のペンダント」を渡した。また、生前にバン宛の手紙を残していて、その手紙に書かれたラーラの気持ちを受け止めたバンはコズミックハンターになる決意を新たにした。
ガラムとの間には一人息子ガッシュがいて、ガッシュは「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」に登場する。
「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」では、すでに故人だが、ラーラの存在はバンやガッシュに影響を与えていて、さらに形見である「王家のペンダント」が今作でも重要な役割を果たす。エンディングでは天使の姿で現れて、バンを助けて、リムと再会させた。
ヒロインが悪党にさらわれた場合、すんでのところで主人公に助けられるのがお約束なのだが、ラーラはさっさとガラムに手籠めにされてしまった。まさにこの作品のヒロインを彷彿させる悲劇の少女である。
- アニー
CV:高田由美
魔導士の少女。バンと出逢った時は7歳の子供だったが、彼が20年後に飛ばされた後には大人の女性として成長した姿で再会することになる。
「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」でも登場するが、バンをかばうためにガッシュの攻撃を受けて死亡してしまう。
- ウバ
ラーラの育ての親。ラーラの行く末を心配した国王から普通の娘として育ててくれと頼まれて、ラーラの面倒をみていた。
- 国王
イデア王国の王。ラーラの父親。ラーラの力を邪悪なる者に使われないために、ウバにラーラを預けて普通の娘として育ててくれと頼んだ。バンに「王家の剣」を与えてラーラ救出を頼む。また王国一の剣の使い手ジャンをバンの護衛につけるなど便宜をはかった。
- ダーバ
代々王家に使えていた魔導士。ラーラが生まれたときに、「彼女には大いなる力が秘められており、ラーラを妻として娶った者がその力を手に入れる」と国王に伝えた。
- ジャン
イデア王国の剣士。王国一の剣の使い手。
- ウィズダム
ガラムの配下。ガラムの命令で兵隊を引き連れて村を襲撃してラーラを連れ去った。
- ジェフ・ノーランディア
漫画版に登場。銀河系の大手貿易会社ノーランディア貿易の社長でリムの父親。リムを溺愛している。
- ジルベール
「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」に登場。宇宙海賊の女性。だがヘルドレイクと組んで、ガッシュのラーラを慕う気持ちを利用している。強大な力を持つガッシュの力をコントロールするために「王家のペンダント」を求めている。バンに敗れたことでショックを受けて錯乱状態になったガッシュに「ママ」と呼ばれて、「マザコン」と呼んで突き放したあげく、銃でガッシュに致命傷を負わせた。また、時空間を彷徨っていたリムに違う記憶を植え込み、バンと戦わせて苦しめた。しかし、ジルベールはヘルドレイクに利用されていた捨て駒に過ぎず、それを知ったジルベールは最後のあがきでバンたちを道連れにしようと自らをモンスター化して襲いかかるが、返り討ちにされた。
- ヘルドレイク
「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」に登場。シンジケートのボス。ジルベールと組んでガッシュを利用しているが、ジルベールもまたヘルドレイクにとっては駒の1つに過ぎない。銀河の中心にある自身の本体(暗黒惑星)にエネルギー鉱石を積んだロケットをぶつけてビッグバンを起こし、実体のない自身の意識を全宇宙に轟かせ、新たな宇宙を創造する野望を抱く。
- ガッシュ
「コズミック・ファンタジー4 銀河少年伝説激闘編 光の宇宙(うみ)の中で…」に登場。ガラムとラーラの一人息子。外見はガラム似で髪の色はラーラ譲りの金髪の少年。
母ラーラを慕っていたが、ラーラから愛されたなかったのがトラウマになっている。ラーラから愛されなかったのはバンのせいだと逆恨みして、父ガラムのこともラーラを悲しませたと嫌っているマザコン。だが、そんな気持ちをジルベールに利用されたあげく、ジルベールの銃で致命傷を負わされてしまう。死ぬ直前に、バンから「ラーラが素直にガッシュを抱きしめられなかったのは、抱きしめることでガラムの行為(自分を無理矢理強姦して妻にしたこと)を肯定してしまうからで、本当は息子を愛していたはずだ」と言われたことで、あの世でラーラに抱きしめてもらえると信じながらバンに看取られて亡くなった。
関連動画
関連リンク
コズミック・ファンタジー2 冒険少年バン | プロジェクトEGG | レトロゲーム配信サイト
余談
- さらわれたヒロインを助けに行くという王道ストーリーなのだが、助けに行ったものの、ラーラはすでにガラムに強姦されてしまった後だったなど、プレイヤー(特にラーラに初恋を感じたファン)に多くの衝撃とトラウマを与えた。NTRというものを一般ゲームユーザーに知らしめたのは本作ぐらいだろう。
関連タグ
バルテュス_ティアの輝き:NTRヒロインつながり。だがこの作品のヒロインと違い、ラーラはNTRされたあげく、そのまま死別するという救いのない結末となった。