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サマーウィンド〜少女たちが運んだ夏〜

さまーういんど

アダルトアニメOVA『くりいむレモン』の一作。『新くりいむレモン』シリーズの、6作目にあたる。真夏の海を舞台に、亡くなった恋人を想う青年と、美少女との出会いとを描く。
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概要編集

1987年7月30日発売。

アダルトOVA「くりいむレモン」シリーズの、単発作品。仕切り直された新シリーズ、「新くりいむレモンシリーズ」の一作で、第6作目にあたる。


物語編集

バイクに乗って、真夏の海にやってきた青年・日比木陽。

彼は海岸で、供養するかのように花束を海に投げ入れていた。

そして同じく、真夏の海にやって来たらしい美少女・美奈と出会う。

美奈が話しかけてきた事から、一緒に夏の海で遊び、やがて二人は口づけをかわす。が、美奈はいつの間にか姿を消した。

海の家で時間を潰した陽は、夕陽を見つつ涙を流している美奈を見つける。

ラブホテルに入った二人は、そこで互いに肌を重ね、愛し合う。

だが、次の日の朝。美奈は姿を消していた。


陽は海岸で、美奈と再会する。

再び美奈と遊び、互いに親しくなる陽。

しかし、その日の夕方。夕陽を見つつ、美奈は、


「ねぇ?もし私がこの海で死んじゃったりしたら、毎年ここへお参りに来てくれる?」


意味深に、そんな事を陽にたずねた。

「当たり前だろ。そんなの……」と、陽は答えるも、


「嘘……嘘よ。男の人なんてみんな口先だけだわ」

そう答える美奈。


そんな美奈へ、陽は語る。

自分の彼女・弥子が、1年前にこの海岸で亡くなった事を。

彼女もまた夏の海が好きだった事を告げると、美奈は涙を流した。


そして、夜の海岸で。

陽と美奈は、再び肌を重ね、愛し合う。


やがて、陽は美奈に告げる。「一緒に来ないか」と。

しかし、美奈はそれを拒絶した。


「私、彼とこの海に来て……死んじゃったの」


しかし、美奈の彼氏は去年も、その前も、来てくれなかった事を告げる。

「私も、夏の海好きよ」そう告げて、美奈は海の中に消えていった。


朝。

「本当にお前、俺なんかといて少しは幸せになったのか?」

美奈の消えた海へと、言葉をかける陽。

そして、リボン付きの麦わら帽子を、「受け取れよ」と、海に投げ入れる。


「もしも弥子に会ったら、仲良くしてやってくれよ。お前と同じくらい、寂しがり屋だからさ」


そして陽は、バイクで海から去って行くのだった。


登場人物編集

  • 日比木陽

主人公の青年。バイクに乗って、夏の海へとやってきた。

1年前に、彼女の弥子と死別し、その供養にと海へ赴いた。話しかけてきた美奈とともに海で遊んでいくうちに、美奈と親しくなり、その日のうちに肌を重ねる。

女性に気軽に声をかける質らしく、海の家の従業員の少女にもナンパするように語り掛けていた。

  • 美奈

本作のヒロイン。メイン画像の少女。

陽と出会い、愛し合うようになった。明るく振る舞っているが、意味深な事を陽にたずねる。

実は過去に、恋人と共にこの海岸へ訪れていた少女の亡霊。この海で命を落としており、夏になるたびに現れて、自分の当時の恋人を待ち続けていた。しかし、毎年彼は来なかったため、寂しさを感じていた。

陽にその事を告げ、自分の髪を結んでいたリボンをほどき、そのまま消えてしまった。

  • 弥子

陽のかつての恋人。故人。

夏の海が好きな少女だったが、劇中の1年前に何らかの理由で他界した。陽はその供養のため、彼女が好きだった夏のこの季節の、この海へと訪れていた。

  • 海の家の女の子

海岸の海の家の従業員の女性。陽に声を掛けられる。美奈や陽とは関係のない赤の他人だが、ラストカットで去り行く陽を後ろから見守っていた。なぜかその時に、美奈の姿と重なり合う演出が為されている。


スタッフ編集

監督:井出安軌

作画監督:宮野晃

美術監督:美波夏海


小説編集

倉田悠子氏により、富士見書房よりノベライズが執筆・発売されていた。

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