概要
1980年代に発売されたアダルトアニメ「くりいむレモン」シリーズの一編。
『SF・超次元伝説ラル』(1984年12月3日発売)と、続編『超次元伝説ラルII〜ラモー・ルーの逆襲〜』(1986年12月5日発売)2本のOVA作品の総称。
惑星ラルを舞台に、伝説の剣「リバースの剣」を手にしたビキニアーマーの少女剣士キャロンが、囚われの王女ユリアを救いラルの世界を守るべく、悪しき魔法使いラモー・ルーに立ち向かうが、隠されたキャロンの正体とは…というあらすじである。
「触手姦」の元祖ものとして
現在のオタク向けエロ界隈では定番表現となっている、触手姦を描いた元祖アニメとして名高く、また「触手だから」という理由で無修正のまま日本ビデオ倫理協会の審査を通過した衝撃作でもあり、発売当時性の目覚めを迎えたオタク層の性癖を多大に歪めた元凶として根強い人気を誇る。
pixivに投稿されている作品総数も1000件を軽く超えており「くりいむレモン」関連作としては最も多い。上述のように本作で盛大にこじらせたファンが多いことから、投稿作品の性癖の濃さも特筆モノである。
なお海外でも所謂「HENTAI」の代表格の一作という位置づけとなっており、海外ファンも多い。一般的な知名度では亜美シリーズなどに及ばないが、知るオタクぞ知る裏・陰・玄人層の人気作である。
多数の著名クリエイターがあまり正体を隠す気なく参加している「くりいむレモン」シリーズだが、キャラクターデザインの計奈恵以外の主要スタッフについては現在もはっきりしていない。
登場人物
- キャロン:
主人公。元は村娘だったが、悪を討つ「リバースの剣」の使い手として、ラモー・ルーの討伐に赴く。実はラル王国の真の王女。該当記事を参照。
- ペルル:
ラモー・ルーの魔法で、小さなモンスターに変身させられていた少年。
※本来は、画面左のような少年。
元は人間の剣士で、キャロンより先にラモー・ルーに挑み、敗北していた。結構スケベだが、強い正義感を持つ。1のラストで人間に戻り、2でラルの神殿「ゴモロス」の神官となる存在であると知る。魔力を持つ鏡「ブレイブ」の使い手となる。
2ではマリオに犯されて淫乱になったキャロンに、裸で迫られていた。
- ユリア
:ラル王国の王女。リバースの剣の奪取を企むラモー・ルーに捕らわれ、触手の凌辱による尋問を受けつつ尋問されていた。実は王女の替え玉で、真の王女は別に居た。1では最初にラモー・ルーに犯され、2でも同様に冒頭で犯されてしまっている。
- ライケ:王国の衛士をつとめる剣士。後にユリアと相思相愛の仲に。実力者ではあるが、劇中ではあまり役立たない。
- サラ:2に登場。ラモー・ルーの部下である、黒騎兵に襲われた村の巫女。廃墟に取り残されていたところを、ペルルとライケに助け出され、ペルルがゴモロスの神官になる事を見出した。
- マリオ:2に登場。ライケの友人。普段であればちょっとスケベで陽気な村の青年なのだが、復活したラモー・ルーに取りつかれたユリアを抱いて、ラモー・ルーに憑依されてしまう。その状態でキャロンを凌辱し強姦。彼女を淫蕩な性格に変えてしまった。
- ラモー・ルー:ラル王国を襲い、支配せんと企む悪の魔法使い。女性の愛液を吸って魔力を強化させる事が可能。己の身体を触手と化し、それを用いて凌辱する。1でキャロンのリバースの剣の前に敗北するが、三年後に復活。マリオに憑依しキャロンを犯して淫乱に変えるも、ペルルのブレイブの前に元に戻される。巨大な怪物に変身し、キャロンと戦うも、再びリバースの剣の前に敗北し消滅。しかし死の間際に「ラルは、闇の巫女により滅ぼされる」という意味深な言葉を残した。
没になった最終作「3」
ラル・シリーズは本来は三部作で、3作目がラストになる予定だった。しかし様々な要因で企画が流れてしまい、実現する事無く現在に至っている。
しかし、倉田悠子氏の手掛けたノベライズでは、三部の内容も描かれている。
それによると、ラルには「昼の地『ミュウ』」と「夜の地『シャドル』」とが存在し、ラルの女王(キャロン)はミュウの巫女で、シャドルの巫女とは対となるという。
そして、ラモー・ルーが消滅した後。シャドルの巫女が復活。再びラルに暗雲が立ち込める。
シャドルの巫女は、ゴモロスの神殿の神官・ペルルを誘惑し、キャロンから奪い取ってしまう。その巫女こそ、サラだった。
サラはキャロンからペルルを奪い、そしてリバースの剣を持つキャロンの心を折り、シャドルと自らがラルを支配せんと企んでいたのだ……。
2でサラが登場した事と、ラモー・ルーの今際の際のセリフなどが、その伏線になっていた。
(なお、くりいむレモンのムックの某マンガでは、ラモー・ルーのそのセリフを取り上げ、「(企画が流れてしまったので)あれは意味のないセリフとして聞き流して」などと言われていた)
アニパロマンガ
創映新社1987年7月発行「フェアリーダスト」2号にて、計奈恵氏本人の筆による読み切りのアニパロマンガ「低次元伝説ラル」が掲載された。
舞台・設定は、(1980年代当時の)現代日本の学園で、キャロンをはじめ、ペルル、ユリア、ライケ、ラモー・ルーやその部下にいたるまでが学園の生徒であり、学ランおよびセーラー服を着て学園生活を送っている。
いわば学園スピンオフの先駆けと言える内容になっている。内容は、以下の一ページマンガを参照。
※このマンガを描いた者です。補足いたします。フェアリーダストに掲載された原作には回収されていない伏線がありました。この伏線を回収すべく2017年夏コミ発行の同人誌にて二次創作を行い30年ぶりに伏線を回収した物がこちらになります。以上ですお邪魔いたしました。