概要
1985年9月10日発売。
アダルトOVA「くりいむレモン」シリーズの、単発作品。
超能力もので、学園を舞台に、超能力を有する処女のグループ「スーパーバージン・グルーピー」と、同じく超能力を有する童貞のグループ「超童貞倶楽部」との抗争を描く。
シリーズ内でも、屈指の不人気作である。
内容
どこにでもありそうにない中学校、EP学園。
この学園には、2つの不思議な勢力グループがあった。
片方は、超能力者で処女の女子集団「スーパーバージン・グルーピー」。
そして、それと対立する童貞男子の超能力者集団。「超童貞倶楽部」。
学園では男女交際が禁止されており、上記二つの集団もまた対立していた。
グルーピーは、女子の大切な処女を守るべく、男子を汚らわしい存在として敵視。リーダーの惟衣夜は、男子から女子を守るため、グルーピーを率いていた。
学園の女子生徒・魔子も、グルーピーに所属する超処女の一人だった。
だがある日、「超童貞倶楽部」のメンバーである男子・多魔気は、惟衣夜たちに言いがかりを付けられ、裸に剥かれていた。
魔子はそんな多魔気に手を差し伸べ、これが切っ掛けで二人は交際する事に。
しかし、それを知ったグルーピーの皆と惟衣夜は、魔子を裏切り者と言い放。
超能力を用い、惟衣夜は魔子を裸にすると、そのまま犯す。
そして裸のままで、屋外の木の幹に縛り付けてしまった。
だが、それを知った多魔気が、魔子を助けんと駆けつける。
そして超童貞倶楽部の皆も駆けつけて、グルーピーの皆と全面対決に。
この状況を見て、多魔気は「男女が憎み合うのは間違っている」「男女で愛し合う事の素晴らしさを皆に知ってもらおう」と、魔子と肌を重ねる。
目前で愛し合う様子を見て、両者は憎しみ合う事のむなしさを知り、和解。
以後は、いがみ合いは解消され、男女交際も解禁。魔子と多魔気は改めて交際するようになったのだった。
登場人物・用語
- 魔子(まこ)
メインイラストの少女で、本作のヒロイン。
「スーパーバージン・グルーピー」の一員で、彼女自身も超能力を使えるらしい。
当初からグルーピーの主義には懐疑的だったが、多魔気を助けてから彼に惹かれるようになる。
- 多魔気(たまき)
魔子と交際する、「超童貞倶楽部」の一員である男子。彼自身もまた超能力を用いる。
惟衣夜に襲われ、当初は彼自身も女性不信に陥りかけていたが、魔子と交際し始めてそれを改める。魔子を想う様になり、彼女を助けようとして懲罰を受けているところに駆けつけた。
- 惟衣夜(しいや)
「スーパーバージン・グルーピー」のリーダーの少女。強力な超能力を有し、男子から女子とその処女を守るべく、その力を用いている。
男子を、女子を襲う汚らわしい存在と見なしている。取り巻きとともに、多魔気に言いがかりを付けて(女子テニス部の部員の太腿を見てると、勝手に決めつけた)、超能力で捕縛し、その服を無理やり脱がせた。
グルーピーに所属する女子は、男子と交際してはならないと決めており、それを破った魔子に懲罰を与えた。
その際、魔子の服を脱がせ、自身も裸になり肌を重ねていた事から、元よりレズの気があったものと思われる(普段から、自身を『お姉様』と呼ばせていた)。
しかし最後には、魔子と多魔気が愛し合う様を目の当たりにする事で、改心する。
- スーパーバージン・グルーピー
惟衣夜がリーダーを務める女子の集団。
全員が処女の女子で構成された超能力者の集団。男子を汚らわしいものと決めつけ、憎悪している。男女交際は当然禁止。
- 超童貞倶楽部
多魔気が所属する、男子の集団。
全員が童貞の男子で構成された、やはり超能力者の集団。こちらも女子を憎悪しており、男女交際は禁じている。
※本作の超能力の描写は、透過光でオーラが浮かぶ……という、ありがちなもの。また、能力自体もテレキネシスのみで、他の能力は披露されなかった。
シリーズ随一の不人気作
本作は、キャラクターデザインが他のくりいむレモンのシリーズと異なり、素朴で派手さが無く、エロスをあまり感じさせないものである(その面長な顔立ちから「ムーミン」と揶揄される事も)。
製作側としては、『エロアニメっぽさをあえて感じさせない』という意図があったらしいが、その試みはうまくいったとは言い難い。
(一応オーソドックスな美少女の絵柄から外れた絵柄には一定の需要があり、あずきちゃんやこの世界の片隅にのすずさんのような素朴な絵柄のヒロインが好きな人には意外と好評な面もある)
内容もまた、他作品よりもエロさが感じられないために、アダルトアニメとして「使えない」ものというイメージが付いてしまう。その結果、くりいむレモン作品の中で、一番の不人気作となってしまった。
※実際、内容的にストーリーやエロシーンの演出など、アダルトアニメとしてでなく、普通のアニメとして見ても、注目すべき点が見当たらない一作であり、「本作を見るくらいなら、くりいむレモンの別の作品を見た方がまし」である。
不評なのはスタッフも薄々感じていたらしく恒例の本編終了後の次回予告を前作だったパート7は省略、当時の広告ではパート7と9だけを紹介しパート8が欠番扱い、3周年を記念して発売されたPART16までの総集編では、スーパーバージンだけ露骨に尺が短く(僅か1シーンのみ)エンディングのスタッフのお遊び絵コーナーに至っては、「スーパームーミン」の題と「これはすごいよねぇ H心なんておこらねぃの」の文と共に、ムーミンになった魔子のイラストが描き下ろされ徹底的にネタ扱いされていた。
逸話
事実か否かは不明だが、創英新社が発刊したマンガ誌「フェアリーダスト」のエッセイでは、本作に関する逸話が掲載されていた。
曰く、海外にて「くりいむレモン」関連のフィルムブックやムックなどの書籍が盗まれた際。
この「スーパーバージン」に関するものだけが、盗まれずに残されていた、との事。